DOTAMA / ニューアルバム

new album
2nd、2015年、日本
ヒップ・ホップ

バトルだけでは見えてこない彼の魅力


私事によって大幅に更新をさぼってしまっておりました。
只今筆者はバンクーバーにおります。約9か月の留学生活の始まりでございます。日本にいるときよりも音楽や映画・本に触れる機会は増えるだろうと思われるので、これからも当ブログをよろしくお願い申し上げます。

留学前にいろいろ聴いたり見たり読んだりしたものを近日中にどんどん更新していく所存です。
まだこっちでは何もしてないので。

では早速、DOTAMA「ニューアルバム」のレビューをしていきましょう。
まずはDOTAMAというラッパーについて。

UMBはもちろん多くのMCバトル大会に出場しているサラリーマンラッパー。
UMBでは準優勝しているんじゃなかったかな。R-指定との名勝負を最初に見たのですが、そのキャラクターに魅了されて一気に好きなMCになりました。
バトルではあまり韻を踏まずに、早口で相手の弱点を的確にしかもユーモアも交えながらディスっていくスタイル。
そんな彼の5年ぶりというアルバムがリリースされたので買ってしまいました。

ちなみにこの彼が所属している「術ノ穴」というレーベルには、以前紹介している泉まくら、そしてこないだ買ってまだ聴いていないDALLJUB STEP CLUBなど、とにかくアクの強いアーティストが多く所属していて、個人的にすごく好きなレーベルになるかもしれません。

さて、このニューアルバム「ニューアルバム」ですが、本当に彼らしいラップがギュッと詰まったいいアルバムだと思いました。
彼は自分のことを「誇りをもってギャグラップだと思っている」と語っていて(アルバム「13月」で共作しているハハノシキュウのブログより)、その意気込みはこのアルバムを通じて克明に描かれています。

上記の通り、バトルでの彼はただひたすらに言葉を早口でまくし立て、ほとんど叫ぶような形で相手へのディスを投げつけます。
R-指定とのUMBでのバトルなんかはその最たるもので、そのエモーショナルさで僕は彼の虜になったのです。
はっきり言っておきましょう。彼のそういうスタイルに期待してこのアルバムを買ってもダメです。
音源での彼は(もちろん#1"HEAD"や#7"自宅ユニバース"など、それに近いものもありますが)基本的にメロディに乗せてラップをするスタイル。しかもバトルの時とはまるで別人の甘めの声です。

なぜか。それは彼が「ギャグラッパーだから」です。
曲のトピックは「音楽不況」だったり「音楽に関する自問自答」「自我に関する自問自答」「社会と自分」「故郷」など、意外と真面目なものばかり。
それをバトルのようなスタイルでラップしたんじゃあ、それはもはやギャグラップではなく、DOTAMAでもありません。
真面目なことを彼なりのユーモアで、ギャグでもって表現していく。伝えていく。それがDOTAMAなのです。

バトルではディスり自体がギャグになっているので逆にハードなスタイルで行けますが、音源ではそのバランスが逆転しています。
これが彼の音源の特徴と言えます。

#1"HEAD"はその曲タイトル通り(HEAD→頭→ドタマ)自己紹介・セルフボースト曲。かなりハードなトラックに乗せて叫ぶようなスタイルでぶっ放して言ってます。スクラッチや"音楽ワルキューレ"からのサンプリングでとてもかっこいいトラックですね。
#2"音楽ワルキューレ2"は前作に収録されている楽曲の続編。今回は音楽シーンの不況を嘆くだけではなく、それに対して一つの回答を示しています。

いい曲作って歌うこと以外に何があるのかね?

シンプルかつ力強い、なんとも彼らしいアンサーではないでしょうか。「音楽は止まらない」のです。このメッセージを聴くだけでも、彼を応援していてよかったなと思いました。
#3"名曲の作り方"はアーティストの苦悩を歌った歌。彼自身の解説がココに書いてあるので興味がある人は是非。ここで彼が繰り返し「傑作だ」と言っている1stを聴けてないのが残念。そのうち絶対聴く!!
#4"イオンモール"はタイトル通りイオンモールがテーマの曲。こんなトピックなのにトラックがめちゃくちゃかっこいい!!そして客演のカクマクシャカも素晴らしい!!沖縄のラッパーだそうです。同じく術ノ穴所属。
そして異彩を放っているのが#7"自宅ユニバース"。まずトラックがthe morningsというバンドによる生音。そして今作で一番押韻を重視したライムで一気に畳みかける。文句なしにかっこいいです。
#8"要求"も面白い曲ですね。「夢」が誘拐されたというトピック設定。「理想の自分」になるために自分はどこまでできるのか。この留学生活についても少し考えさせられました。
#9"リクルート"もまたトラックがかっこいい。単純にラップもかっこいいし。ギャグラップが苦手な人にも聴かせたい一曲。
#10"栃木のラッパー"はトラックもDOTAMAが制作した渾身の自己紹介ソング。栃木・東京と多重のアイデンティティを持った彼ならでは曲。上京を経験した人なら何か感じることができる曲ではないでしょうか。
そして最後の曲、#11"こんなぶっ壊れた国で"。ほぼ歌ってますが。今の日本の現状を嘆いた曲。でも嘆きながらも、逆に「これ以上何を悩み苦しむ?」というポジティブな見方をしてるのがギャグラッパーDOTAMAらしいです。

久しぶりにこういう文章書いたのでかなり薄っぺらい文章になってしまいました(前からだよって?)。
DOTAMAは今日ワンマンライブをやるそうです。Twitter見る限りかなり気合入ってるみたいなので、頑張ってほしいです。カナダより応援しています。

★★★☆☆

#2"音楽ワルキューレ2"
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