Yellowcard / Paper Walls

Paperwalls.jpg
6th、2007年、アメリカ
ポップ・パンク / オルタナティヴ・ロック

素晴らしいメロディセンスと模範的アプローチ


アメリカ産のポップ・パンクバンドの6枚目。
でもこれって通算で、メジャーデビューしてからはこれが3枚目。
メジャーデビュー以前の音源は聞いたことがないので、僕としてはやっぱり「Ocean Avenue」がデビューアルバムで、これは3枚目っていう感じがしてなりませんけどね。

前作「Lights And Sounds」では爽やかなポップ・パンク路線から少し脱線し、ダークなサウンドに走り、ファンの不評を買った彼ら。
僕個人としてもあのアルバムのサウンドは何か彼ららしい輝きを失っていたように思います。

そんな前作から一転、このアルバムではその爽やかさが戻ってきています。
とはいえ完全に4thのような路線に回帰したわけではなく、きちんと5thの路線も踏まえたサウンドになっているのがキモ。
つまり爽やかさ一転で押していくのではなく、ダークさ・湿っぽさも兼ね備えたサウンドに進化していて、これが絶妙なバランスでいいですね。

あと特筆すべきはドラム。
Longineu W. Parsons III (Ds.)のドラムは聴いていて気持ちがいいですね。
驚くほど粒のそろったシングルストロークのロール。乱れ打つフィルイン。
単なるロールだけじゃなくて、アクセントの付け方がエグいです。
あのダイナミズムはなかなか真似できないんじゃないでしょうか。
おそらくシングルペダルでやっているんだろうけどもとてつもなくスピーディなバスドラム。
クリアなサウンドプロダクションも相まって他の楽器陣よりもひときわ輝いているように思います。
#7"Five Becomes Four"ではそんな彼のドラムのすごさを心ゆくまで堪能することができます。
これ叩けるようになりてぇ。

アルバム全体としては、きわめて模範的なポップ・パンクだといえるのではないでしょうか。
スピーディーなビートにキャッチーなサビメロ。ありきたりと言ってはそれまでですが、それでいてハイクオリティな作品であるのだから文句はありません。
彼らの特徴であるヴァイオリンも、彼ららしさをごり押しするために乱用されるわけではなく、曲として必要な場所で使用するにとどめています
それは賢明な判断であり、それでいてなかなかバンドとして決断するには勇気がいることだと思いますが、それをやってのけた彼らは偉大ではないでしょうか。

#1"The Takedown"で始まるのですが、のっけから飛ばしてます。この勢いに一気に持って行かれますね。これもドラムかっけぇです。
#2"Fighting"はサビの爆発力が素晴らしい。かと思えばイントロは5th譲りの湿り気を持ったリフで。このあたりがこのアルバムの絶妙なバランス感覚です。
#4"Keeper"は僕の好物、パワーバラード。サビメロがまたいい。グッときちゃうよこんなメロディ。やっぱメロディセンス半端ないです。
#5"Light Up The Sky"や#8"Afraid"など、中盤の曲でも中だるみしない、いい曲が多いです。さすが!!
後半のハイライトは#10"Dear Bobbie"。永遠の愛をうたったアコースティックバラードで、曲自体もめちゃくちゃいいんですが、ところどころに挿入された老人の語り声がいいですよね。おそらくBobbieっていう妻のために書いたラブレターなのでしょうが、これが泣かせに来てますよね。愛って美しい。
最後のタイトルトラック#13"Paper Walls"は美しい女性の合唱から始まる曲。ミディアムテンポでいいメロディで押していく、とても彼ららしくも壮大な曲になっています。

このアルバムを聴いて思ったのですが、「普通にいい」ってたぶんこういうことですね。

★★★★☆

#5"Light Up The Sky"
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