RHYMESTER『ダンサブル』

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11th、2017年、日本
ヒップ・ホップ

広まれ、ヒップ・ホップの楽しさ!

彼らの音楽にやられてヒップ・ホップというジャンルにはまって早いことで3年近くが経ちました。
はまってからはとにかく多種多様なヒップ・ホップを聴いてきたのですが、ことさら「日本の」ヒップ・ホップの自分の中でのど真ん中ってやっぱりこの3人なんですよね。
そして2015年にリリースされた『Bitter, Sweet & Beautiful』は僕にとっては初めての「リアルタイムライムス」であったわけで、その年のベストアルバムに挙げるほどのインパクトを僕に与えてくれました。「美しく生きる」は今でも僕の人生のモットーです。
今作のリリースに際したインタビューで3人は口をそろえて前作を「小難しい作品を作ってしまった」と感じていると話しているのですが、彼らの(とくに宇多丸さんの)いい意味での「めんどくささ」が大好きなぼくからすると「そんなことないよ!そういうのすごく好きだよ!」と声を大にして言いたい。
でもまあ彼らがそう思っていたということがこの素晴らしい『ダンサブル』というアルバムに繋がっているので、まあ文句はございません。大好き!

今でも覚えているのですが、2015年12月に星野源が『YELLOW DANCER』の特集で「ウィークエンド・シャッフル」に出演したときに、すでに宇多丸さんはこのアルバムに繋がるような発言をしていて。「『YELLOW DANCER』というタイトルはすごくいい。僕たちが次のアルバムでやりたいと思ってることを、一番ズバっと言い当ててる」といった旨の発言だったと記憶しているのですが、「もう次のアルバムの話をしている!」と驚いた記憶があります。
そこからずっと楽しみにしていて、2016年の初夏頃には新曲「スタイル・ウォーズ」をあちこちのイベントでやっているなんて噂も耳にしていました。どんどん高まる期待。

そしてシングル『マイクの細道』が発売されて、アルバムリリースが発表されて、ラジオでは毎週新曲がかかって・・・と、約2年ぶりのアルバムなのに、なんだかあっという間だった気がします。いざリリースされてみると。

リスペクト』(1999年・シリアス)→『ウワサの真相』(2001年・ポップ)→『グレイゾーン』(2004年・シリアス)→『HEAT ISLAND』(2006年・アッパー)→『マニフェスト』(2010年・復活作・シリアス)→『POP LIFE』(2011年・ポップ)→『ダーティーサイエンス』(2013年・シリアス)と、RHYMESTERというアーティストは常にカウンターのカウンターのカウンター・・・ときわめて多動的傾向を持ったグループなのです。
だからこのタイミングでこういうアルバムを作ったのは本当に気持ちがいい。「快作だ!!!」と声を出して叫びたくなるくらいに。

楽曲的にはポップでダンサブルなのに、歌詞の内容は彼らならではのオールドスクール臭がプンプンするのが今作のミソ。
「梯子酒」「Don't Worry Be Happy」などふざけた内容の曲もあるけども、さすがは「もうすぐで30年選手」。マイクを持つ矜持的なものがふんだんに詰め込まれたアルバムです。
NetFlixのドラマ『ゲットダウン』(見たい―!)に触発されたという「Future Is Born」はまさにヒップ・ホップが生まれたその瞬間の話をしていたり。

「Back & Forth」ではRun D.M.C.も顔負けな掛け合いを見せていて、それがまたアルバムのテーマでもある「身体性」にもつながっているという、もうしょんべんちびるくらいかっこいい曲。Mummy-Dが日本人史上最もかっこいい「なら遠慮なく」をかましています。
先日のKICK THE CAN CREWもそうだけど、ベテランがこういう若手のやらない(忘れてしまっている)ものをフレッシュに焼き直すのってホント見ていて痛快。おじさんたちサイコー!!

ベテランだからこそできること、こんな時代だからこそフレッシュに聴こえること。
シーンでのポジション、時代性、総てがかみ合った、新たなRHYMESTERの名盤の誕生です。ほんと駄作を作らないな、この人たちは。それだけなんでもできちゃうってすごいですわ。
早くも次の作品が楽しみです・・・
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