嵐 / 僕の見ている風景

BokunoMiteiruFukei.jpg
9th、2010年、日本
ポップ / アイドル

「国民的アイドル」になった嵐が打ち立てた記念碑


この時期の嵐の勢いは半端じゃなった。
デビュー10周年を前に嵐は空前の大プッシュを受け(僕もなんで嵐がここまでの地位まで上り詰めたのかは覚えていないし、今でもわからない)、一気に「国民的アイドル」の地位を獲得した嵐。
そんな彼らがその高みに立ってから初めてリリースしたのがこの2枚組のアルバム、「僕が見ている風景」だ。
僕はその時の空気感とともにこのアルバムを聴いたから(姉がこの時期に嵐ファンになった)、やっぱり今でも聴くとあの頃の一種異様な雰囲気を思い出す。
やることなすことすべてを成功させていく彼らの姿はやはり輝いていたし、文字通りテレビで見ない日はなかった

事実このアルバムは嵐のアルバム初のミリオンセラーとなり、これまでの8枚のアルバムの累計売上を一気に上回った。
今現在でもジャニーズ所属アイドルのアルバムとしては最多の売り上げを誇る、まさに「Monster級」のアルバムである。

この後姉の影響でファンになった僕も、これまでにリリースされたアルバムは最新作の「Japonism」を除いてすべて聴いた。
それでも、アルバムの完成度という意味ではキャリアの中でも一、二を争う名盤だと僕は思っている
嵐を初めて聴く人に対してアルバムを一枚勧めるとしたら(そんな機会は一生ないとは思うが)、ベストアルバムよりもこのアルバムを勧めると思う。

やっぱり、曲がめっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃいい。
もうね、アイドルのアルバムなんで、曲が良ければもうあとは何にもいらないんだよね。
曲単位の出来がアルバムとしての出来に直結しているというか。
アルバム全体として語ることがあるとしたらそれは「勢い」。それに尽きる。

よって、以下は気合の全曲レビューである。20曲全部書いてやる。
シングルはシングルでまたレビューを書くことにしているので、Disc1-#4"Troublemaker"、#8"Everything"、#10"マイガール"、Disc2-#1"Monster"の4曲は割愛させていただく。
嵐はマジで全シングル・全アルバムレビューをいち早く完成させたい。

<Disc1>
#1"Movin' On"
このアルバムの一曲目であり、リード曲としてリリース当時はTVでのパフォーマンスも披露された。
決してテンポが速いというわけではないが、逆にそのグルーヴの重さが国民的アイドルとしての自信の表れのようで末恐ろしい。
まるでそののぼり詰めた高みから高らかに宣言するような素晴らしいアンセムだ。

Just Now We Go!! 心を抱いて 駆け上がる この時代を
Just Now We Go!! 声をあげて 巻き込むんだ この世界を


この2行からもその心が読み取れる。
2サビ後の大野智のソロ、そのあとの櫻井翔のラップも聴きどころ。
幕開け、そしてリード曲としてこれ以上にふさわしい曲もないだろう。嵐のキャリアに残る名曲だと思っている。


ARASHI - movin'on (Hall Sound) by JPN_R

#2"マダ上ヲ"
前作のいたって健全なイメージから一転、ちょっとエキゾチックでエロい雰囲気の曲。
これは完全にトラックの勝利。フラメンコを思わせるスパニッシュ・ギターやストリングスのアレンジがもはや完璧。
この曲はぜひインストでも聴いてみたい。じっくり聞けば聞くほどビート系のこだわりが細かい。
Wikipediaというのは素晴らしいもので、作曲者のDrew Ryan ScottはVarsity Fanclubというボーイズ・バンドのメンバーで、のちにこの曲をセルフカバーとしているとの情報をゲット。早速YouTubeで検索したところその曲を発見。それがコチラ。

これもめちゃんこかっこいい。
日本語の「マダ上ヲ」ってところが「But they way up」ってなってて、意味も音も似ていて面白い。ラップもちゃんとある。
でもアレンジはやっぱり嵐Ver.のほうがかっこいいね。

#3"リフレイン"
はいでました名曲。
個人的な好み(悲しげな曲が好き)っていうのもあるんだろうが、100人に聞かせたら100人が「いい曲だ」って言う自信がある。
冷たいピアノの旋律が響き渡り、ストリングスが盛り上げていくイントロだけで名曲の予感はたっぷり。
そして何より歌メロの良さ。「胸が張り裂ける」というのはこういうことを言うのだ。
そして2番以降の各メンバーのソロがファン心をくすぐる。とくにCメロ(ブリッジ)での大野と二宮のボーカルは名演。
個人的には「雨」のイメージが非常に強い。僕的に嵐ベストテンを作るとしたら絶対入れる曲だ。

#5"T.A.B.O.O."・・・櫻井翔ソロ曲
櫻井のソロ曲の中でも人気が高い曲だ。ファン投票で曲が決まる「アラフェス」でもやってるし。
エロくてキケンな詞世界がほほえましい。

二回のwink
額とリンク
左を見る
“しないの?キス”
光閉じる
未開の地図
蜂の巣の奥の蜜


こんな詩を慶応卒のお坊ちゃんアイドルが歌うんだからファンはたまったもんじゃないだろう。
中毒性たっぷりのサイコーのソロ曲。

#6"サーカス"
怒涛の名曲ラッシュが続く前半で、一息つくとしたらこの曲。
だからと言って捨て曲というわけではなくて、これまたフツーにいい曲。
はねるようなリズムが「サーカス」という世界観とうまくリンクしていて良い。
特にラスサビの盛り上がりは鳥肌モノ。

#7"ギフト"
シンプルにメロディがいいバラード。
サビのメロディは人を泣かせるために作られたとしか思えない代物だ。褒めている。とても。
この曲の1番みたいに、メンバーの一人一人の声をじっくり聴けるのはファンとしてはうれしい限りだ。
ラスサビの大野ソロがやばい。やっぱり歌うまいよなぁ。
「カーチャン・・・」ってなる歌詞もサイコー。
でもこれって僕が男だから「母親」って思うのかな。ジャニーズファンの多数を占める女性が聴けば「父親」になるのかな。
とにかく歌詞含め暖かい一曲。

#9"Come back to me"・・・松本潤ソロ曲
捨て曲が多いというのが通説になって久しい松本のソロ曲。
シンガーとしての魅力の乏しさがその原因の一つではあるのだろうが、それにしても曲に恵まれない男だ。
この曲も他の彼のソロ曲やこのアルバムの他メンバーのソロ曲と比べて、やっぱりあまりパッとしない。
こういうちょっと残念なところを含めての「松潤」の魅力だと思っているが、どうだろうか。

#11"Magical Song"・・・相葉雅紀ソロ曲
THE DIGITALIAN」(2014)収録の彼のソロ曲"Disco Star"がかなりファンの間で好評だったが、その下敷きになっているのは間違いなくこの曲だろう。
彼のいい意味での「薄っぺらさ」という魅力をうまく生かした名曲だ。
こんなバカな曲(褒めてるよ、全力で)を満点の笑顔で歌えるのは地球上広しといえども彼ぐらいのものだ。

#12"let me down"
#2"マダ上ヲ"を受けたような大人っぽくてセクシーなチューン。
ようやくこういう歌を歌っても違和感ないくらいの年齢に差し掛かってきたころだ。
ホーンセクションがきらびやかさを演出するファンキーなトラックに思わず体も動いてしまう。
ささやくような櫻井のラップもセクシーでたまらない。普通にラップ上手いんだよね彼。


<Disc2>
#2"Don't Stop"
すっごくジャニーズっぽい爽やかなアイドルソング。
なんか素人耳には結構強引なコード進行に聴こえるんだけど、どうなんだろう。
でも彼らの勢いの前にはそういうのも全部無力。

#3"静かな夜に"・・・大野智ソロ曲
大野のソロ曲の恒例となっていたバラードだ。
でもビートは細かいのが多くて、コンサートでは踊りまくるというのがこれまた恒例になっていた。
彼の歌唱力をもってすればどんな曲だって名曲になってしまうのだが、「One」(2005)収録の名曲"Rain"とかと比べてしまうとね。
でもやっぱり彼のソロ曲は一番安心して聴ける。今回も至高の歌声を聴かせてくれている。

#4"むかえに行くよ"
今回聴き返して一番びっくりした曲。
これまでは全然意識したことなかったんだけど、改めて聴いたらめっちゃいいやんけっていう。
夕焼け時の駅からの帰り道に聴きたい一曲。
こういう優しい曲がよく似合うアイドルだよね。

#5"1992*4##111"・・・二宮和也ソロ曲
「とくべつ」と読むらしいが、この暗号の意味は、「ありがとう」(auのガラケーでこの通りに打ち込むと現れる)。
作詞作曲を二宮自身が手掛けている。
個人的には彼の内省的なバラード、例えば「Beautiful World」(2011)収録の"どこにでもある唄。"なんかが好きで、こういうポップな曲はあんまり・・・って感じ。
でも彼のかわいらしさがよく出たいい曲なのは間違いない。
でもこんな暗号とか考えちゃうようなひねくれた感じとか、あざとい感じの歌詞とか、やっぱり二宮ファンとしてはニヤニヤしてしまう。

#6"空高く"
10周年を記念して5人がウン年ぶりに共演したドラマ「最後の約束」のエンディングテーマ。
このドラマ良かったなぁ。それぞれの役割が絶妙で。
この「5人」を意味する「1・2・3・4・5」というフレーズが全編を通して歌われていて、やっぱり嵐の最大の魅力である「5人で嵐!」っていう部分が強調されているように感じる。
「この5人じゃないと嵐じゃない」っていうのは色んなインタビューで各メンバーが言っているし。

#7"kagerô"
"鳴りやまない 赤いサイレン"というサビの歌いだしがどうにも頭から離れなくなる一曲。
スピード感が心地よい。
ちょっとアルバムの中だと影が薄い印象。
どんだけ名曲が多いんだっつー話。

#8"Summer Splash!"
最後は夏色100点満点のこの曲。
夏にドライブする際はマストの一曲。
歌うラップ調のAメロが非常にRIP SLYMEっぽさを感じさせる。
今でもライブで歌われることのある定番ソングだ。

やっと書き終わった。後半に向けて文章が短くなっている点については言い訳はしない。疲れたのだ。
でもやっぱりDisc1の前半は名曲ぞろい。こんなそろってていいのかってくらい。
このアルバムの魅力を少しでも伝えられていたら幸いだ。

間違いなく彼らのキャリアの一つの到達点であり、聴き継がれるべき名盤ではないだろうか。

★★★★★
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する