GOMESS / あい

ai.jpg
1st、2014年、日本
ヒップ・ホップ / ポエトリーリーディング

今の彼にしか歌えない唯一無二の歌


まずは彼のプロフィールから。人となりなんて音楽にはあまり関係のないことですが、彼の場合大きな意味を持つので。

本名・森翔平。1994年(僕と同い年です)静岡県生まれ。10歳の時に自閉症を宣告され、以後ひきこもるように。
引きこもっている最中に出会ったRHYMESTERでヒップ・ホップと出会い、「これなら自分が自分であることを証明できるのでは」と思うように。
BSスカパー!で放送されている番組「BAZOOKA!!!」内の人気企画「高校生ラップ選手権」の第2回・第3回に出場。
特に第2回では準優勝を飾り、その生い立ちと共に注目を浴びる。
その後般若との共演をはじめ精力的にアーティスト活動を開始。

とまあこんな感じでございます。
僕は「高校生ラップ選手権」の大ファンなのですが、第2回で彼が放った
「あー?何がmotherにfucker? まず俺は母に感謝!」
というパンチラインを聴いて鳥肌が立ちました。
そんな彼がアルバムを出していると知ったので即買いでした。

彼がネットのインタビューで答えているように、この音楽はヒップ・ホップの範疇におけるものではないと僕も思います。
彼の持ち味はフリースタイルであり、このアルバムもフリースタイルのような形で作られたように聞こえます。
彼の吐き出す言葉は別に韻を踏んでいるわけではありません。
それでも聴いていて何か感じるものがあるのは、彼の言葉が持つ力が凄まじいからでしょう。
そういう意味ではこの音楽はポエトリーリーディングとしてもとらえられると思います。
もちろん#2"ゴメスティック・バイオレンス"みたいなもろヒップ・ホップ、という曲もあって、それもかっこいいです。

リリックの内容はやはり彼の生い立ちやバックグラウンドによるものが大きいですね。
個人的にすごいと思ったのは#5"遺書"。
これはたぶん完全フリースタイルなんですけど、彼が伝えたいと思っているメッセージがずしずし伝わってきて。
表現者としての才能が本当にあるのでしょう。

#8"伝説"はまずトラックがいいです。オーガニックな感じが。
そして共演しているのがdaokoという女性ラッパー。
1997年生まれというからすごいです。彼女の曲"メギツネ"でも二人は共演しています。彼女の作品も聞いてみたいと思いました。

そして#9"人間失格"はアーティストとしての彼が注目を浴びるきっかけとなった曲。
アルバムバージョンとして生まれ変わって収録されています。これもまたいいですね。
アコギとピアノによるトラックにのせて彼のハードな人生を語るリリックが吐き出される様は壮絶ながらもどこか美しい。

最後の#10"笑えてた"で彼が言っている通り、「今でしか歌えない歌」を歌った一枚。「夜家に帰って考えてからじゃ遅い」んです。そして、彼にしか伝えられないメッセージがギュッと詰まった作品でした。
これに続く2ndアルバム「し」もリリースされているとのことなので要チェックです。

★★★★★

#4"路上戦争"


#9"人間失格"

スポンサーサイト
Theme: HIPHOP,R&B,REGGAE - Genre: 音楽

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する