My Chemical Romance / Danger Days: The True Lives Of The Fabulous Killjoys

dangerdays.jpg
4th、2010年、アメリカ
オルタナティヴ・ロック / ポップ・ロック / パワー・ポップ

あら~カラフルになられて~


2010年発表、結果的にラストアルバムになってしまった作品。
これが出たときは解散するなんて思ってなかったな。

あの名盤の誉れ高き「The Black Parade」(2006)では徹底したコンセプトアルバムで、MVはもちろんライブの衣装までも統一性を持たせ、結果的にバンドの名を不動のものにすることに成功した。
さらに一枚さかのぼった「Three Cheers For Sweet Revenge」(2004)もコンセプトアルバムで、これまたダークな世界観を作り上げていた彼ら。

これまでの作品に共通していたのは「白黒」の世界観。
「白黒」というか「黒」かな。色を排したような暗い精神性が彼らの音楽には宿っていた。
事実アートワークや衣装、MVも黒を基調にしたものが多かったように思う。

だからこそ、彼らが#2"Na Na Na (Na Na Na Na Na Na Na Na Na)"やこのアルバムに向けてのヴィジュアルを公開したとき、誰もが驚いた。

ひたすらに明るい曲調、髪の毛を真っ赤に染めたジェラルド・ウェイ(Vo.)、荒廃した近未来を舞台とした奇妙なストーリー仕立てのMV・・・
それはそれは、カラーテレビが初めて我が家にやってきたときのような驚きだった(世代ではない)。

theblackparadeband.jpeg
これが、

dangerdaysband.jpg
こうだ。

というわけで、今作は相変わらずコンセプトアルバムであるが、これまでとは180度ベクトルの違うコンセプトのもと作品が作られていたのだ。
これが最後のアルバムなのはそういうことだったのではないか、とか邪推してしまうが、それは本人たちのみが知ることである。

というわけで、このアルバム、舞台設定は2019年のカリフォルニアで、メンバー4人はKilljoyと呼ばれる反体制勢力のメンバーに扮している。
MVを見てもらえればわかるが、「ブレードランナー」や「スター・ウォーズ エピソード5 / 帝国の逆襲」、「時計仕掛けのオレンジ」、「マッドマックス」などといった映画に影響を受けているらしい。
この音楽自体は海賊ラジオでDJのDr. Death-Defyingという人が曲をかけているという設定で、最初と最後、あと途中に彼による語りが入る。
僕こういうギミック好きよ。小説内小説、映画内映画、音楽作品内音楽作品。メタ的要素。大好物。

まあ正直こういうコンセプトは聴く人にとってあまり大きな意味を持たない(残念ながら)。
というか、やっぱりどれだけコンセプトが立派でも肝心の曲がダメならダメなわけで。
そこんとこどうなのよ、って話。

前半が名曲ぞろい。後半も良曲多いけど、やっぱり前半の勢いが神がかってる。あの「The Black Parade」を思い出させる勢いだ。
でも決して「The Black Parade」や「Three Cheers For Sweet Revenge」のようなエモ・サウンドを期待してはいけない。
このサウンドは形容しがたいが、とにかくポップでメロディアス。でもこれまでのような悲しさはなくて、それよりも何かに立ち向かっていくようなポジティヴさ・力強さを感じさせるサウンドだ。

ではその神がかっている前半を1曲ずつ紹介しよう。
#2"Na Na Na~"は上で紹介した通り、とにかく明るい安村、もといとにかく明るい曲だ。

#3"Bulletproof Heart"

素朴ながら胸をぎゅっとつかんで離さない歌メロが聴こえたとたん、もはや君はこのアルバムの虜だ。
このバンドはえてして歌メロがいい。そしてこの前半はその魅力が十二分に輝いている。
変にアップテンポでもスロウでもなくて、ほんとに「どまんなか」という雰囲気がたまらない一曲。

#4"Sing"

MVもとてもクールだ。こういうドラマに弱いんで普通に今見返したらウルっとしてしまった。不覚。
バラードらしいバラードが収録されていない今作において、少し異色なおとなしめの一曲。
それでもやっぱりラストに向けて一気に加速していく様がたまらない。たまらなくエモい。エモを隠しきれてない。
「Sing For~」と繰り返すサビが印象的だ。

#5"Planetary (Go!)"

バカだね~。MV含め。もうね、バカ。
こんなの踊っちゃうにきまってんでしょ~もう~バカなんだから~。
四つ打ちのビートがたまらないね。ブリッジのギターのカッティングもカッティングフェチとしては満点を差し上げたい。
でもまあ冷静に聴くとこれまでのマイケミからは考えられないような曲だよなぁ。すごい。最後の最後にこんな殻を残していたなんてね。

#6"The Only Hope For Me Is You"

曲調は#3"Bulletproof Heart"に似た感じ。これもど真ん中まっしぐらな曲。
メロディも素晴らしいが、それに乗せられた歌詞がまたど真ん中でサイコー。

If there's a place that I could be
Then I'd be another memory
Can I be the only hope for you?
Because you're the only hope for me
And if we can't find where we belong
We'll have to make it on our own
Face all the pain and take it on
Because the only hope for me is you alone

僕がいられる場所があるなら
僕はただの記憶でいいからさ
僕、君の唯一の希望になれないかな?
だって君は僕の唯一の希望だから
僕ら二人の居場所が見つからないなら
自分たちでそれは作るしかない
痛みと向き合い、受け入れよう
だってほら、僕にとって希望は君、ただ一人だから


お粗末な和訳失礼いたした。
ちなみに僕は高1の時この歌詞をモバゲーの日記に乗せた黒歴史を持っています。彼女ができたばっかりだったんだね。
ちなみその彼女はこの一個前の「爆弾の作り方」のレビューに出てくる「浴衣が似合いそうな子」と同一人物です。
すぐ振られたけどね!ははは!
この辺リリースの作品は高校生活と密接にリンクしてて聴くといろんなことを思い出すのよね。

ここまでが最高の前半戦。いかがだろうか。
後半は少しこれよりは劣るが、それでもいい曲が続く。それはぜひ皆さんの耳で確かめていただきたい。

結果的にこれが最後のアルバムになったけど、それにふさわしい素晴らしいアルバムだったよね!

・・・とかいいつつ再結成したら喜ぶんだけどね。しないかなぁ。

★★★★☆+α
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する