長谷敏司 『メタルギア ソリッド スネークイーター』

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角川文庫、538ページ

絶対的とは、戦士の使命とは


メタルギアシリーズも3作目。
シャドー・モセス』、『マンハッタン』のノベライズを手掛けたのは野島一人という方でしたが、今作だけ長谷敏司(はせ さとし)という方が手掛けています。
なんでもSF・ライトノベルの作家さんだそうで。
どおりで今までの2作品よりはかなり読みやすい筆致で書かれていました。

舞台は1964年のソ連。冷戦時代真っ只中です。
ソ連に潜入したネイキッド・スネークに課せられたミッションは、ソ連の兵器開発者・ソロコフの亡命支援。
しかしそれは何者かの妨害を受け、失敗に終わる。
彼の目の前に現れたのは、スネークの師であり、「家族」以上の感情を抱いていたザ・ボスであった・・・

これが第一部「ヴァーチャス・ミッション」のあらすじなのですが、これを読んだ後にはもう読むのが止まりませんでしたね。
スネークに与えられた切なすぎるミッション、それは「師」の抹殺

今回も相変わらずストーリーが素晴らしかったです。
冷戦時代のお話なので実在の人物や組織名もたくさん出てくるし、それはそれは時代考証を重ねたのであろう設定によってリアリティもかなり重厚に。

敵の「コブラ部隊」の面々は、ゲームではただのボスキャラ扱いで、各々の生い立ちだったりキャラ背景は全く描かれていないらしいのですが、このノベライズではそこがしっかり描かれていて、この物語の重厚さをさらに増しています、

そしてこれは今まで2作よりも過去の出来事を扱っているので、「これがのちのあれか!」的な展開がいくつもあってテンション上がりますね。オセロットとかこん時からいたんかい、っていうね。

そして昔で装備が古い分、読んでて「キツそう」と思うシーンがたくさんでしたね。
「普通死ぬでしょ!」ってくらいの経験も1度や2度じゃないです。

それにしても、アメリカとソ連という2大超大国の陰謀・思惑、そして全世界の命運がこの一人のスネークという男にかかってる、もうこのシチュエーションがぐっとくるものがありますよね。
この意識があるからこそ、彼は強靭な意思でこのほぼ無謀ともいえるミッションに立ち向かっていきます。その姿には思わず心を打たれます。

そして何より外せないのが、この結末。
任務のため、愛するザ・ボスを殺さなければならないスネーク、ザ・ボスの裏切りの真相・・・
本を読んで泣き、ゲーム動画を見てもう一度泣きました。切なすぎる・・・

また、ゲーム中に結構出てくるネタ的要素は排除された作りになっていますので悪しからず。

さあ、いよいよ次は伊藤計劃の「ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」です。楽しみ!!

★★★☆☆
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