大統領の料理人

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2012年
監督:クリスチャン・ヴァンサン
出演:カトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソンほか

わざわざ映画にするほどか・・・?


最近見つけたiTunesの「今週の映画」のコーナー。
毎週(おそらく)スタッフのおすすめ映画が100円でレンタルできるという。
iTunesのレンタルに頼るしかない今の現状ではすごく助かります(iTunesレンタルは通常400円とか)。
先日ご紹介した「サイドウェイ」もそのコーナーで取り上げられていて見ました。
そこで今週取り上げられていたのがこの映画。

料理映画ということで思い出したのが「バベットの晩餐」。かなり前に見たのでよく覚えてないのですが、見たことだけは覚えている作品。ということはあまりはまらなかったということで、見る前から少し不安ではありました。

その不安が大的中。見なきゃよかったとまで思いました。何かといやなことが続いていたので気分転換に、と思ってみたのですが余計ストレスになったほど。完全にダメでした。

その一皿がフランスを変えた。」というキャッチコピーですが、このキャッチコピーを考えた人を一発ぶん殴ってやりたい。
このキャッチコピーを読めば、

大統領の料理人がいて、彼女は料理を通じて大統領と心の交流を交わすようになり、何かドラマティックな出来事が起こって下向きだった大統領の支持も次第に上向きに・・・

とか、

何かと規律が厳しいフランス料理界。その中でも頂点に君臨する大統領宮殿。そんな場に足を踏み入れたちょっと風変わりな料理人。しかし次第に彼女はのちに「料理のフランス革命」と呼ばれるある歴史的変革を行った・・・

とかね、考えるじゃないですか。

一切ナシ
確かにちょっと風変わりなんだけど、別に大きな革命を行うわけでもないし、大統領との交流もある(確かにこの部分は少しドラマティックに描かれたりもしている)けど、それによって「フランスが変わった」みたいな出来事は一切起こらない。
彼女が他の料理人たちと対立する構造も、彼女がそれに立ち向かっていくのかと思いきや、結局その「イヤなヤツたち」に敗北する形で彼女は宮殿を退職。何もすっきりしない。
「自分に合わない環境になったらすぐに音を上げて逃げ出した」という風にも捉えられます。本当に大統領の料理人であることに誇りがあるならあんなに無責任にパッとやめて帰ったりしないでしょ。
「女性初の大統領専属料理人」みたいな触れ込みもあったけど、そこも全然強調されてなかったし。

そう、致命的なのは、この主人公の料理人がちっとも魅力的じゃない点
最初の場面でメディアの取材を断るなど、「お、なるほど硬派な感じね」と思わせるのですが、硬派な人間を魅力的に見せるにはその裏側にある優しさだったり、ギャップみたいなのがあるとか、彼女なりの「鉄の掟」のようなものがあるとか、何らかの他の魅力をきちんと描いてほしいものですが、そういうものは一切ナシ。
最悪なのは、彼女の『過去』が一切描かれない点。だから薄っぺらく見えてしまう。彼女の作る「祖母のような素朴な料理」にはそういうものを作るようになった理由とかがあるはずなのに、そういうのは一切ナシ。
結局、彼女は「頑固で変わり者、でも作る料理はうまいオバサン」ぐらいにしか描かれてません。
そんな人の映画、誰が見ますか。

極めつけは彼女が南極の基地での料理人を始めた理由。完全なるネタバレですがもういいでしょう。
「お金貯めて、ニュージーランドでトリュフ農家やろうと思ってるの!ここ、給料いいからここで働いてお金貯めたの♪」
完全に自己中心的な理由に聴こえちゃうんですよね。それまでの主人公の描かれ方も相まって。
「え、こんな人のお話をずっと見せられてたの?」と最後の最後に追い打ちをかけるようなガッカリポイントで、殺意すら芽生えましたね。

そんなこんなで、たぶん今まで見た映画の中でもワーストレベルでしたが、唯一面白かったのが彼女の弟子的存在のパティシエ(こいつはなかなかいいやつ)が流れ星のちゅうえいに少し似てたところ

あとからいろいろ調べているとこの映画、「コメディ」のジャンルに分類されていることが多かったのですが、それも一種のジョークにしか見えないほど、ひどい作品でした。100円でも高いわ。

★☆☆☆☆

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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画
Tag: 2012年

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