バブルソ / 15 BUS DRIVE

15busdrive.jpg
1st、2015年、日本
ヒップ・ホップ

稀代のラッパーと稀代のトラックメイカー


チプルソ。この名前は「多重人格」を意味する「Multiple Personality」から取られたという。
この「多重人格」性はこのMCを語る上で外せないファクターではないでしょうか。

UMB本戦出場戦極ENTERなどの諸大会での優勝など、バトルMCとしての実力は誰もが認めるところ。
攻撃的なディス、堅い押韻、変化自在なフローでいくつもの名勝負を繰り広げてきました。
特に僕が好きなのがこのバトル。

圧倒的なスキルに裏打ちされた痛烈なディス。見ていて痛快です。

こんな彼の音源を聴いてみようと思い、探してまず見つけたのがこの動画。

「1MC, No DJ」をコンセプトに、ギターを片手に音楽の哲学を語る彼を見て、バトルとは180度違う彼の姿に改めて感動しました。
しかも他も聴いてみると、かなり内省的な内容のラップもやっていて、一気に引き込まれました。
一人宇宙」の2枚目はゲットしたのでそのうち聴いてレビューしたいと思います。1枚目もどこかでゲット出来たらなぁ。

この「バトルMC」と「いちアーティスト」という2つの顔の裏には引きこもりだった小学生時代という歴史もあったり・・・
この多重性がこのチプルソというラッパーを魅力的にしている要因だと思います。

そんな彼が、大阪の同胞であるWARAJIのトラックメイカーKazBubbleとタッグを組んだのがこのバブルソであり、そのデビューアルバムがこの「15 BUS DRIVE」。

正直このKazBubbleというトラックメイカーのことは全く知らなかったのですが、一人のトラックメイカーがアルバム一枚を手掛けていることもあって非常に統一感のある仕上がりにあっていて、まるで一本の映画のような曲の連なりです。
全体的に落ち着いた雰囲気で、#1"出発"、#11"到着"という曲名からも一つの流れを重視していることがわかります。
「夜」というテーマが連想されるような落ち着いたビートがかっこいい。

インスト曲も何曲かあって、このアルバムはチプルソというラッパーとKazBubbleというビートメイカーの完全に対等なコラボレーションであって、どちらがどちらをフューチャリングしているような力関係ではないということがわかります。

チプルソのラップも冴えわたっています。今手元に歌詞カードがないので細かいところまで聴きとることはできませんでしたが、それでもかっこいいと思えるのが彼のすごいところ。
ラップでリズム・グルーヴを作るのが非常にうまいし、声質も耳に残りやすいしカッコいい。
内容は彼のほかの作品とは一線を引いているのか、そこまで内省的なものは多くないように感じました。
あくまでかっこいいビートの上にかっこいいラップを乗せることを意識しているように思いました。

この2人の才能がいかんなく発揮されたのがこの曲。#7"フロウ者"です。

ピアノをフューチャーしたとてつもなくクールなトラックの上で、押韻とフロウのマジックでチプルソのラップが踊っているような一曲。
ビデオもとてもかっこいい。

このコラボはこれ一回きりなのか、今後も続くのかはわかりませんが、是非続けてほしいですね。

★★★☆☆+α
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