amazarashi / 0.

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1stミニ、2009年、日本
フォーク / オルタナティヴ・ロック

amazarashiの原風景


このバンドに出会った時のことは今でもよく覚えています。

2009年なので僕が中学3年生の時ですが、当時はまだMyspaceの勢いがすごかったころで、僕はBURRN!を読んでは気になるバンドの音源をチェックしていました。
今でこそ音源公開はYouTube、もしくはSoundCloudやBandcampが主流ですが、当時はMyspaceを主戦場にしていたアーティストがほとんどだったんじゃないでしょうか。

そんなわけでほぼ毎日Myspaceにアクセスしていた僕(アカウントは作らなかったけど)。
ふと、トップページの上に表示されてた広告に目が留まります。
そこに何が書かれていたのかは思い出せませんが、おそらく「青森出身」の文句はあったと思います。
それにひかれて僕はその広告をクリックしたのです。
何を隠そう、それがこのamazarashiの広告だったんです。この「0.」の宣伝か、この全国流通版の「0.6」の宣伝だったのかも覚えてませんが、そこで見た#1"光、再考"のMVを僕は忘れられませんでした。


もちろん中学生だった僕にこの詩を理解することなんてできるはずもなかった(今でも完全に理解しているとはいいがたい)んだけども、ところどころで聴かれるおどろおどろしい表現("神様なんて当の昔に阿佐ヶ谷のボロアパートで首吊った"とか)とそんな歌詞を前面に押し出したMV自体の強烈なインパクト、そして秋田ひろむの何かを必死で訴えようとする歌声。
それだけで僕の心をつかむには十分でした。

それでもすぐにCDを買いに行くことはなかったのを覚えています。
このCDを買ったときに一緒にこの次のミニアルバム「爆弾の作り方」を買ったのを覚えているので、多分もう中学校を卒業して高校生になっていた2010年の夏ごろだと記憶しています。
ふと立ち入ったCDショップ(今も忘れない、HMVイオンモールつがる柏店だ)でこのバンドの名前を目にして、「ああ、あの」と思い出し、「青森県限定版」という文句にひかれるまま購入。
今考えれば青森県限定とはいえ500枚限定リリースだったこの作品を発売からかなりたってから手に入れられた僕はすごくラッキーだったと思います。
ちゃんとシリアルナンバーも入ってるよ。これは一生の宝物です。
amazarashiが結構ビッグになった今、これは自慢できることの一つ。

そこから前述した「爆弾の作り方」と合わせてこの作品を聴きまくったのを覚えてます。
聴けば聴くほどに、その詩世界を理解できると思っていました。
たぶん無駄ではなかったにしろ、やっぱりその当時も今も、100%理解して共感することはできてないし、それは秋田ひろむ自身も別に望んでいることではないのかなと思います。これは受け取り側のエゴか。

でもそれでも僕がこの作品を聴くと感情が揺さぶられていしまうのは、そこにamazarashiの、そして秋田ひろむの原風景を感じ取ることができるからです。
すでに彼も認めているとおり、amazarashiの音楽の受け取り手がどんどん増えてしまった今、彼の伝えるメッセージは変容しました。
今年発売のニューアルバム「世界収束二一一六」でも、そのメッセージはさらに変容、言い方を変えれば進化しているはずです。

でもこのアルバムには、その始まりがある。初期衝動がある。
それは「時々虚しくなって全部消えてしまえばいいと思」っていた彼であり、「校庭の隅っこで 体育座りしてぼんやりと」、
「野球部のフライを眺めるように なんとなく未来を見て」た彼。
とにかく、彼が世界になにか違和感を感じ、それを言葉にし、それをはじめて歌に乗せるまでに感じたことがギュッと詰まっている気がするのです。

#2"つじつま合わせに生まれた僕等"で何物でもない自分たちに失望し、その自己嫌悪を#3"ムカデ"では恥じることなくむき出しにしています。
この#3"ムカデ"は彼が一番ストレートに、言い方を変えれば醜い形で、まるで指をのどに突っ込むかのようにして心情を吐露した曲なので、当時の僕でも理解できました。衝撃的だったのと同時に、そんな彼に魅了されてしまいました。

この#1~#3は今でもよくライブで演奏されるし、彼自身も大切にしている曲に見えます。
#3のライブはいつ見てもエモーショナルが全開で身が震えます。

宮沢賢治の作品を引用した#4"よだかの星"は僕が生まれて初めて聞いたポエトリーリーディングの曲でした。
当時の僕にはかなり新鮮だったのを覚えています。

そして個人的にものすごく大好きなのが#5"少年少女"
個人的に曲の中で物語を紡ぐような曲ってすごく好きなのですが、この曲はまさにそうで。
中・高といわゆる「青春」ど真ん中をもうすでに消化してしまった今聞くとすごく刺さりますね。

#6"初雪"は青森県出身の彼だからこその世界観。
歌詞カードについている付随した詩があるのですが、それがすごく好きです。
ぜひCDを手に取って読んでみてください。

そして特筆しておきたいのがやっぱり曲作りのうまさ。
いくらメッセージに説得力があっても、その伝わり方は曲の良しあしにかなり大きく左右されます。
その点でも秋田ひろむとそのパートナー豊川真奈美、そしてアレンジを手掛ける出羽良彰(この作品に携わっているかはちょっとあやふやです、ごめんなさい。)はかなりいい仕事をしています。
とくに出羽良彰の功績はでかいと思います。
でもその話はのちの作品で触れたいと思います。

すごい個人的なお話が過ぎた気がしますが、このアーティストを聴くということはそういうことだと思います。
僕にとってはすごく大事なアルバム。もしかすると、あなたにとっても

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