Dream Theater / The Astonishing 【ストーリー完全和訳】

theastonishing.jpg

賛否両論の渦がいまだ渦巻くこの大作にして問題作。
僕の意見はこの前のレビューで書いたが、僕はこの作品を好きだと思った。
そしてこの作品の良さはやはりこのストーリーをきちんと消化しないとえられないと感じたので、公式HPに乗っているストーリーを今回、完全和訳して皆さんに読んでいただこうと思った
あらすじ和訳が欲しいのならならほかのサイトをあたってくれ。

疲れました。長い。とにかく長い。
でも読む価値はあると思う。
一部読みにくい日本語になっている個所もあるかもしれないが、頑張って読んでみてほしい。
それが嫌なら英語を勉強してちゃんと読め。

では、この下から始まります。アルバムを聴きながら読むとより楽しめると思うのでぜひ。
ブックレットの挿絵と一緒に楽しむのもいいかもしれない。

ACT 1 – 第一幕

#1”Descent of the NOMACS” – NOMAC、現る
時は2285年、NOMACS(Noise Machines)がニュー・メインランドにある皇帝宮殿の上空に現れた。そのドローンのような機械は、一機のメインNOMACを先頭に街をスキャンし、支配と覇権を民衆に見せつけた。NOMACはもともと世界で最も完璧な音楽を創り上げようと考案されたのだが、そうではなく、人間にとっての脅威のようなものになってしまった。人間の表現力が途絶えてしまった結果として誕生したそれは、急激な技術の進歩と相まって、世界で唯一残存する娯楽の名残としてそこにあった。NOMACの音楽は人々が知り、かつ聴くことのできる唯一の音楽であり、世界に存在する唯一の音楽だった。かつてあった本物の音楽の魂は、この感情のない音の狂気の沼地にあって完全に失われたのだった。

#2”Dystopian Overture” - ディストピア前奏曲
アルバムを通して繰り返される主題をすべて含んだ前奏曲。これらの主題はそれぞれ特定の物語の舞台や登場人物と関連している。この曲は我々を現在のアメリカ北部帝国(昔のアメリカ北部)の新鮮な風景へと誘ってくれるのだ。

#3”The Gift Of Music” – 音楽という贈り物
300年もの年月の間、天然資源はやせ細り、大統領による職権濫用や政府内部にはびこる汚職は国中に封建社会への立ち戻りをもたらした。それは我々がよく想像する、輝かしい未来ではない。それは多くの点で人類の過酷な過去と似通ったディストピア的世界だ。貧富の差は回復不能となり、冷酷な独裁者が広大な帝国を支配する時代が再び訪れた。彼ら一族は土地、富、権力、そして地球上にまだ残っているあらゆる悪のすべてに関して力を振るった。その一方で民衆は各町区に住まい、経済的そして社会的圧迫感に耐えながら生活していた。この煌びやかで美しい大都市と質素で地味な地方の村落の対立は、身分の差によるところが大きい。劇的変化を経たこの土地は、昔はアメリカ合衆国の北部だったが、今ではアメリカ北部帝国、略してG.N.E.A.と呼ばれている。この新しい土地では悪名高きネファリウス卿が皇帝として圧政を布いていた。首都ニュー・メインランドにある豪華絢爛な宮殿から、彼は帝国中のいかなる出来事にも目を光らせているのだった。
労働者たちは馬車馬働きで、帝国を支える重税を課せられていた。当然、芸術への献身、投資、興味なんてものはとうに消え失せていた。彼らには単純に、芸術や踊りや音楽といったものが生み出す創造的なものに費やす余暇がなかったのだ。なぜそんな必要があるだろうか?彼らの生活はまるで太古の人類のそれに類似していたが、ただひとつ、彼らが聴くことのできる音楽は電子的に製造され、NOMACによって演奏されるそれだけなのだった。
皇帝の宮殿やけたたましい都市の生活から遠く離れたエンドレス・アイルランドに位置する小さな村、レイヴンズキル村。人々は質素な暮らしによって取り戻された家族のような感覚を楽しみながら、ネファリウスの統治による過酷な生活という現実の元生活を送っていた。果たしてそこに我々の予期せぬ英雄、ガブリエルがいた。彼は「選ばれし者」として崇められ、ネファリウス卿を打ち倒す革命にて人々を導き、自由を取り戻すと囁かれた。この希望のない世界の中で光り輝く、一筋のかがり火のように。なぜなら彼は、長い年月の間忘れ去られていた、ある不思議な才能を持っていたからだ。神聖な、音楽という贈り物を。
ガブリエルは生まれつき歌い、音楽を作る才能を授かっていた。それはまさに、驚天動地(astonishing)の才能だった。
NOMACの生み出す人工的で情熱のかけらも感じさせない不協和音に知らず知らず慣れてしまっていた人々は、ガブリエルの作る音楽に立ちすくみ、人間の作る真の芸術が祝福され、魂への究極の滋養とみなされていたあの時代に連れ戻された。彼の歌を聴く者は皆まどろみ、その声はどんな薬よりもよく効いた。希望と悟りの心が芽生え、それはこの小さな村にとどまらずほかの地域へも広がっていった。この新たな救世主の話が広がるにつれ、決起の計画は進行し、どこに行っても人々はガブリエルの不思議な力について語り合ったのだった。

#4”The Answer” – 答え
ガブリエル自身は謙虚で自分のことを生まれつきの指導者だなんて思うことができずにいた。それでいて周りからは注目され、途方もない期待をかけられるものだから、彼は居心地の悪さと困惑を禁じ得なかった。人々を魅了する才能を持ちながら、ガブリエルはその自分の特異さに戸惑っていて、周りの人はそれを不思議がった。多くに愛されながらも彼は自分の人生の目的、そして自分に与えられた才能の意味について常に疑問をもっていた。その才能は彼を孤独にしたのだ。彼は多くの時間を一人で過ごし自問自答を繰り返した。なぜ自分が「選ばれし者」なのか?これは別に自分が望んだことじゃない、でも明らかに彼にだけ訪れたものだ。彼はレイヴンズキルの住民が待ち望んでいた明るい未来と希望を体現する存在で、彼らは全く彼ひとりを信じていた。彼らは何か特別なものを彼に見いだし、彼こそが自分たちをこの苦境から救い出し、自由を授けてくれるものだと信じて疑わなかった。彼は自分の役割を考えるにつれ、自分の人生の意味、自分の運命へと続く道を探し求めるようになっていた。かくしてそれはすぐに見つかるのだった。

#5”A Better Life” – より良い未来へ
ガブリエルの兄であるアリーは彼の一番の理解者だった。レイヴンズキル革命軍の司令官である彼は、ガブリエルを信じ、革命の火を目に燃やすのだった。彼はガブリエルを変化に必要な起爆剤、人々を自由へと導くことのできる唯一の案内人だと考えていた。それがガブリエルの定めだと。さらに、アリーにはこの逆境から抜け出したいもう一つの理由があった。彼の8歳になる息子、ザンダー、愛称”X”だ。彼のザンダーに対する愛、より良い未来を彼に約束すること、それこそがこの困難な時代において彼を聖戦へと突き動かしている動機だ。男手一つで息子を育てる彼は、Xの母親であり彼の唯一の愛するひと、エヴァンジェリンの記憶を今でも大事にしている。二人の息子の出産を彼女生き延びることができないことを知り、彼女がこれまで耐え忍んできた不幸や不運に思いをはせた彼は、彼女の死の床で約束をした。Xのよりよい人生のため、安全のため、繁栄のため、ひいてはXの自由のために残りの人生すべてを捧げると。アリーは町の人々にガブリエルの力を説き、決起の種を蒔くのであった。

#6”Lord Nafaryus” – ネファリウス卿
まるでブドウのつるのようにこの知らせは国中に広まり、ガブリエルの人気とその不思議な才能はやがてネファリウス卿の耳にも入るようになった。彼はガブリエルが持つ影響力に興味を持つと共に嫉妬し、レイヴンズキルを訪問することを決めた。この騒ぎがなんなのか、そしてそのガブリエルという人物が本当に帝国にとって脅威なのかどうかを見極めたかったのだ。もちろんG.N.E.A.の各地で革命の兆しが見えているのにも気づいていた彼は、そんな馬鹿げた大規模反乱の話を鎮めるため、必要ならガブリエルを見せしめにすることも考えていた。彼の美しい妻・皇后アラベラ、忠実な息子・ダリウス王子、そして彼が自分の命よりも大事にしている娘・フェイス王女とともに彼らは旅に出た。領地の奥地へ、「ガブリエルの贈り物」として知られるものを初めて見るために。
エデンズ・ウェイを横切り、エンペラー・ブリッジを渡り、彼らはようやくレイヴンズキルに到着し、この不思議な救世主と相見えるのであった。

#7”A Savior In The Square” – 広場の救世主
レイヴンズキルではいつものように、町の広場に人だかりができ、ガブリエルを取り囲んでいた。彼は古びたアコースティックギターをかき鳴らし、人々を鼓舞するような歌を歌っていた。自分を信じ、時が来れば自らの運命を知るだろうという歌だ。アリーやX、他の見物人たちはガブリエルが弾くその奇妙で大きな楽器(彼らはマシン以外が奏でる音楽に慣れていないのだ)に驚くばかりではなく、彼らの魂は高揚し、その天使の歌声によって快楽に達した。ガブリエルの神聖な音楽はどんなに頑固な人やどの世代の人をも貫き、聴く人の中で眠っていた情熱や力、自尊心といった感覚を目覚めさせた。その時だった。ネファリウスとその側近が広場に現れ、町の人々は驚き、警戒した。ガブリエルは歌うのを止め、重たい沈黙が人々にのしかかった。誰もが皇帝とその家族の存在、そして自分たちが置かれている状況の危険さに気が付いていた。護衛を脇にネファリウスはガブリエルに言った。
「なるほど、驚天動地のガブリエルとは君のことか。まあ、私を気にすることはない。続けたまえ」
アリーが答えた。「王よ、我々は楽しむためにここに集まっています。面倒は起こしたくない」ネファリウスがまた答える。「我々はただ、最近よく耳にするものを目撃しに来ただけだ。ガブリエルの素晴らしい才能を。」
気まずい沈黙のあと、ダリウス王子はガブリエルを見て強い調子で言った。「父上のおっしゃるとおりにしろ。救世主!」
ガブリエルは仕方なくギターに手をかけ、皇后の隣にたつ王女フェイスを見とめた。そして完全にやられてしまった。
彼女もまた・・・驚天動地だった。

#8”When Your Time Has Come” – 時が来れば
ガブリエルは演奏をはじめ、いたく感動的な歌の歌詞を歌い始めた。最初は弱々しく、そして徐々に自信と情熱を帯びて彼は歌った。
分かれ道に差し掛かった時
僕は君のそばにいるから
僕の声が君の力になる
そうすればわかるさ
どっちの道が正しいのか

すぐさま、この言葉によってフェイスの心は深い感情に打たれた。そしてまるで呪いから目覚めたかのように、王女とガブリエルは見つめあった。まるで天からの稲妻のように、すぐに二人はこの出会いは運命であり、ともに愛し合う定めだと知った。この瞬間、二人はそれぞれの運命へと一歩目を踏み出した。今の今まで、彼女にとってつながりを感じるもの、孤独な日々に希望を与えてくれたものは一つだけだった。それは彼女が長い間隠し続けてきた秘密のお話・・・

#9”Act Of Faythe” – フェイスのこと
焦がれるほどに美しく、それでいて奥ゆかしさもある外見。彼は彼女のようなひとをこれまで見たことがなかった。その美しさに胸を射抜かれた。でもその一方で彼女はこの午後に広場に集まった人の多さに驚いていて、彼には注意を払ってはいなかった。彼女はこれほど恐ろしく耐えがたい生活状況の中でもこうして集まって何かをするという共同体の考えに感動していた。宮殿の中の閉ざされた生活に慣れてしまっていた彼女は、このようなものを見たことがなかったのだ。彼女は彼らの純朴さ、そしてそこには確かにより良い未来が待っているという希望の光の明滅に胸を打たれた。父親譲りの負けん気と頑固さを持っていた彼女だったが、力ずくで統治するという考えだけは受け入れられていなかった。ガブリエルと同じように、彼女もまたある種の疎外感のようなものを感じていたのだ。たとえそれが自分の家の中でもだ。彼女は孤独で、過保護な父親によって世間から隔絶され、そして人生の目的を渇望していた。そしてガブリエルと同じように自分の人生の意味、自分の運命へと続く道を探し求めるようになっていた。
彼女がまだ幼い女の子だったころ、彼女は好奇心旺盛でよく宮殿中を探検しては楽しんでいた。ある日いつものように探検をしていた彼女は、地下廊下の奥にあった一つの部屋を見つけた。ここで彼女はある素晴らしいものを発見した。アンティークもののデジタルミュージックプレイヤーだ。昔は誰もが使っていたが、今では忘れられた過去の遺物。その中にはまだ音楽が人間によって作られ、歌われていた時代の素晴らしい音楽がたくさん詰まっていた。裏には「BUGへ」と書かれたおかしな刻印があるだけ。その意味は彼女にはわからなかったが、それはどうでもいいことだった。彼女は誰にも、特に父親に気づかれないようにしながら、それをどこへ行くのにも携帯した。イヤフォンを耳の中、フードの中に隠しながら、彼女はその大昔の音に夢中になった。大人になった今でも、その秘密の機械を聴かない日は一日たりともない。それはまるで彼女の魂を想像力の冒険へと連れだしてくれる魔法の船だった。ガブリエルのギターと美しい歌声を聴いたとき、それはミュージックプレイヤーではなかったが、それと同じような安心感と一体感を彼女は感じた。

#10”Three Days” – 三日間
曲が終わったとき、群衆は勝ち誇ったような拍手をし、ネファリウスその人でさえガブリエルの歌に感動し、一時的に彼の周りを取り巻く高揚感のようなものに巻き込まれてしまった。でも彼はすぐに現実に引き戻され、ガブリエルと王女が見つめあっているのに気が付きすぐさま「よし、たくさんだ!」と怒鳴った。アラベラ皇后もその二人が夢中になっているのに気が付いたが、フェイスも母親に一瞥をくれたところを見ると、彼女も見られていることは知っていたのだろう。なにかおかしなことがおこっていると察知したアリーは、すぐさまガブリエルを兵士で取り囲み、ネファリウスから見えないようにした。
彼は、この村の人々が自分以外のすべての人に対して持っている愛情や忠誠心といったものに嫌気がさしたのと、ガブリエルの力に嫉妬したのはもちろん、これからの帝国の未来にも暗雲が立ち込めているような気がして、ここらで自分の優位を示さなければという思いに駆られた。彼にはすぐにガブリエルが帝国にとっての脅威に見えてきた。そして彼はにやりと笑ってこう宣言した。ガブリエルを守ったり隠したりしたければ、してもよい。でも我々はそんな馬鹿げたかくれんぼのようなことはしたくない。「驚天動地のガブリエル」が自ら進み出て降伏しなければ、悲惨な結末が待っているだろう、と。彼はつづけた。3日だ。ガブリエルが降伏し、反乱軍を解散・降伏させ、二度と革命の話はしないと決めるか、3日で考えろ。父親の背中の後ろで縮こまっているXを見つめながら彼はさらに続けた。もしこの期間内にその「救世主」がこれに応じなかったときは、この村の家を一つずつ破壊し、すべての住人を殺してまでも、ガブリエルを捕まえに来ると。この恐ろしい宣言ののちネファリウスとその側近たちはレイヴンズキルを出発した。残された村人はただただ立ち尽くすのみだった。フェイス王女は一目見ただけのガブリエルのことが忘れられずにいた。彼女は彼の音楽に圧倒され、そして自分は彼にまた会うに違いないという確信めいたものを胸に抱いていた。

#11”The Hovering Sojourn” – 浮遊滞在
NOMACによるインストゥルメンタル

#12”Brother, Can You Hear Me?” - 聞こえるか、兄弟よ
レイヴンズキルでは、ガブリエルは自分の隠れ家に入り、アリーの仲間によって保護されていた。アリー司令官は自らの率いる市民軍と、他の地域の反乱軍を合わせればこの街を守るに足るほどの兵力であること、そしてガブリエルの降伏は絶対にありえないということの二点を確信していた。一方のガブリエルといえばこの事態に完全に当惑してしまい、自分が持っている「贈り物」について、これまでにないほど悩みこんでしまった。自分が降伏すれば、間違いなく自由や幸福への機会は完全に失われ、もちろん自分の命もないだろう。彼らがこれまで努力してきたこと、主張してきたこと、そして犠牲にしてきたもの、そんなものを見捨てることがどうしてできよう?その一方で、自分の命がこの街のすべての善良な人たちよりも重く扱われるなんて、なんて自分勝手だろうか?そう悩んでいる間でさえ、フェイス王女の姿が頭から離れない。彼はもはや彼女のことで頭がいっぱいで、その美しさに目がくらんでいた。ガブリエルは人生で最大の岐路に立たされていた。決断の時は迫っている。

#13”A Life Left Behind” - 置き去りにされた人生
宮殿に戻ってきてからも、フェイス王女のガブリエルへの思いは弱まるどころか、それは何を賭してまでも一緒になりたいという思いにまでなっていた。確実にそう感じてはいるのだが、なぜかうまく説明ができないのだ。彼女はとにかく本能で悟った。運命が二人を近づけたのだと。二人はある高尚な目的のために運命づけられたのだと。そこで彼女は翌朝レイヴンズキルに戻る手はずを整えた。反乱軍を警戒させないように、そして脅しに来たと勘違いされないように、彼女は自分の正体を隠すことにした。彼女の気持ちを察したアラベラ皇后はこの旅行の計画に気づき、彼女と対立した。でもあのずっと冷たくて空虚だった娘の目が、今ではガブリエルについて話すと喜びと情熱にあふれるのを見て、彼女は娘を行かせることが正しいことだということを知った。彼女にはフェイスが本物の恋を追い求めるのを妨げることはどうしてもできなかったのである。でも娘を守るのが母親の務め、ダリウス王子を呼びつけ、妹をつけるよう命じた。ダリウスは喜んで引き受けたが、彼にはある、邪悪な意図を持っていた・・・

#14”Ravenskill” - レイヴンズキル村
二日目の朝レイヴンズキル村に着いたその変装した姫は、まずアリーの居場所を尋ねることにした。ガブリエルの居場所を聞いても答えてくれるわけがないし、聞いたところで怪しまれるのがオチだ。緊張と疲労、そして町中に漂う不安と警戒感に気圧され、彼女は休むことにした。そこで彼女は噴水の前で遊ぶ男の子を見とめ、それがアリーの息子、ザンダーであると気が付いた。フェイスの優しい雰囲気と魅惑的な目は、すぐさまその小さな男の子の信頼を得ることに成功した。彼女は自分がガブリエルと同じように彼の父親を助けることができる、ぜひ会って話がしたいと説いて聞かせた。もちろん、この間中ずっと兄であるダリウスは遠くからこの様子をずっと見ていて、彼の計画に必要な情報を得ることに成功したのだった。
Xは正直に王女をアリーが反乱軍を訓練しているキャンプへ連れて行った。フェイスは彼の横へ近づくと勇敢にも本当の正体を明かした。当初彼は彼女をとらえネファリウスに対する人質にしようと思ったが、彼女は自分の目的は正しいものであり、この争いを終わらせる術を知っている、でもそれはガブリエルにだけ打ち明けたいと強く主張した。アリーは次第に納得し、ガブリエルの隠れ家へと彼女を案内した。二人は出会うや否や抱き合い、二度と離れ離れにはならないと誓った。でもその前に、ネファリウス卿との争いを解決しなければならない。それも期間内に。私は父親を説得してあなた、ひいてはレイヴンズキルを守らせることができる、彼には優しくて寛容な心がある、ただそれをもう一度彼に思い出させる必要がある、と彼女はガブリエルに言った。時間はあまり残されていないけど、二人で力を合わせれば父はこの地に平和を取り戻し、この不合理な魔女狩りをやめる道を見つけるはずだ、と。

#15”Chosen” – 選ばれし者
ガブリエルは王女の言葉を反芻し、この間広場で自分の歌がネファリウスを一時的にでも感動させることができたことを思い出した。芸術と音楽の欠如、そしてNOMACによる断続的な無意味な音楽の創造がネファリウス卿やその支持者の感情を眠らせ、魂を封殺し同情する心をなくしてしまったのだと、ガブリエルは確信した。皇帝と皇后に会うことさえできれば、その魔法の音楽の才能とそばにいる王女の力を使って、彼らの魂を再び目覚めさせ、この国に調和を取り戻すことができる。ネファリウスはただNOMACを無視してただ聴くだけでいい。この計画を父に打ち明けることを楽しみにしながら、彼女は宮殿に戻った。そしてガブリエルに会うように説得するのであった。

#16”A Tempting Offer” – 誘惑
一方そのころレイヴンズキルでは、ダリウス王子がザンダーが家に帰るのをこっそりとつけていた。Xが家に入ろうとしたまさにその時、ダリウスは彼を脅し無理やり中に入り、彼を人質として彼の父親の帰りを待った。アリーが家に帰ると、ダリウスが押し入り、Xの命をその手に握っているのに気が付いた。息子がとらわれているのに気が付いた彼は、まずXの安全を確保しようと王子をとらえるのをあきらめ、彼の望みを聞いた。ダリウスの望み、それはアリーを困惑の極みに追い込み、彼の人生をひっくり返すようなものだった。アリーがガブリエルを彼に引き渡せば、王子はザンダーの残りの人生の安全、保護、そして繁栄を約束してやる。帝国の援助による究極の贅沢、最良の教育、ネファリウスの実の息子と匹敵するような、特権にあふれた人生。何も不測のない人生を送るだろう。簡単な選択だった。どちらにしろ彼らはガブリエルをとらえるだろう。こうすることによって彼は英雄になれるのだった。なぜそれがダリウスにとって重要だったか?彼はこれまでの人生ずっと、父親のフェイスへの愛情の影で生きてきた。彼は不平等にもないがしろにされ、認められも褒めれることもない人生を送ってきたのだった。彼は父親の眼にかなうことがなく、王女に向けらえた愛情にずっと嫉妬し続けてきた。彼はガブリエルをとらえ、それを父親の尊敬と愛情を勝ち取る機会だと思ったのだ。

#17”Digital Dischord” – デジタル・ディスコード
NOMACによるインストゥルメンタル

#18”The X Aspect” – Xを思えば
ダリウスはその午後レイヴンズキルに残り、今夜でこの取引について考えろ、朝になっても答えが出なければ取引はやめだ、と言った。アリーにとっては明らかに勝ち目のない選択だった。弟を裏切るなんて、彼の部下たちを裏切り、彼らが長年の間ずっと切望してきた革命の計画を見捨てるなんて、そんなことがどうしてできよう?そして彼はエヴァンジェリンと息を引き取る直前に交わした約束を思い出すのであった。彼の人生をちゃんと守ること。Xの自由に人生を捧げること。眠れない夜が明けるころ、彼は仕方がないという結論に達した。ザンダーのことを考えれば、仕方があるまい。ダリウス王子の取引に応じることにしたのだ。彼はガブリエルの自由と引き換えにXの未来を手に入れたのだ。王子にはあとで取引の日時と場所を教える約束をした。

#19”A New Beginning” – 新たな始まり
その朝、フェイスは父親にガブリエルと会うよう説得できるほどの幸運はなかった。「敵」と恋仲であるという知らせも相まって、彼は協力する意思を見せなかった。ネファリウスはその会合をばかげていて無意味だとし、その恋人、「救世主」が本当は偽物だと降伏しなければ、次の日が始まるころには自分の軍隊がレイヴンズキル村を烈火のごとき憤怒とともに打ちのめすと言ってのけた。彼女は懸命に、これはただ偏見を抜きにして耳を傾けるためだけの機会を求めているのであって、もしガブリエルのメッセージが気に召さなければ彼は喜んで降参してネファリウスの仰せの通りにすると懇願した。でも彼にとってはそういった交渉に応じることは弱さの証拠だと考え、そんなのはばかげたわがままだと取り合うことすらしなかった。その無知さ、頑固さ、帝国の人々への同情心のなさ、そして自分の感情への尊敬のなさに、フェイスは怒りを覚えた。その時だった。アラベラ皇后が二人の頑固さにしびれを切らし、ネファリウスにこの会合に同意すること、そうしなければ娘は一生あなたを許さず、一生彼女を失うことになると言った。
「あなたも昔はフェイスのような純粋さを持ち、人生のまだ探索されていない謎に対する情熱を持っていたじゃない、ねえ、BUG。」アラベラ皇后が夫に言う。
その時だった、彼女の脳裏に稲妻が走った。あのミュージックプレイヤーの後ろに彫られていた、「BUG」の文字。あれは父親のことだったのだ!あれは昔、父親のものだったのだ!
それは同じく人間の作った音楽を秘密裏に愛した彼の父親からの贈り物だった。まだ幼かったころ、ネファリウスは宮殿のホールの中を走り回り、父親の足元をうろちょろしては忙しい皇帝の注意を引こうとした(だから”BUG=羽虫”というあだ名がついた)。公務で忙しくないとき、父親はこっそりと隠していたデジタルミュージックプレイヤーを引っ張り出してきては息子とともにその音楽を楽しみ、精神的健康を保っていた。この贈り物を息子にすることで彼は、どんなに人生が入り込んで混迷を極めようとも、二人の間には特別な絆があることネファリウスに知ってほしかったのだ。しかし、時がたちネファリウスは大人になり父親は年老いた。差し迫る王位継承の魅惑、そしてそれによってもたらされる力、権力。そういったものによって彼はそんな子供じみたミュージックプレイヤーのことなんて忘れてしまった。やがて父親は病に倒れ、亡くなり、そしてNOMACが現れ彼の記憶は薄れていった。その新しい皇帝はそのミュージックプレイヤーを完全に忘れていた。
今までは。
フェイス王女がこれまでの人生の間ずっと楽しみ、そして皇帝に隠してきたミュージックプレイヤーの秘密が、今初めて明かされた。彼女は言った。
「ねえ父上、あなたも昔はあの恐ろしいNOMACが作り出すゴミのような音楽じゃなくて、本物の音楽を愛していたのね。」
「それをどこで見つけたのだ?」ネファリウスは声を荒げた。「そんなことは今どうでもいいわ」フェイスが答える。「私はもう子供じゃない、父上。あれをしろだのだれだれには会うなだのだれだれには会えだの言われたくないの!」「お願いだからよく考えて、あなたがみんなが言うような冷酷な独裁者なんかじゃないって見せてよ!」
妻にも娘に異議を唱えることはできず、逆らえば娘を一生失うということを知ったネファリウスは、ガブリエルとの会合に同意した。もし彼が娘の言うような「選ばれし者」で自分を揺さぶることができるのなら、レイヴンズキルを襲う計画は止め、彼に自由を与えよう。そうでなければ、彼はガブリエルの降参を受け入れ、彼女は二度と彼の顔を見ることはないだろう。

#20”The Road To Revolution” – 革命へと続く道
大喜びで、フェイス王女はこの知らせをまだレイヴンズキルに隠れているガブリエルに伝えた。彼はこの会合にぴったりの場所を知っていた。そしてこの計画が上手くいくためにはこの会合はこの夕暮れ、星たちが踊り月が照らす下、あの荘厳で今はもう使われることのないヘヴン湾にある円形劇場で行われる必要があるといった。大昔に音楽が演奏されていたこの舞台を背景にして彼が歌えば、彼は自分の奇蹟とも呼べる音楽の才能を十二分に発揮することができ、そうすれば皇帝の心を変えることができないわけがない、そう彼は信じていた。平和を象徴するため、フェイスはガブリエルと一緒に歌うことに同意した。そうして愛と協調の純粋さを示すことによって、自分たちの運命は確実なものだと信じていた。今夜のこの出来事が思い通りの結果にならないかもしれないということは二人とも承知の上だった。二人は少し早めにヘヴン湾で落ち合い、もしかしたら最後になるかもしれない二人の時間を楽しむとともに、今夜の演奏を少し練習することにした。フェイスは場所を父親に告げ、ネファリウスとアラベラ皇后はヘヴン湾の円形劇場へと向かった。皇帝はガブリエルはどうせ降参するだろうと踏んでいた。

ACT-2 第二幕

#1”2285 Entr’acte” – 幕間のお楽しみ
これまでに用いられた音楽的主題を総括したインストゥルメンタル。これは聴き手が再び音楽に戻り、第2幕への雰囲気を作るためのものである。

#2”Moment Of Betrayal” – 裏切りの瞬間
ガブリエルはすぐさまアリーにこのネファリウスとの会合について伝え、王女と前もって練習することも伝えた。彼はこれが待ち望んできたチャンスだと確信していた。平和への足掛かりとして、そして未来永劫このような惨事を起こさないため、そしてレイヴンズキルを破壊から守るために自分の才能を使うことができるチャンスだと。ガブリエルはもちろん自分の兄とダリウス王子の間で交わされた裏切りの約束のことなんて知る由もなく、アリーの彼らしくない落ち着きのなさを怪しんだ。彼は兄の心配事はこの自分のこと、そして村への攻撃のことではないかと思った。大して気にも留めず、彼は今夜に備えて発ち、アリーはすぐさまダリウスと接触し彼は今夜ヘヴン湾にいると伝えた。良心に苛まれ、そして王子の意図も完全には信頼していなかった彼は、彼はそこで決起についての秘密の会合をするのだとダリウスに伝え、ガブリエルがネファリウスと会うこと、そして王女と共にいることは伏せておいた。彼はそこにはアリー、ガブリエル、ダリウスの三人しかいないと強調し、自分はそこに立ち会い弟が捕えられるように手はずを整えると確約した。後で村の皆には彼を守ろうと戦ったが無理だったと伝える、と。かくしてこの王子は「救世主」をとらえ父親に見せ、ようやく初めて英雄として認められることができるのだ。

#3”Heaven’s Cove” - ヘヴン湾
決定的瞬間が近づいた三日目の夕方、ヘヴン湾の夜空は暗く静かで、月明かりに照らされた空の下、朽ち果てた建物が作り出す影が見えるだけだった。

#4”Begin Again” – もう一度、始めよう
フェイスは自分の人生が新たな曲がり角を曲がったことに気が付いていた。ガブリエルとの運命を通じて、彼女は新たな人生を歩み始めるきっかけを得たのだ。彼女は人生にはもっと高い目的があると確信していた。彼女は誰もが輝くチャンスを持った平和な世界、誰もが自分の求めるものを追い求め、自分の創造性を表現できる世界を夢見ていた。彼女は皇族の一員であることを使ってこの夢を実現すること、正義と平等への旅の道中で人々の声となることを選んだのだ。

#5”The Path That Divides” – 分かれ道
荒れ果てた円形劇場で、アリーはダリウス王子とガブリエルと待っていた。弟を捕えさせるという究極の裏切りの瞬間のため。しかし彼は全く気が付いていなかった。Xが彼をこっそりつけていて、王子を待つ父親を木の後ろから見ていることに。しかし奇蹟的なことに、アリーは勇敢にも今夜の裏切りを取りやめることにしたのだ。このよくできた計画の仕上げをするためにダリウス王子が現れたとき、アリーはその王子の眼の中に父親ネファリウスと似た悪意のようなものを感じた。その時だ。彼は勇気と高潔の魂を引き上げ、ガブリエルが広場で歌っていた歌の歌詞を思い出したのだ。
分かれ道に差し掛かった時
僕は君のそばにいるから
僕の声が君の力になる
そうすればわかるさ
どっちの道が正しいのか

彼はダリウスに宣言した。ガブリエルは自分の肉親であり、自分の弟や仲間を裏切るくらいなら死んでやると。王子は答えた。「では今夜死ぬのはお前だ!」戦いが始まった。ザンダーが戦いが続く中ずっと絡まった人影をずっと見守っていたが、ついにダリウスはアリーの最後に一息を奪い、そして彼は絶命した。

#6”Machine Chatter” – 機械のおしゃべり
NOMACによるインストゥルメンタル

#7”The Walking Shadow” – 歩み寄る人影
Xが暗がりから駆け出し、泣きながら父親の亡骸にしがみついた。ダリウスは予期せぬ子供の登場に驚いた。すぐさま彼はその幼い男の子の命も終わらせてしまうところだったが、劇場の廊下からこちらに近づいてくる暗い人影に注意を削がれた。「間違いない!あれは兄と会いに来たガブリエルに違いない。」彼はひとりごちた。救世主を捕えただけじゃなくて、反乱軍の司令官の首を持ち帰ることができるなんて!彼は思った。そのマントで覆われた人影が急速に近づくにつれて、ダリウス王子は陰に隠れて攻撃の準備に移った。そして影が一番近づいた瞬間、彼は暗闇から飛び出し、ガブリエルを打ちのめす必殺の一撃をくらわした。しかし、まるでスローモーションのように彼の武器がまさに触れようとする瞬間、彼はその人影と向き合いその目を見た。それはガブリエルではなかった。それはほかでもない彼の妹、フェイス王女だった。彼女は円形劇場へガブリエルに会いに行く途中だったのだ!彼女はいつものようにフードの下にイヤフォン隠し音楽を聴いていたため、その危険に気づくことができなかったのだ。

#8”My Last Farewell” – 最後のお別れ
残念なことに、もう手遅れだった。彼の武器はその標的を見事に射止め、その体を貫いた。彼女は地面に倒れ、ダリウスは自分のしたことの恐ろしさに気が付き立ち尽くした。そしてそこに―ああ数秒遅かった―ガブリエルが現れた。そして地面に倒れ、最後の一息を何とかつかもうとあえいでいるフェイスを見て凍り付いた。信じるまいと走りよると、するとほぼ同時に彼は兄であるアリーが力なく倒れているのを見つけた。Xが父親の亡骸の上で泣いている。その状況に圧倒され、彼の魂は悲しみと痛みに耐えられずつぶれてしまった。Xの耳をふさぐと、彼は到底人間の耳には耐えられないような声で、暗闇の深淵から、血が滲むような叫び声をあげた。フェイスはイヤフォンをしていたため免れたが、ダリウスはそうはいかなかった。その叫び声は彼の鼓膜を破り、一生癒えることのない傷を与えた。彼は聴力を失った。彼は自分のした取り返しのつかない行動により、これからの人生を音のない牢獄の中で生きていくことになったのだ。

#9”Losing Faythe” – フェイスを失う
このとき、少し離れた場所にいたネファリウスとその妻は、ガブリエルの叫びを聞きこんな音を立てるのは誰か、或いはどんな動物か不思議に思った。そして二人は警護と共に円形劇場に入った。彼らはその身の毛もよだつような光景を目の当たりにし、自分たちの目を疑った。彼らの一人娘でありネファリウス卿の大切な宝物、ほかならぬG.N.E.A.の王女がガブリエルの腕の中で動くことなく横たわっていた。彼らの息子である王子はいまだに耳を抑えたまま血にまみれていた。彼らは二人とも娘のもとへ駆け寄り、神よどうか娘を奪わないでくれ給えとむせび泣いた。ちょうどそのころ、普段なら静かなヘヴン湾から聞こえた騒音を聞きつけ、周囲の住民たちがガブリエルとフェイスの周りを取り囲むように集まっていた。そこに集まった人たちがその日月明かりの下で起こった出来事によって当惑し慟哭するまで、それほど長い時間はかからなかった。ネファリウス卿は娘の体をガブリエルから預かり、髪をなでながら自分の後悔を告白し始めた。涙を流し弱々しい声ながらも、彼は自分の傲慢なプライドとばかげたエゴを認め、謝った。そしてこれはすべて自分が悪い、ガブリエルと彼が持つ力に嫉妬さえしなければこんなことにはならなかったと認めた。彼女は彼に微笑んだ。目には許しが表れていた。しかしこのときには彼女の命の灯はかなり弱まっていて、もう少しで永久に消えてしまおうとしていた。そこでネファリウスはあることを思いついた。まるで神の啓示のようだった。もし言われている通りにガブリエルが救世主なのであれば、その魔法の治癒力を王女の命を救うために使えるではないか!

#10”Whispers On The Wind” – 風に囁いて
彼はガブリエルに歌うように懇願し頭を下げた。天国の門が開き、神の御慈悲が彼女を照らし、死が彼女を手放すまで歌ってくれないか。しかしガブリエルは歌えなかった。死んだ兄と倒れた王女を見た時に発した叫び声が、ダリウス王子を聾にしこの地域の住民みんなに悪夢を見せたあの叫び声が、彼の声を使い物にならなくしてしまったのだ。彼は歌いたかった。歌おうとした。だが出てきたのは耳障りな囁くようなかすれ声だった。

#11”Hymn Of A Thousand Voices” - 千の声が歌う
その瞬間、すべてが絶望的で無意味に思えた。しかしガブリエルは予期していた。自分たちが呼ばれたとき、人々は自分たちが何をすべきかを知ると。そう、その呼びかけに答え劇場に集まった人々から、歌声が上がり始めたのだ。彼らはガブリエルのメッセージに耳を傾け、心に留めていた。そしてこの残酷で絶望的な状況にあって、彼に希望を与えたのは彼らだった。彼らこそが、夜の暗闇の中、彼を導く一筋のかがり火だった。彼らの歌声が大きくなるにつれ、彼らは彼ら自身が革命であることに気が付いた。彼らはガブリエルが自分の声を取り戻すために必要な強さと信念を与えたのだ。そして彼は戻った。太陽の光のように彼の声は音を発し、それは千の天使が歌う讃美歌のようだった。ネファリウスはは正しかった。美しい王女はその目を開け、永久の眠りの鎖から解き放たれた。このとき、ガブリエルはついに自分に与えらえた才能の意味を知った。なぜ自分が「選ばれし者」なのか、驚天動地のガブリエルなのかを。

#12”Our New World” – 世界は生まれ変わる
誰もが喜び、頬をほころばせた。しかし、この入り組んだパズルのような状況にあって、解決することのなかった悲しい一つのピースがあった。ガブリエルは兄を、ザンダーは父を失ったのだ。Xは今や彼を守り育てる、愛する父親を失い、世界に独りぼっちだった。しかしこのお話はこれまでずっと、人の運命を全うすることについてではなかったか。新しい家族として、今度はガブリエルとフェイスがXを育てるのだ。誰も彼を独りぼっちになんかしない。アリーの死は無駄ではない。エヴァンジェリンと交わした息子を自由にし、目的のある人生を歩ませるという約束は、こうして果たされたのだから。

#13”Power Down” – 電源遮断
喜ばしいことに、ネファリウス卿はガブリエルとレイヴンズキル村に対しての聖戦を取りやめ、側近に永遠にNOMACを葬るよう命令した。

#14”Astonishing” – 驚天動地
皇帝は人民の声に耳を傾け、国の公正で公平な指導者として国を統治すると誓った。知性あるアラベラ皇后と共に、彼らは人々を縛り付けていた制限を取っ払い、G.N.E.A.の人々が自分自身や家族のためにより良い人生を追い求めることができるようにした。ダリウスが向かい合わなければいけない困難に気づいていたガブリエルと王女は、彼を完全に許し、新しい家族として迎えいれることにした。彼はネファリウス卿にも罪を許されるとともに、これから直面するだろう障害による苦境に際し援助を惜しまないとさえ言い伝えられた。ダリウス王子が長年切望してきた父親からの愛と気遣い、それを彼はやっと手に入れた。
やっと帝国に平和が戻り、人々は新しい人生に忠誠を誓った。芸術や個人的創作が祝福され、人間の作る音楽の驚くような力が何よりも大切にされ、すべての人によって楽しまれ、そしてこれからも楽しまれていくであろう、そんな人生に。
スポンサーサイト
Theme: HR/HM - Genre: 音楽

Comment

The Astonishing

はじめまして。twitter検索経由で拝見し feedly に登録させて戴きました。DT のみならず tricot, Halestorm, Linkin Park 等が好きなところも共通してます。

さて本題の The Astonishing ですが、私はThe Answer まで和訳したところで疲れて休んでいるうちにこちらを発見しました。このアルバムは公式サイトのストーリー解説もアルバムの一部なのではないかというのが私の感想です。だって、ミュージックプレイヤーの「バグ」は父娘と音楽をつなぐ重要なキーワードであるにもかかわらず歌詞カードを見てもさっぱり分かりませんからね。ストーリー解説の英文を読んで初めて A New Beginning のバグの一節の意味が分かりました。ストーリーが分かるとアルバムの聴き方が随分変わります。20周程聞きましたが、何せ2時間超の大作ですから全体像をつかむにはもう少し聴き込みが要りそうです。

いがさんはカナダにお住まいなんですね。私は以前ワシントンDC郊外に住んでましたが、ライブのチケット代はとても安くて助かりました。経費を考えれば仕方ないのかも知れませんが、日本は高いですね。ただ、アメリカでのクラブツアー規模の場合、メインアクトの登場が23時ぐらいだったりしてぐったりした記憶があります。

2016/02/17 (Wed) 19:42 | Jun #- | URL | Edit
Re: The Astonishing

> はじめまして。twitter検索経由で拝見し feedly に登録させて戴きました。DT のみならず tricot, Halestorm, Linkin Park 等が好きなところも共通してます。

ありがとうございます!何せ留学中は時間がたっぷりあるので更新が絶えないと思うので(笑)、気になった記事があったらまたお越しください!

> このアルバムは公式サイトのストーリー解説もアルバムの一部なのではないかというのが私の感想です。

そうですよね。読んでるか読んでないかでかなり評価も変わってくるんじゃないかと思います。何とかあきらめずに最後まで訳せてよかったです。笑

> いがさんはカナダにお住まいなんですね。私は以前ワシントンDC郊外に住んでましたが、ライブのチケット代はとても安くて助かりました。

5月末まではカナダ住まいです。そのあとは日本に戻ります。
この後もUli John Roth、Disturbed、Iron Maidenのチケットを買ってあるので楽しみです。後者二つはそれなりの値段しましたが。

2016/02/18 (Thu) 06:16 | いが #- | URL | Edit

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する