3rd、2007年、日本
ヒップ・ホップ
ポニーキャニオン
まずはヒップ・ホップ業界の話題として、KING OF KINGS 2017のお話を。
控えめに言っても、昨年ほどの興奮を覚えるような大会ではありませんでした、と言っておきたい。
GADOROの二連覇は称賛されるべき偉業であるのは間違いないけれども、そこにいたるまでのプロセスに問題があった。
観客の「おねだり」が暴走し、それを制御できなかった責任を大会側は問われるべきである。それを回避するための審査員システムなのだから、それが機能しなかった今、早急に代替案を考案するべきである。
あれでは
mol53が途中で無力感を抱いてしまった気持ちもわかる。本当に浮かばれない。
少々主観的な書き方になってしまうが、いわゆる<高校生ラップ選手権的なもの>から離れた純ヒップ・ホップな大会を我々はKOKに求めているのであって、また大会側もそれを標榜している分、今回の失望は大きい。
でもそれでもGADOROの二連覇はすごい。今後どういう動きをしてくるのか楽しみ。
負けてしまったmol53の活躍もすごかった。mu-tonを一回戦で負かした黄猿や、下馬評を大きく上まわってかましていたT-TANGGもよかった。
でもやっぱりバトルってその場の水物なんだなって思ったと同時に、それで「こいつが1番」と言い切ってしまうことの怖さも感じた。大会のスピード感のある進行がそれを増幅させてた。バトルのための、バトルによるイベントだったなあと。そういう趣旨の大会なのだけれど。
ほんと、M-1とかキングオブコントみたいなもんで、一種の必要悪なのかもしれない。存在することでシーンが活性化するし。
というわけで前置きが長くなったけども、バトルで名を売った最初のMC、KREVAの2007年発表3枚目のアルバム。
全体的にメロウで、でも韻は固くて、そして音がよくて、というKREVAらしい作品。
やっぱこの曲が一番強いかも。トラックのこの「抜け感」がめっちゃKREVAっぽいし、メロもサイコー。
最近彼がやっていた音楽劇「最高は一つじゃない」もこの曲のラインからなんですね。
「言ったそばから逢いたくなってる / 逢えない時に愛が詰まってる」ってライン、すばらしい。すばらしくKREVAっぽい。
やっぱポップセンスがずば抜けてますなこの人は。信頼できる。
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