ミッチ・アルボム 『モリー先生との火曜日』

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NHK出版、203ページ

どうも苦手


歯がゆい読書だった。
言っていることの正しさ、素晴らしさはわかるだけに、それをどうにも好きになれないという歯がゆさ。
正論ばかりの説教を2時間ずっと聴き続けるかのような苦痛だった。
まあそんな経験はしたことがないのだが。

<こんなお話だよ!>
大学時代の恩師、モリーが余命いくばくもないことを知ったミッチは彼を見舞うことにした。
そして二人は、大学時代のように「人生」について語り始めた。やがてそれは毎週火曜日の恒例となり、モリーの「最後の講義」が始まった・・・

まず、翻訳がなんか本作の魅力をスポイルしてしまっている感じが否めなかった。
読んでいて明らかに英文を連想してしまうような文構造のまま日本語に訳している箇所が散見された。
決して読みやすい日本語として褒められるような訳文ではない。おかげで内容が頭に入ってきづらい箇所が何か所もあった。
僕も翻訳のプロではないので何をどうしたらいいみたいなことは言えないが、読んでいてそう思うってしまったのだからしょうがない。
はっきり言って非常に読みづらい。

だからと言って原語で読んでいたとしても僕はこの本をそこまで好きになれなかったと思う。
なにせこの本の中でモリーが言うことは「100%正しい」ことばかり。
まるで聖書の教えを読んでいるみたいで、むずむずしてしまう。当たり前じゃん、わかってるって、いちいちうるさいなぁ、って感じで。
間違ったことばかりを書いている本ならまだ自分のエネルギーを使ってその本に怒りをぶつけることができるのだが、いかんせん正論しか書いていないものだから、なんだか自分のエネルギーをどんどん吸い取られて行っているような感覚に苛立ちを覚えてしまった。
このような素晴らしいお言葉をまだ素直に受け止めることができるほど、僕は成熟していないのだ。

もちろん、こういう「当たり前のこと」がこのモリー老教授が死を直前にして悟ったことなのであろう。
でもはっきり言わせてほしい、今の僕には全く響かなかった。
10年後20年後、あるいはこの本を読み返した時に響くようになるのかもしれない。
あるいは死ぬ直前になって同じようなことを周りの人に言うようになるのかもしれない。
その可能性は十分にある。

ただ、今じゃなかった。

まだまだ、とがらせてくれ。
まだまだ、世界を嫌いでいさせてくれ。
まだまだ、世界を許させないでくれ。
まだまだ、ほっといてくれないか。

★☆☆☆☆
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