町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

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文藝春秋、256ページ

人の振り見て我が振り直せ


「イスラム教徒は全面的に入国禁止にすべきだ!」
こんなことを平気で言っちゃうバカ候補が支持率1位になってしまうような国、それがアメリカです。
そういうアメリカの「ダメな側面」がギュギュっと凝縮された本がコチラ。

この本の目次はこんな感じ。

序章: アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第一章: 暴走する宗教
第二章: デタラメな戦争
第三章: バブル経済と格差社会
第四章: 腐った政治
第五章: ウソだらけのメディア
第六章: アメリカを救うのは誰か
終章: アメリカの時代は終わるのか

この本はブッシュ政権時に書かれたのでブッシュ元大統領、イラク戦争、アルカイダについての論争について多くページが割かれています。
第六章はアメリカの大統領選挙についてですが、そこでオバマ・ヒラリー両氏の争いについて書かれています。

内容についてはぜひ読んでいただきたいのですが、読んでいくうちに「ハハハ、アメリカはバカな国だなぁ」と笑っていられる余裕が果たして我々にあるのか、という疑問が何度も胸に去来しました
第一章と第二章のテーマ、(それぞれ「宗教」「戦争」)こそ今の日本には関係ないのかもしれませんが、先の見えない経済や格差社会、腐りきった政治やメディアは日本についてもあれくらい書こうと思えば書けるのではないでしょうか。
または今はそうじゃなくても5年後10年後、近い未来にこの日本という国がアメリカと同じ末路を辿ることは想像に難くありません。

そんなの、すげぇイヤじゃね!!??!!??

絶対やだ。やだよぉ。
でもこの本を読むと時期にアメリカの時代が終わるというのが非常に現実味を帯びてきますし、そのアメリカに追従している日本も危ないなと感じます。


この本を読んでてもう一つ思ったのが、「宗教怖い」ってこと。

”アメリカン人は単に無知なのではない。その根には「無知こそ善」とする思想、反知性主義があるのだ。”


と序章でも述べられていますが、この「反知性主義」というのがすげぇ厄介ですね。
これはキリスト教の福音主義(聖書の字義通りの解釈にこだわる人たち)と関係があるみたいなのですが、反吐が出ますね、「反知性主義」。

このほかにも様々な局面(避妊問題、政治、同性愛など)で「暴走する宗教」について書かれているのですが、この第一章が一番読んでて嫌気がさしましたし、日本がそういう国じゃなくてよかったなと思いました。
でもこれが一部のカルト教団の話だとしたら、日本もそう大して変わらないかも・・・?


町山さんの語り口も面白いし、一個一個のお話がコンパクト(もともとが雑誌の連載なので)ですので、非常にテンポよくポンポン読めるのもいいですね。
映画や書籍に関する知識量も相まって、非常に勉強になります。

日本のことを棚に上げずに読む覚悟が、あなたにはありますか・・・?

★★★★☆
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Comment

考えさせられる本でした

はじめまして。坊主おじさんと申します。
どうぞよろしくお願いします。

この本、よくできていましたね。
はじめは、ゲラゲラ笑うのですが
だんだん笑えないことに気づきます。

多くの日本人に読んでほしい本ですね。

2015/12/19 (Sat) 15:03 | 坊主おじさん #- | URL | Edit

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