Trivium / Silence In The Snow

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7th、2015年、アメリカ
ヘヴィ・メタル

ヘヴィ・メタルの持つ普遍性に挑戦した傑作


2000年代後半からメタルを聴きはじめた僕は、当時「次世代メタルヒーロー」と言われていた3つバンドと出会いました。
Avenged SevenfoldBullet For My Valentine、そしてこTriviumです。
当時の彼らはみんな3枚目のアルバムを出したくらいで(A7Xの「Avenged Sevenfold」はリアルタイムで買った初めてのメタルのアルバムでした)、各々に個性が見られて、僕はすぐに彼らの音楽の虜になりました。
しかし、先日もBFMVの新譜「Venom」を聴いて思ったのですが、やはりこの3バンドの勢いが落ちてきているように思えたのです。
特にこのBFMVの新作には少しがっかりしてしまいました。

それだけにこのTriviumの新譜も聴くまでは少し心配でした。

ですが、その不安を吹き飛ばすような素晴らしい作品を彼らは作ってきました。

マンネリ化が露呈してしまったBFMVの新作とは打って変わって、大胆な進化を遂げたサウンドを聴かせてくれます。

その進化とは、マット・キイチ・ヒーフィー(Vo, Gt.)のボーカルです。
今作収録曲には一切スクリームパートがありません。全編クリーンボーカルというのはバンド初。
4th「Shogun」以降、メロディアス路線へとシフトし続けてきた彼らですが、ここにきてその集大成ともいうべきサウンドで勝負してきました。

1st「Ember To Inferno」や2nd「Ascendancy」のゴリゴリのメタルコアをやっていたころからは想像もできない、艶やかでツヤのある歌声が素晴らしいです。
この歌声を作り上げるために彼は努力に努力を重ねたことでしょう。そのストイックな姿勢に脱帽です。
もはや彼の歌声は名ボーカリストとして後代に語り継がれるほどの普遍性を持っていると思います。

彼のボーカルを引き立たせている素晴らしいメロディも今作の魅力の一つ。
前作「Vengeance Falls」はいまいちキラーチューンがなく全体的に流して聞いてしまう感じだったのですが、今作は1曲1曲出来が良く、11曲44分があっというまに感じられます。

ギターソロもいいですね。どっかの誰かさんとは違ってきちんと練られたソロワークでちゃんと聴かせてくれる。
コリィ・ビューリュー(Gt.)もここにきて更なる進化を遂げているように見えます。
特に#11"Breathe In The Flames"のソロは眉唾物です。この曲はリフワークもかっこよくて最後を飾るにふさわしい。
ツインギターによるメロディもあちこちに見られ、伝統的なメタルの持つ普遍性をここでも体現しています。

リズムセクションも、クリアな録音も相まってしっかりと土台を支えている印象。
特に新加入のマット・マディーロ(Ds.)はうまいですね。テクニカルながらしっかり曲に寄り添ったドラミングで決して曲の邪魔はしていません。とても好感が持てます。

今作の曲の特徴はサビがとにかくいいということ。サビメロの良さとマットの素晴らしいボーカルで一気にテンションが上がります。
ソウルフルに歌い上げるマットの声。何度でも言いますが本当に素晴らしい。
ゴージャスなサビに比べて、Aメロはかなりシンプルだったりして。その緩急の付け方がまたうまい。
その典型的な例が#7"Until The World Goes Cold"。先行公開もされていた曲ですが、この作品を象徴するような一曲だと思います。

そのほかにも終盤に収録されている#10"Beneath The Sun"もこのタイプで、じっくり聴かせるサビメロに悶絶間違いなしです。

冒頭を飾る#1"Snøfall"はEmperorのイーサン作のイントロ。タイトルトラックのメロディをうまく使ったきれいなイントロです。
そして本編の始まり。#2"Silence In The Snow"は本当にメロディアスで、今作の中でも1、2を争うくらいの完成度。メロディじゃなくて途中に出てくるリフもかっこいいというほぼ完ぺきに近い仕上がり。


そして中盤の曲の中でひときわ目立ったのが#5"The Ghost That's Haunting You"
これのサビがまたすんごくて。メタルファンなら上がらずにはいられないでしょう。


このほかの曲も粒ぞろいなのでぜひ手に取っていただきたい作品です。
他の2バンドに比べて、Triviumは確かに頭一つ抜けた存在になったと思います。

★★★★★
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Theme: HR/HM - Genre: 音楽

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