鈴木生郎ほか 『ワードマップ現代形而上学: 分析哲学が問う、人・因果・存在の謎』

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新曜社、304ページ

入門書ととして最適


なんだよ形而上学ってよ。なんだよ分析哲学ってよ。
読む前はそう思ってました。

でもこの本のスタート地点もちょうどそこ。
「序章」では
・形而上学とはどのような学問なのか
・何が「形而上学的問題」とされるのか
・それに対してどのようなアプローチをするのか
・この本はどういう構成になっているのか
という部分が非常に懇切丁寧に説明されているので、僕のような全くの門外漢でもすんなりと読み始めていくことができます。
これってすごい大事。最初でつまずくと一切読む気が失せますからね。
僕もこのブログを書く上で各記事の書き出しに力を入れようと思いました。たまにひどいからね。「○○年発表の○○th。」とか平気で書くからね。

というわけで読みやすいのは序章の部分だけではなく、各章も非常によくできた構成になっていて読みやすいです。
まずその章で扱う問題についての概観の説明があり、それに対しての解決策が示されていく。
そして或る矛盾や困難が立ちはだかると、それを改良した説や新しい説を用いてその解決を試みる。
それでもだめならまた別の・・・と、その問題の解決を追体験できるような順番で書かれているので、形而上学の問題を解く上でのプロセスもわかるという。

各々の問題についてそのような書かれ方をしているので、終盤は次にどのような矛盾・困難が出てくるのかとか、それまでに出てきた問題と関連付けて考えれるようになっていて、知らず知らずのうちに形而上学的思考の訓練にも(ほんの少しですが)なってたことに気が付きました。

先日読んだ同じシリーズの「現代言語論」が著者たちの主観や思想に大きく拠っていたのに対し、この本はできるだけ中立的な立場を保とうとしています。
だから読みやすいんですかね。「現代言語論」は死ぬほど難しかったですから。

著者は以下の通り。
鈴木生郎(PD、慶応義塾大学)
秋葉剛史(PD、埼玉大学)
谷川卓(PD、埼玉大学)
倉田剛(九州大学大学院人文科学研究所准教授)

これから形而上学を学ぼうという人(あまり多くないかもだけど)にはすごいいい本だと思います。
え?僕?学ぶわけないじゃないですか、こんな難しいの。

★★★★☆
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