Bullet For My Valentine / Scream Aim Fire

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2nd、2008年、イギリス
スラッシュ・メタル / ヘヴィメタル

イギリスの若武者が築き上げた傑作


このアルバムを手にした日のことはよく覚えている。
学校が終わって、家に帰ってすぐCDショップに受け取りに行き(ちゃんと予約をしておいた)、すぐ家に帰って聴いた。
あのワクワク感って、もうこの齢になるとあまり感じないものだ。
でも聴き始めたのが17時半くらいで、#2"Eye Of The Storm"を聴いている途中に1階の母親から「ご飯だよ~」のコール。
そう。僕の実家は晩御飯が18時と早めの設定なのだ。無念。6時間授業のせいだ。
晩御飯を早めに済ませ(ごめんよかーちゃん)、歯も磨かずに自分の部屋に戻ってまた1曲目から今度は全部聴いた。
歯を磨いて風呂に入ってからも聴いた。寝て起きてからも聴いた。
アルバムを通して曲順を覚えてしまうくらい、本当に何度も何度も聴いた。

まだ1st「The Poison」(2005)を聴いてなかったからデビュー当時とのサウンドと比べて違うとかそういうことは一切考えずに、純粋にこの作品を何度も何度も聴いた。
なぜか、と聞かれればこの作品がそういう客観的な視点から見ても素晴らしかったからだ、ということだろう。
少なくともメタルを聴き始めたばっかりの中坊をこのジャンルに本格的に引き込むほどには。

そういう個人的な思い入れの強いアルバムだが、やはり今聴いてもキャリア最高傑作だと思う。
1stとは僅差だが、より正統派なサウンドに近づいたこのアルバムのほうが彼らの良さがはっきりと出ているような気がする。
もともとメタルコア的サウンドの中にこういうフレーバーを織り交ぜていたのだが、このアルバムではそれを包み隠すことをやめて、まるで自らがヘヴィメタルの正統な後継者であると高らかに宣言するかのような作風になっている。

このアルバムでとにかく素晴らしいのが、マットとパッジ・パジェット(Gt.)の二人によるギターワーク。
スラッシュ・メタルを思わせるリフワーク、そして前作から引き続き聴きどころであるハモりによる美しいハーモニーフレーズ、そして特にソロ。
印象的なソロがそれぞれの曲に用意されていて、アルバム全体に華やかさを添えている。
Venom」(2015)のレビューでは散々にけなしたけれど、やっぱりこの作品を聴くと素晴らしいギタリストではあるのよね・・・復活を願う。

1stもすさまじいクオリティのアルバムだったが、このアルバムも負けてはいない。
ファストチューンからドラマチックに展開するバラード、スタジアムを思わせる空気感の壮大な曲まで、多彩な曲がずらっと並ぶ。
全部の曲にかっこいいリフとかっこいいソロがある。そんな作品が名盤じゃないわけがない。
そんな大傑作の中から特に聴くべき曲を4曲ほどセレクトした。死ぬまでにはチェックせよ。

まず、オープニング曲にしてタイトルトラック、この作品のソングライティングの上で要となったといわれる曲#1"Scream Aim Fire"
リフ、ソロ、構成、歌メロ、コーラス、どこをとっても文句なしの名曲だ。ついでにMVも。
とにかく黙って聞くべし。鳥肌が立ち上がってくれるはずだ。


続いて#3"Hearts Burst Into Fire"
メジャーキーで始まり、とても明るく進んでいく曲。ところが、2サビ後の展開にこれまた鳥肌。歌メロがとにかくよい。
この曲を聴けば、このバンドが新たなステージに突入したことが一耳でわかるだろう。


#4"Waking The Demon"は、スクリームが激減したこのアルバムの中でも異色のヘヴィなチューン。
このMVではクリーンボーカルに差し替えられたバージョンが使われているが、このMVも当時学校では2軍3軍あたりに所属していた中坊には響いた内容だったので、こちらを貼ることにした。
リフの殺傷能力が抜群。


と、ここまでシングル曲3曲を紹介して、残るところ1曲を何にするかでだいぶ悩んだ。BFMV版"Fade To Black"というべき#8"Say Goodbye"と最後まで悩んだが、やっぱり当時の僕が一番好きだった曲にしようじゃないかということでここでは#9"End Of Days"を紹介することにした。
このベタベタなメロディが中坊の耳にはサイコーにかっこよく聴こえたんだよ。いや、今でもサイコーなんだけどさ。非常にメロデスっぽいブリッジ部分もサイコー。そのあとのソロがもっとサイコー。ツインギターの素晴らしさを僕に教えてくれた曲といっても過言ではない。


マット・タック(Vo, Gt.)はのちに振り返ってこのアルバムのボーカルに満足していないような内容の発言をしていたような記憶があるが、聴く分には全く支障はない。
のどの不調によって確かにこのアルバムだけマットの声が違うような気がするが、まったく減点ポイントではない。
手術をし、一時期は新たにシンガーを迎え入れるという考えもよぎったというくらいの大きな出来事だったが(そのことは#6"Deliver Us From Evil"の歌詞にもなっている)、大事にならず今でも歌い続けられていることはうれしいことだ。

何はともあれ、最近メタルにはまったばかりの初心者や、逆に若手バンドを全然聞いたことがなくてどれから聴いていいかわかんない、という人にはオススメ、というかマストの1枚だ。
え?知ってるって?申し訳ございませんでした。

★★★★★
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