紫 / Murasaki

murasaki.jpg
1st、1976年、日本
ハード・ロック

藍より出でて藍より青し


YouTubeを見ていて最近印象的なのが、日本のアーティストに対する英語のコメントの多さ。
アーティストによっては日本語よりも英語のほうが多かったりします。
アニメの主題歌に多い気がしていたんですが、最近ではちょっとニッチな音楽にも英語でのコメントが目立つようになってきました。
それがそのまま「日本の音楽が世界に認められてきた!!」ということではないのかもしれませんが、明らかにここ数年で増えてきたような気がします。それとも僕がそういう音楽を聴くようになってきただけなのかなぁ。
たまにほほえましいつたない日本語でのコメントもありますよね。笑

でも、今みたいにONE OK ROCKCrossfaith(いつもこの2バンドを引き合いに出してしまうなぁ)が「世界が認めた日本のバンド」として紹介されるようになる前から、やはりそういうアーティストは少なからずいたわけで。
だからといって知らずに「すげぇすげぇ」って言っている人たちを批判するわけじゃないんだけどね。

今から40年以上も前、沖縄がまだアメリカだったころに、その沖縄で芽吹き育った一組のハード・ロックがいるんです。
彼らは本場の音楽を知る、辛口の米兵たちの前で場数を踏み、そのテクニックとグルーヴを磨いていったのです。
アルバム2枚を出して一瞬で解散した彼らは、『伝説』となったのです。
そのバンドの名前は「紫」。その独自の時代背景と風土が生み出した、奇跡のバンドといってもいいでしょう。

というわけで今回聴いたのがその紫が1976年に発表したデビューアルバム。
以前に2009年作の「Purplessence」も紹介しました。
もちろん僕がこのバンドをリアルタイムで知っているわけではなく、当然この2009年作で知ることになったのですが、そこからずっと昔の音源を聴きたいな~と思ってはいたのですが、なかなか手に入らず。
たまたま入ったどこかのDisk Unionで発見、レアものでいいお値段するのではと勝手に想像していたのですが、そんなでもなかったです。1000円以下でした。良かった。笑

僕が買ったバージョンは一番最近再発されたバージョン(2007年発)ではなく、1975年の8・8ロックデイの紫・衝撃の本土デビューのライブ音源が入ってません。
その代わりに3曲のボーナストラックが入ったバージョン。1994年にCD化されたバージョンみたいです。

その名前の通り、紫はDeep Purpleのコピーバンドです。当時はすべてのDeep Purpleの曲を演奏することができたそうです。すごい。
中心人物であるジョージ紫(Key.)をはじめ、彼らの音楽を心の底から愛し尊敬する人たちによって結成されたこのバンド。
当然、この1枚目となるオリジナルアルバムもDPの匂いがプンプンします。
彼らにとってそれを取り除くことは不可能だったのでしょう。彼らにとっては「音楽を演奏すること」がそのまま「Deep Purpleの音楽を演奏すること」だったのかもしれません。

でも、ただの「模倣」で終わっていたなら、このバンドがここまで神格化されることもなかったでしょう。
音楽でもなんでもそうですが、フォロワーがオリジナルを超えることはめったにない。良くても「二番煎じ扱い」、ほとんどの場合は見向きもされない。
でも彼らは違いました。
Deep Purpleへの異常ともいえる執着が、彼らと同じレベル、もしくはそれを超える作品を作り上げたのです。
最近でいうSteel Panther王様のように少しベクトルをずらして素晴らしい音楽を作るという選択肢もあった中、このバンドは正面からその壁にぶつかったともいえるでしょう。その誰もが避けて通る壁、誰もが乗り越えられない壁を。

そんな「神話」を僕が信じているだけ、という可能性もあります。正当な評価じゃないかもしれません。
でも僕は信じたいんです、「日本にはDeep Purpleに匹敵するハード・ロックバンドがいた」という神話を。
だからこそ僕はこのアルバムを傑作だと評したい。

そしてその神話をみんなにも聴いてほしいんです。#1"Double Dealing Woman"です。


★★★★★
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する