伊藤計劃 『ハーモニー』

harmony.jpg


緻密に構築された未来世界、その極限


34歳にして、作家デビュー2年で急逝した作家、伊藤計劃。彼の2作目にして最後の長編小説がこの『ハーモニー』です。

もともと円城塔を読むようになってから、この名前をよく目にするようになりました。名前の字面にインパクトがあるだけにずっと読みたいと思っていて、処女作『虐殺器官』をよんだら、これがすごく面白くて、すぐにこの2作目を購入。今回今作も読み終わったのですが、これがまためちゃくちゃに面白かったです。

舞台は近未来。世界的な大戦争とそれに伴う感染症・死者の増加を経た人類は、究極の福祉社会を築き上げました。
そこでは、人間は老衰以外で死ぬことはないし、健康であることが世間からの評価の基準となっています。

いやー、この設定が妙にリアルで、生々しい。専門的な知識に関する記述も多く、このあたりの設定がかなり緻密に練られています。これは前作『虐殺器官』にも言えることで、この作家の一番の魅力だと言えます。巻末のインタビューでも著者が言っていますが、これはある意味「社会実験的」小説です。

物語のテンポもまたいいし、結末もまた示唆的。

こんな小説に出会えてよかったし、この作家さんの小説がもう読めないことにすごい悲しみを覚えます。この続きの物語も読みたかったよぉ・・・

次は、円城塔との合作『屍者の帝国』を読んでみたい。それに、この人の短篇も全部読みたい!それほど魅力的すぎる作家です!!!

それに劇場アニメ化も楽しみ。

予告編


★★★★★

↓ランキング参加中
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する