野島一人 『メタルギア ソリッド サブスタンスI シャドー・モセス』

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角川文庫、544ページ

ゲームとは思えない重厚な世界観


この間読んだ伊藤計劃の「The Indifference Engine」の中の短篇「フォックスの葬送」を読んで、「メタルギアって面白そうだな」って思いまして。
昔からの友達がメタルギアファンだったので今まで散々名前は聴いたことがあったのですが、いかんせんこういうゲームは苦手なもので。僕はカーレースゲームしかできません。
プレイできないけどストーリーは知りたい!ということでノベライズを読んでみようと。その友人に読む順番も教わったのでこれから読んでいきますよ。

これは第1作。1998年に発売されたプレイステーション用のゲームソフト「メタルギアソリッド」が原作となっています。
ノベライズを行ったのは野島一人。このほかにも多くのメタルギアのノベライズを手掛けているようです。

いや~、面白かったです。
本当にゲームとは思えないくらいの重厚なストーリーです
生物兵器、遺伝子操作、軍需産業と国家の癒着、反核など、多様なテーマを結び付け一つのゲームとして作り上げる。これってただ事じゃないですよね。
アメリカの雑誌にて「20世紀最高のシナリオ」といわれただけありますね。
ところどころ実在の事件や出来事を用いることによってこの世界観にぐっとリアリティが増します。
こういう作り方、全然毛色は違いますけどドラマの「相棒」を思わせますね。あのドラマも実際にある社会問題に結構シビアに切り込んだりするじゃないですか。

この小説の構成も見事で、2005年に起こったこの事件についてのテキストを、2009年にNYのある青年が読み進めていくという形でストーリが展開していきます。
最初は「なんでこういう構成にしたんだ?」と思ったのですが、これがプレイヤー=ゲームの図式なんですね。
ですからこの構成によってオリジナルのゲームの中のあるメタ的要素が見事に表現されています。
いや~見事。

それにしてもスネークがかっこいいんです。僕が大好きな彼のセリフをここで一つ。
予知能力なんていらない。未来を変えていく勇気があれば充分だ
かっこよすぎます。
殺人遺伝子を組み込まれた生物兵器として生まれたソリッド・スネーク。
そんな彼が、まさに勇気を手に自らの未来を書き換えていく物語。

すぐに第2作「サブスタンスII マンハッタン」を読み始めようと思います。

★★★★☆
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