田中詔一 『F1ビジネス―もう一つの自動車戦争』

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角川書店、220ぺージ

「F1政治」がよくわかる刺激的な1冊


僕はいま大学3年生。
でも今は留学中で、帰ってからまた1年半いるので大学には5年在籍して、2018年の春に卒業することになります。
いわゆる「18卒」になるわけです。
でも同期のみんなは「17卒」なわけで、就活に向けて動き出している友達も多い。
となるとやっぱり不安になるというか、自分は将来何をするのかをちょっと真面目に考えなければいけない年頃になったということです。
まあそれを考えるための留学でもあるわけですが。

でも、この本を読んで決心がつきました。
F1に携わる仕事をする。
これが僕の、今現在の将来の夢です。
やっぱり、僕はこのスポーツが好きだ。

去年の暮れ当たりに『F1ビジネス戦記 ホンダ「最強」時代の真実』という本も読みましたが、この本はなんだか「回顧録」という側面が強く、個人的なエピソードが多く収録されていました。
もちろんそれはそれで面白く読めたのですが、あまり「ビジネス」としてのF1の深部までうかがい知ることはできませんでした。

それに対して、同じく元ホンダ社員(HRD元社長!)の田中詔一さんという方が書かれたこの本は、F1の「政治」「ビジネス」的側面を非常にわかりやすく(F1に関心がない人にもわかるように)ひも解いてくれています。

これまでF1のこういう「政治」「マネー」的側面はあまり好きじゃなかったんですよね。
『F1速報』とかでもこういう特集が組まれていると流し読みしちゃったりして。
やっぱ小学生のころから好きだったので、こういう「むずかしいところ」は見ないようにする癖がついてしまっていたというか。

でもだからこそすごく勉強になりました。
特に印象的だったのが2005年のサンマリノGPの事件についての箇所。
このレースでホンダを駆るジェンソン・バトン(佐藤琢磨のチームメイト)はシーズン初の3位表彰台を獲得し、佐藤琢磨ファンだった僕も「2005年のホンダにも期待できるかも」と淡い期待を抱きました。
でもその直後に重量規定違反による失格と、2レース出場停止処分というショッキングな裁定が。
当時小学5年生だった僕にとっては「な~んだ、残念、佐藤琢磨見れないじゃん」くらいのテンションで(もちろん結構な悲しさ)、その裏側でいろんな政治事情が絡んでいるとは想像もできなかった。
それが10年以上たった今やっと理解できたような気がしてとてもうれしかったです。

そう、これはも10年以上前の話。
いまのF1政治はこの本に書かれている情報からさらにまた大きく変わっているような気が。
最近では「これからのF1」についての議論がこの時に比べて大きな声で行われているように感じます。
この本が出た当時に参戦していたBMW、トヨタ、コスワースも撤退し、今では参戦している自動車メーカーはメルセデス、フェラーリ、ルノー、そしてホンダのたった4メーカーのみ。
ワークスチームは前者3社が持つだけで、残りはプライベータ―。
富めるチーム、貧乏なチーム。勝てるチーム、勝てないチーム。この二極化が進み、「面白いF1」と「最高峰のモータースポーツとしてのF1」の間でこのスポーツはいま大きな変革期を迎えようとしています。

ここ10年の動向も詳しく知りたいな・・・実家にある10年分の『F1速報』を漁ってそういう記事を読むしかないか・・・
2006年オーストラリアGP号から全部あるはず。

今年もいよいよ各チーム新車発表の季節が近づいてきました。
今年のF1はどんなシーズンになるのか・・・

そしてさらに10年後には自分もその現場にいたい。
そう強く思わせてくれる1冊でした。

★★★★★
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