Bring Me The Horizon / That's The Spirit

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5th、2015年、イギリス
オルタナティヴ・メタル

'10年代の「Meteora」、きたる


誰しもにその後の音楽人生を決定づける「人生の一枚」がある。
僕にとってのアルバムは間違いなくLinkin Parkの「Meteora」です。
べたっちゃあベタなんだけど、音楽を聴き始めのガキンチョにはそんなのわからない。定番中の定番から入るしかないんです。
全世界で2000万枚を売り上げたこの「Meteora」で同じく人生が変わったというリスナーは多いでしょう。

なんでいきなりLinkin Parkの話を始めたかというと、今作品を「Linkin Parkみたいなサウンド」だと形容する人が多く見受けられたからです。
それを踏まえてこのアルバムを聴くと、サウンドはともかく、持ってるポテンシャルという部分でかなり似てるような気がしたのです。

この「That's The Spirit」も、あのモンスターアルバム「Meteora」と同じくらいの力を持っていると、僕は信じます。
#3"Throne"や#4"True Friends"のチャート快進撃(前者は全英ロックチャート14週連続1位、現在は全米ロックチャートでも1位。後者も現在全英ロックチャート1位)を見ると、それくらいの力を信じずにはいられません。
売れているからと言って手放しでほめるんじゃなくて、聴いたうえで「こりゃ売れるわ」と納得の上での意見です。
こういう音楽が売れる時代が来るかもしれない、そう思わせてくれます。まさにシーン期待の旗手。

いかんせん曲が良いです。ほんとに。
#3"Throne"はとにか歌メロ、リフ、電子音の使い方、編曲、サウンドプロダクションに至るまでありとあらゆる点が完璧。クールなPVとともにお楽しみください。

歌詞も僕のような陰キャラだったら絶対響く、十代のいじめられっ子なら共感できる内容。

"So you can throw me to the wolves
Tomorrow I will come back, leader of the whole pack
Beat me black and blue, every wound will shape me
Every scar will build my throne"


これはやばいでしょうね。共感バリバリ集めまくり、ティーンの心がっちり掴んでファン増えまくり間違いなし(褒め言葉)。

この曲だけで試合は決まったようなもんなんですけど、そのほかにも得点重ねる重ねる。
一番下でも2ベースヒット。ホームランも連発。場外も2本くらいある。それくらい曲のクオリティがえげつないことになってます
「Meteora」からは5曲シングルカットされてますが、それくらいしちゃってもいいくらいの出来。

Oliver Sykes(Vo.)の歌声もすごく幅広く、その場その場の音に求められる歌声を出している印象。凄まじいデス声ばかり聴かせていた2ndからは想像もつきませんでした。笑
それが堪能できるのが#4"True Friends"。歌いだしのクリーンからブリッジのスクリームまで、完ぺき。

中盤に収録されているバラード#5"Follow You"でも甘い歌声をじっくり聴かせてくれます。

アレンジの巧さ・曲のバラエティの幅広さも特筆すべき点。
#1"Doomed"のイントロは人の息遣いや声をサンプリングした独特なループから幕を開けるし、#2"Happy Song"のチアリーディングのような掛け声には度肝を抜かれるでしょう。
もちろんリフはヘヴィでかっこいいのですが、それ以外の部分のこだわりもすさまじい。その辺は前作から加入したJordan Fish(Key, Programming.)の影響が強いんでしょうね。
今はやりのインディー・ロックを彼らなりに解釈したような#11"Oh No"なんかはその最たる例。サックスの音色が聴こえてきたときは一瞬笑っちゃいましたが。

いまのキッズたちがこのようなラウドでヘヴィなサウンドを聴き始める入り口としては最適なアルバムです。
最初はLinkin Parkばっかり聴いていた僕がもっとヘヴィなサウンドを求めてAvenged SevenfoldBullet For My Valentine、さらにもっとコアなバンドたちに手を出し始めたのと同じように、このアルバムを聴いて好きになったら、このバンドの昔のアルバムを聴けばデスコアやデス・メタル、メタルコアなども聴き始めるだろうし、そこではまらなくても今度は別のラウドなサウンドを探し求めていろんなバンドと出会うことでしょう。
日本でもcoldrainCrossfaithの躍進で盛り上がっているこのシーンですが、このバンドが爆発すればさらにそういう動きは広がっていくはずです。

このアルバムが売れれば売れるほど、そういうキッズが増えていくはずです。

僕もこのバンドの過去作は2ndの「Suicide Season」しか聴いたことないんですけど、ちょっと1stの曲を聴いたらめちゃくちゃカッコよかったのでいつか絶対聴きます。2ndも今度もう一回じっくり聴きますし。
劇的な音楽性の変化があったことは確かだし、それによって離れていったファンも少なからずいると思いますが、僕は結果的に大成功だと思います

今年のベスト最有力候補。

★★★★★

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