辻村深月『ぼくのメジャースプーン』

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講談社文庫、520ページ

復讐の「正義」の話をしよう


辻村深月さんの本、実はこれまで2冊読んでいたことを思い出しまして。
まず「スロウハイツの神様」。ネットでおすすめされていたので読書を始めようと思った時にまとめて買った本の中にあって、すごく面白く読んだ記憶が。友達にも貸しましたし。
2冊目は「盲目的な恋と友情」。実家に帰省した際にハードカバー版がボンとおいてあったので。
母曰く「新聞で見て面白そうだと思って買ったんだよね、まだ読んでないけど」とのこと。この本はすらっと一日くらいで読んじゃったなぁ。なかなか面白かった記憶が。お母さんは結局あれ読んだのかな。読んでなさそう。

というわけで3冊目はこの「僕のメジャースプーン」。
辻村深月が好きな友達が「これが一番好き」と言っていた記憶があったのと、「最近小説よんでないなぁ」ということで購入。
最近は新書や学術書ばっかり読んでたのでね。ちゃんとした小説は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」以来なのでほぼ一か月ぶり。
1か月に1冊も読書してなかった昔が信じられません。

さて、このお話は、ある特殊な「能力」を持った小4の少年が、ある男に「復讐」しようとするお話です。

「能力」と書くとすごくファンタジーチックだし、「復讐」と聞けばなんだかサスペンスやホラー的な要素を連想してしまうかもしれませんが、本作はそんな言葉とは無縁。
むしろとても「現実的」だし、全体的は雰囲気はむしろ「優しさ」という言葉で表現したくなるような作品でした。

とにかく登場人物が一人ひとりステキなんです。
その「復讐」の相手が絶対悪として描かれている一方、主人公の「ぼく」とその周りにいる人たちは等しく優しいし、弱いし、でも立ち向かう強さをもってたりして、感情移入もしやすい。

主人公の「ぼく」と、同じ能力を持つ心理学者・大学教授「秋山先生」が1週間かけて正しい復讐について討論をするのですが、その内容がすごく面白い。
先日「これからの『正義』の話をしよう」を読んだばっかりだったので、何が正しいのか、どういう考え方があるのか、哲学的な読書として楽しむことができました。

この作品に出てくる人物は辻村さんのほかの作品にも出てくるみたいなので、そっちもチェックしたい!!

★★★★☆

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