The Mars Volta / De-Loused In The Comatorium

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1st、2003年、アメリカ
プログレッシヴ・ロック / ポスト・ロック

凄まじい音世界


1990年代に活躍したポスト・ハードコアバンド、At The Drive-In
僕は全く聞いたことはないのですが、今回書くにあたってきわめて薄~いリサーチを行ったところ、ロックシーンにさっそうと現れ、突如空中分解した伝説のバンドのようです。
そのバンドのボーカル、セドリック・ビクスラーと同じくギター、オマー・ロドリゲスがグループ脱退後に結成したバンドがこのThe Mars Voltaです。
他の3人もSpartaというバンドを結成しているらしいです。まさに「分解」といった表現がぴったりですね。

というわけでその二人を中心に結成されたバンド。ドラムにはジョン・セオドアなる人物が参加しているのですが、めちゃウマです。間違いなくこのバンドのサウンドの肝、その一角を占めていると思います。パワフルなドラミングがセドリックの甲高いボーカルと相まって絶妙なカタルシスを生んでいます。
そしてなんとベースはRed Hot Chili Peppersのフリー。彼らはこのバンドを大いに気にいったらしく、オープニングアクトに据えるなど、交流も深かったようです。ジョン・フルシアンテも#7"Cicatriz E.S.P."に参加しています。

サウンド的には前バンドのポスト・ハードコア的要素はあまりなく、プログレッシヴ要素が前面に押し出されています。
オマーの変化自在なギターサウンドや変拍子やラテン系のパーカッションをふんだんに使ったドラムス・パーカッションが独特の音世界を作り出し、そこにセドリックの特徴的なハイトーンボイスが乗っかるという唯一無二のサウンド。
このボーカルは最高ですね。エモーショナルなだけじゃなくて、メロディも素晴らしい。このバンドの最大の魅力と言ってもいいでしょう。
過去のプログレの単なる焼き直しではなく、ギターのゆがみやドラムのドライヴ感でモダンな雰囲気にはなっています。

#1"Son Et Lumiere"から間髪入れずに始まるのが#2"Intertiatic ESP"。激しいビートにエモーショナルなセドリックのボーカルが乗っかり、それに縦横無尽にオマーのギターリフが絡み合う、まさにThe Mars Voltaといった感じの一曲。この一曲でだいぶこのバンド・このアルバムの雰囲気がつかめるのではないでしょうか。
#3"Roulette Dares (The Haunt Of)"でも勢いは止まりません。のっけから凄まじいビートで始まったかと思いきや、メロディアスな静かなパートに。でもやがて次第に盛り上がりはじめて・・・という緩急つけた展開が白眉もの。
不気味なバンジョーのような音色が印象的な#4"Tira Me a Las Arañas"に続くのは#5"Drunkship Of Lanterns"。いきなりマラカスにボンゴのパーカッション天国。ふわふわと浮かぶように断続的に続く歌、そして突如現れる楽器隊のキメパート、この節操のなさはちょっとYesを思い出させますね。
#6"Eriatarka"はドラムがかっちょええ曲です。いきなり曲の途中みたいなメロディで始まって拍子抜けするのですが、そのあと曲調が変わり、このアルバムの中でも1,2を争うカッコよさと難易度を誇るであろうドラムが聴こえてきてめちゃくちゃかっこいいです。このドラマーすごいです。
#7"Cicatriz ESP"は今作で一番長い12分超の大作。"I'm defected"と連呼する部分はかなりエモーショナル。全体的にやはりメロディアスでいいですね。ギターソロなどを交えた中間のインストは途中でギター以外がフェードアウトし、不気味な電子音だけが鳴り響く時間が3分ほど続く。そこから楽器陣が戻ってきて、歌が再開するところなどはカタルシス全開でございます。
#8"This Apparatus Must Be Unearthed"は5分足らずという一番普通の曲です。プログレ色も弱め。
#9"Televators"は今作一番メロディアスな曲。このゆったりした雰囲気で最後の曲#10"Take The Veil Cerpin Taxt"につなげます。この曲はとにかくこのバンドのいろんな要素が全部詰まったような曲で、特に中間の変なギターリフ、そしてそこからのベースソロ、そしてもとにもどってくるあたりが最高ですね。

21世紀のプログレはこれだ!と声高らかに叫びたくなる1枚。

★★★★★

#2"Inertiatic ESP"


#5"Drunkship Of Lanterns"
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