amazarashi / 爆弾の作り方

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2ndミニ、2010年、日本
ポップ / フォーク / オルタナティヴ・ロック

メジャーデビューの衝撃


このアーティスト、ジャンルを書くときいっつも悩むんだよなぁ。
必ず「フォーク」は入れるようにしているのだが、いまいちなんて言っていいかわからない。
「ジャンル分けなんてナンセンス」という意見は聞く。聞くよ。やめないけど。

この作品もamazarashiとの出会いの作品。
0.」(2009)と同時に購入したからね。
詳しい出会いの経緯はそっちのレビューに書いてるのでよほどお時間に余裕のある方々(暇人たち)は読んでみてね。
だからこの作品もたくさん聴きこんだし、思い入れが強い。

発売当時のキャッチコピーは「一生消えない一行を。
歌詞の内容にフォーカスした売り出し方だったなぁ。今でもそうかな?

記念すべきメジャーデビュー作で、やっぱりインディーズのころに比べたら(まだ)前向きな世界観の詞になっているように見える。
もともと「絶望」をえげつないくらいに描くことで「希望」を見出す詞だから「前向きになった」という言い方はおかしいけれど、洗練されたサウンドプロダクションも相まってどうしても「メジャーになった」感を感じざるを得ない。
なんか昔から聴いてたみたいな言い方になったけど、あくまで「0.」と比べての話。それ以前の音源は一切聞いたことない。

まあ6曲だし、1曲ずつ紹介していこうと思う。

#1"夏を待っていました"

MVも制作され、プロモーションにも使われたことで多くの人にとって「初めてのamazarashi」経験を植え付けたであろう曲。
子供のころの遊びの情景をノスタルジックに描きながらも、子供ながらにそれぞれが胸に抱えた心の闇に光を当てている。
でも、それでも、僕らは夏を待っていた。
CDに封入されている詩集の中の「今の僕はだいたい何話目なのかな わからないけれど ここを最終回には出来ないよな」というワンフレーズに心を打たれた記憶があります。まさに「一生消えない一行。」

#2"無題"

これは「あまざらし 千分の一夜物語 スターライト」(2015)に収録されているバージョンだが、この曲に関してはそこまで雰囲気は変わっていないと思ったので貼ることにした。
一人の絵描きの物語を美しいメロディに乗せた、amazarashiを代表するといってもいい名曲だ。
彼のこういうストーリーテリング的な歌詞、大好きなんだよなぁ。
関係ないけど、大した考えもなくただ思いつかないからという理由で「無題」とか「untitled」みたいなタイトルを作品につけるアーティスト(音楽だけに限らず)って結構いるよね。これは違うと思うんだけど。

#3"爆弾の作り方"

行き場の無いイノセンス イノセンス 今に見てろって部屋にこもって
爆弾を一人作る 僕らの薄弱なアイデンティティー
ひび割れたイノセンス イノセンス こんなんじゃないって奮い立って
僕は戦う つまりそれが 僕等にとって唯一の免罪符

許されない僕等が 許されるための手段
傷つきやすい僕等が 身を守るための方法
僕は歌で 君はなにで?


これを最初聴いた時よりも、今のほうが心にしみる歌詞。
汚い奴らほど「楽しそうに」してたり、それをこれ見よがしに見せつけてたりするんだよね。
そういうやつらを見返すために、僕らはそれぞれの爆弾を作る。
これもまた付随の詩がすごくよかった印象。今手元にないのが悔やまれる。

#4"夏、消息不明"
ポエトリーリーディング曲。
このころは今と違って途中から歌に移行したり、ちょっと韻を踏んでリズムに乗せるタイプでもなくて、純粋な詩の朗読だった。
こっちのほうが実は好きだったり。
トラックがこれまたきれいでよい。

#5"隅田川"
amazarashi版、必殺胸キュンバラード。
割とストレートな歌詞もいいんですが、なにより、なによりサビのメロディが素晴らしい
これを2014年の「千分の一夜物語 スターライト」公演で生で聴いたときは鳥肌が立った。
これはもう誰に聴かせても「名曲だ」と思うのではないか。
「です・ます」体の歌詞ってちょっと寒い感じになりがちだけれども(完全なる偏見)、これは曲の雰囲気、内容から言って何の違和感もないばかりか、「です・ます」体であることを詞が求めているように見える。

浴衣帯 盆提灯が照らしだす 朱色の影絵
心の中 ずっと ずっと 張り付いてます


この歌詞なんか情景がパッと浮かんでくる。さすがの一言。
個人的にこの曲を聴くと当時好きだった浴衣の似合いそうなあの子を思い出してしまうんだなぁ。会いたいなぁ。

#6"カルマ"
全体的に爽やか目の局長や歌詞の内容が目立つ今作の中、ラストを飾るのは彼らの曲の中でも1、2を争う「ドロドロな」曲。
今でもライブでは欠かさず演奏される曲だ。
文字数を詰め込んだ歌詞を早口で歌う秋田ひろむ(Vo.)の歌声を聴いていると、ついついこの鬱屈した世界に引きずり込まれるのではないかという考えが頭をよぎる。
歌詞の内容は非常に哲学的で、僕自身今になってもまだかみ砕けないところが多い。
だからなのかもしれないが、個人的には決してお気に入りの曲ではない。笑

・・・という、まあ、6曲が入った、アルバムです、はい。

オススメです!

★★★★☆+α
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