凛として時雨 / i'mperfect

imperfect.jpg
5th、2013年、日本
ポスト・ハードコア / ポスト・ロック / インディー・ロック

メロディアスさに輪をかけた一枚


凛として時雨の現時点(2016年2月)での最新フルアルバム。
この記事の更新によってこのバンドのカタログはとりあえず完全制覇ではないでしょうか。
まさかこのバンドが最初になるとは。

前作「still a Sigure virgin?」(2010)は"シャンディ"や"this is is this?"、"eF"など実験的な曲が多く収録されていて、まだまだ進化し続けるバンドのイメージを色濃く反映した作品でした。
もともと3ピースの枠には収まりきらないようなサウンドを聴かせてくれてはいましたが、ある種それを極めた1枚だったように思います。

それに対してこの通算5枚目のアルバムでは、「原点回帰」ともいうべき純粋なバンドサウンドへの立ち返りが印象的でした。
前作まではところどころ聴かれたピアノなどの他の楽器の音がこの作品では皆無です。
2枚のアルバムの間、メンバーがそれぞれ個々の活動をしていた期間があったのですが、やっぱりTK(Vo, Gt.)がソロアルバムを出したというのがでかいのではないでしょうか。
そこでいったん音への探求心のようなものを発散しきって、このバンドでは3人で出す音にこだわってみよう、みたいなことだったのかもしれません。意識したのか無意識なのかはわかりませんが。

その純粋なバンドサウンドに乗っかるのが、前作で磨き上げられたメロディラインなのだからたまりません。
#2"Abnormalize"はアニメ「PSYCHO-PASS」のタイアップも決まり初のMステ登場も果たしたシングルですが、この曲を聴けばこの研ぎ澄まされた攻撃性と美しいメロディの融合を感じていただけると思います。


#1"Beautiful Circus"もこれまたメロディがいい。そしてすごく初期サウンドのにおいがプンプンします。


この後も跳ねるようなグルーヴにいきなり変わる部分がサイコーな#3"Metamorphose"や、名曲"傍観"をほうふつさせるスローチューン#9"Missing Ling"などとにかくキラーチューン並みのメロディ・フレーズを持った曲がずらりと並びます。

そのなかでも、Arch Enemyの「War Eternal」(2014)やOpethSoilworkなど多くのメタルバンドを手掛ける有名プロデューサーイェンス・ボグレンがミックスを手掛けた#6"make up syndrome"は他の曲(TKが録音からミックスまで手掛けている)と比べるとこれまた違った音色で(特にドラム。スネアの音が乾いた音色で好み)、曲の良さも相まってハイライトになっています。

1曲1曲のポテンシャルがとにかくすごい1枚でした。

デビュー当時から圧倒的な個性が持ち味だったこのバンドですが、それでもそこにずっといることを拒み、常に進化し続けるこのバンド。
その進化の果て、一つの完成系といってもいいくらいの出来だと思います。

★★★★★
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する