イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

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2010年
監督:バンクシー

バカに見せたい


「SEKAI NO OWARIはダサい」という風潮がありますよね。
それに対して、普通に彼らのファンの人たちもいる。
それに対して、「みんなはダサいっていうけど実際(逆に、一周回って)いいよね」っていう人たちもいる。
それに対して、「みんなはダサいっていうけど実際いいよね、っていう人たちがいるけどそういう人が一番ダサいよね」っていう人たちがいる。
それに対して・・・という風にこういう議論って限りがないです。これはセカオワじゃなくたって、「ワンオク」だって「日本語ラップ」だって「プロデューサー巻き」だってなんでも当てはまります。
最近ではパリの同時多発テロ後のFacebookのプロフィール写真の問題がこういう論議の広まり方をしてたように思います。

別にどれが正解とかじゃなくて、僕がこういう論議の際にいっちばん大嫌いなのが、自分でロクに考えないで流された発言をするやつ。
思考停止して、知ったふりをしてちっとも頭を使わずにいるくせにあたかも「意見です」みたいな顔しているやつ。
黙ってろと。「語りえぬものについて沈黙しなければいけない」んだから。そういうやつを「バカ」と呼びます。

この映画、そういう「バカ」にこそ見てほしいですね。まあそういうやつにはわかんないかもしんないけど。
何が本物か、何が偽物か。そこを考えざるを得ない状況にまで追い込まれる映画です。

監督を務めるのはバンクシーという名前のストリート・アーティスト。
banksy.jpg
このように世界中の壁に風刺画を書いている、この世界では知らない人はいないほどの有名人です。
映画の中でも顔は出さない、声は加工してある、本名も明かさないという徹底ぶり。

もともとはドキュメンタリーを取られる側の立場だったバンクシー。
そんな彼が立場を逆転しドキュメントを取る側に回ったいきさつなど、説明してればきりがないので、もうつべこべ言わずに見てください。

まだバンクシーがとられる側の序盤は非常に面白いドキュメンタリーとして楽しめます。
ストリート・アーティストがどんな風に活動しているのか、そしてどんな作品を作っているのか。
ストリート・アート界の大物、「バンクシー」は何者でなのか、どうすれば彼に接触できるのか。

そして中盤のどんでん返しを経た後半、自体が思わぬ方向に転び始めてからはまた別ベクトルの面白さ。
ある種の「鬱エンディング」ですよねこれは。
あのバンクシーですら「芸術っていうのはジョークなのかもしれない」と漏らしてしまいます。
そして恐ろしいのはこれがストリート・アートに限らず映画・音楽・文学などありとあらゆる文化において起こりうる、あるいは気が付かないだけでもう起こっている可能性があるということ。

・・・な~んて見た人にしかわかんないような書き方をしていますが、ほんとに見てほしい映画です!
「バカ」に見てほしいといいましたが、自分を「バカ」だと思ってない人でも見終わった後にはその確信が崩れ去っていることに気がつくでしょう。

これを見たら最後、こういうレビューを書くのもなんだかためらわれるような、何にも確信を持てなくなります。

バンクシーのやつ、やってくれたな。文句なしの傑作ドキュメンタリー!!

★★★★★
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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画

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