Mr. Big / Bump Ahead

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3rd、1993年、アメリカ
ハード・ロック

圧倒的成功の後に待ち受けていたもの


Lean Into It」(1991)収録のバラード"To Be With You"がビルボードで1位となり、いよいよ日本だけではなくアメリカでも人気バンドになったMr. Big。
そんな大出世作の次の作品になったのがこの3枚目のアルバム、「Bump Ahead」だ。
このジャケット、最初は巨人が道路から頭を出しているように見えたんだけど、よく見ると遠近法の関係で普通の人間にも見えてくる。どっちなんだろう。個人的には好きなジャケット。

この作品がリリースされる前、バンドは完成した作品をレーベルに送ったところ、「バラードが少なすぎる。やり直し~」と言われてしまう。
会社側は「第二の"To Be With You"」を求めていたのだ。
この要求に屈してしまうあたり、日本での人気の高さと本国での地位の低さのギャップを感じずにはいられないのだが、そんな紆余曲折を経て作られたのがこのアルバム。

バラードを要求されて彼らが用意したのがまずCat Stevensのカバー、#5"Wild World"
なかなかの有名曲をカバーするという勇気。しかも結構原曲に忠実。
この曲をハード・ロックを聴き始めたころに部屋で聴いていたら父親に「これはCat Stevensか」と聞かれた記憶がある。
エリック・マーティン(Vo.)の声の良さを生かした良カバーであることは間違いないが(すごくいい曲ではある)、これをやる必要があるかと聞かれると困る。
バンドとしての彼ららしさが出ているわけでもないし。
上がMr. Bigバージョン、下が原曲だ。



このアルバムにはほかにも優れたバラードが収録されていて、世間的には#3"Promise Her The Moon"が人気だが個人的にはそっちよりも#8"Nothing But Love"のほうが好きだったりする。
どちらも素晴らしいバラ―ドで甲乙つけがたいが、強いて言えば後者のほうが僕の琴線にはガンガンに響いた。
すごく日本人が好きそうな感じもするし。
ポール・ギルバート(Gt.)のポップ・センスが爆発している。サイコー。


この2曲がレコード会社の以降によって書かれたものなのかはわからないが、これだけいいバラードを世に出してくれたという意味では会社側にも感謝する必要があるかもしれない。笑

でも思い出していただきたい。
このMr. Bigというのはそもそも超絶技巧のメンバーが集まったスーパーグループではなかったか。
そのことを思い出していただくためにも、以下に2つの動画を貼る。
いずれもおそらく同じ教則DVDからの引用なのだが上の動画では#1"Colorado Bulldog"、下の動画の冒頭では#9"Temperamental"をパット・トーピー(Ds.)とビリー・シーン(Ba.)の二人で演奏している、非常に貴重な映像だ。



普通のライブ映像とも違い、ギターやボーカルはいないが、どうだろうか。それでもなおめちゃくちゃかっこいい曲だというのがわかっていただけるのではないだろうか。
この人間離れした2人のグルーヴの上にこのバンドは成り立っているのだ。
パットがパーキンソン病を発病し、もうドラムをたたくことがかなわないのが非常に残念だ。もうこの二人の共演は見られないのか・・・

この2曲に代表されるように、このアルバムにはハード・ロックしている曲もきちんと収録されている。
でも超絶技巧が際立って目立つのは#1のみで、あとの曲は比較的1st「Mr. Big」(1989)で聴かれたようなブルージーで玄人好みな渋いロックを聴かせてくれる。
その中でも少し悲しげなメロディが印象的な#7"The Whole World's Gonna Know"はやっぱりずば抜けてかっこいい。ポールのギターがとにかく吠えまくってる一曲だ。
というか言い換えるとそのほかの曲はやっぱり弱い。曲の性質上やっぱりしょうがないんだけどね。


最後にバンド名の由来となったFreeのカバー#11"Mr. Big"も収録されているが、こちらは先輩へのリスペクトか、これまた忠実なカバーだ。それにしてもうまい。

やはりこのバンドの最高傑作はと聞かれたら「Lean Into It」を挙げるほかないが、それ以降のアルバムにも少なからず名曲・良曲が収録されているのがこのバンドの強み。
どのアルバムからでもハマれるというか。

でもまあ、ベストアルバム聴けば済むっていう話もあるんだけど。僕もそうだったし。

★★★☆☆+α
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