池上彰・佐藤優 『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書』

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文春新書、254ページ

歴史をナメたらいけない


現在amazonの新書売れ筋ランキング1位のこの本。売れてるみたいです。
このパリのテロを踏まえてさらに売れるんじゃないかと思いますが。
まさしくイスラム国をはじめとする中東に関してかなり多くのページを割いて説明されています。

この本は、現在の国際情勢を、その歴史を紐解くことで明らかにしてい行こうという本です。
なので、全世界の歴史を最初っから今まで説明した本ではなく、扱われる時代や場所には当然ですが偏りがあります。
ですが、読み終わった後には今の世界を見る目が変わること間違いなしです。陳腐な言い方ですが。

本書の序盤で取り上げられているのが中東。
このコメントがとにかく印象的でした。

彼によると、最近、イスラエルのアマン(参謀本部諜報局)という軍事インテリジェンス機関が中東の情勢報告を首相に上げたのですが、その結論は「分析不可能」でした。あまりにも変数が多すぎるので、もし情勢分析ができるという情報機関があるとしたら、そいつらは噓つきか馬鹿か、どっちかです、と。


これほどカオスな状態になってしまっている中東。
でも、それも歴史を踏まえた比較的マクロな視点から見直すことによって、おおまかな認識は可能なのです。
これで今までは「よくわかんないからいいや」と思っていた中東関連のニュースを少しは理解できるようになるかもしれません。

そしてそのあとの章で扱われていたトルコ。
トルコという国がいまそんなことになっているなんて全く知りませんでした。自分の無知を恥じるばかり。
「帝国主義」というワードが本書ではチラホラ見られますが、現代において「帝国主義」がふたたび現れようとしていることに驚きました。

あと印象的だったのが沖縄問題。
沖縄の人たちのアイデンティティの問題が大きく扱われていて、琉球民族という意識が今でも根深く残っていることも初めて知りました。
いままで沖縄という島を「日本のいち県だ」としか認識してこなかったのですが、イギリスで言うアイルランドのようなものではないかという意識が芽生えました。

他にも今話題の「イスラム国」、「ビリギャル」に象徴される日本の教育、弱体化するアメリカなど、とにかく時事問題を知るうえで欠かせない知識がふんだんにつまった1冊。今読んで決して損はなし。

★★★★☆
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