RHYMESTER / 俺に言わせりゃ

oreniiwaserya.jpg
1st、1993年、日本
ヒップ・ホップ

本人たちすら赤面モノ!なデビューアルバム


先日レビューしたキングギドラの「空からの力」。
そのレビューの中であのアルバムが日本語ラップにおける押韻の方法論を決定づけたと書いた。
ではそれ以前の日本語ラップってどんなんだったんだ?と思っていたら絶好の一枚があった。
「空からの力」は1995年、そしてこのRHYMESTERのデビューアルバムは1993年だから、まさに「キングギドラ前夜」の作品だ。

今でこそ「キング・オブ・ステージ」として日本語ラップ界の頂点に君臨する彼らだが、このときはまだまだ未熟な若者。
正直この作品のレベルはかなり低い。
「下手なりに味があっていい」みたいなレベルではなく、ちゃんと、きちんと下手くそなラップだ。
事実本人たちもこの作品の出来には満足していないらしい。このアルバムの曲とか確かに全然ライブでやんないからなぁ。

でもこんな昔の作品をひたすらけなしたって意味ないし、今の彼らの不動の立ち位置を考えたらこのへったぴさも帳消しどころかとうの昔に清算済みだから、さらっと書いて終わりにしようと思う。

まず、韻が弱い。
ほとんど文末の2文字くらいしか踏んでない。やはり体言止めを押韻に持ち込んだキングギドラのすごさがわかる。
「単語」で韻を踏むんじゃなくて、語尾の「助詞」で踏んだり「~しない」という同じフレーズをひたすら繰り返したり。

そしてフロウも一本調子。
まあだらだらっと普通にビートに乗せて、ところどころ3連とか6連で早口で詰め込む、というパターンがずっと続く。
今じゃこれがフリースタイルだとしても「お前のフロウは一本調子 今世紀のワーストをきっと更新」とかってディスられるレベル。

あと宇多丸の声がまだまだかっこ悪い。Mummy-Dは結構かっこいいし、スキルでも宇多丸を凌駕している。

でも、そこら中からにじみ出る童貞感・いけてない男子感や#5"AB・A・O・B・"とかに見られる鋭い目線のトピック選びなど、今日のRHYMESTERに通じる要素はうっすらと感じられる。

まあ僕みたいなよっぽどの暇人か、好きなアーティストのアルバムは全部聴きたい!っていうこだわりの強い人以外はまあ聴く必要のない作品かなと。
でも、最新作「Bitter, Sweet & Beautiful」をはじめ素晴らしい作品ばかりなので、日本語ラップを聴き始めるには最適のアーティストではないかと!

・・・こうやってバランスとっておかないと、この記事だけ読んだ人には誤解されかねないからね。

★☆☆☆☆+α
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する