The 1975 / The 1975

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1st、2013年、イギリス
オルタナティヴ・ロック / ポップ・ロック / ポップ

時代の寵愛を受けた果敢な音の冒険者


今なが~いタイトルの新作が話題のこの人たちの、デビューアルバムです。

なんだかこのバンドが出てきたときは「すごい人たちが出てきた」という印象がありました。
ミーハーな洋楽キッズはもちろん、ディープな音楽ファンさえもうむむとうならせるような新人バンドが現れた、といった印象でした。
モノクロに統一された「オシャレな」バンド写真やMV、雑多な音楽ジャンルを取り込んだ「ハイセンスな」楽曲、そして「セクシー」なメンバーたち。それが一体となって「新世代の台頭」を予感させる素晴らしいアルバムになっています。

思わず「」を付けたくなるような、ちょっとうがった見方をしたくなるような「順風満帆感」「無敵感」がこのバンドにはありました。
でもその先入観も、単にこのバンドの発見が遅れてムーブメントに乗り損ねた僕の、単なる嫉妬に過ぎなかったのですが。

聴いてみたらフッツーにいいわけです。これは「ヤバい」。
なので、上記の文から「」を外して、フツーに褒めなおしますね。
モノクロに統一されたオシャレなバンド写真やMV、雑多な音楽ジャンルを取り込んだハイセンスな楽曲、そしてセクシーなメンバーたち。それが一体となって新世代の台頭を予感させる素晴らしいアルバムになっています。

とにかくジャンルレス。ポップ、R&B、ファンク、エモ、インディー・ロック・・・いちいち「この曲ここはどれであそこはあれで」みたいな分析は野暮なのでしません。もとい、詳しくない無知なのでできません。
とにかくセンスがいいですね。

何でもかんでも盛り込んでそれでいて聴きやすい、極上のポップに仕立て上げるという、当然「強引な」プロセスを、あたかも「まあ、自然にこうなったっていうか。自分が好きな音楽を作ろうと思ったらこうなったんだ」みたいな雰囲気で楽々とやってのけたように聴こえるというのがスゴイところ。
それでいて顔もいいんだから悔しいなチキショー。

結構ラウドなドラム(#2"The City"のイントロなんかポスト・ハードコアが始まるのかって感じ)、シンプルなベース、ポップさを演出するギター、そしてそのほか多くのサウンド(シンセなりサックスなり)があって、その上にマシュー・ヒーリーの唯一無二の歌いまわし+甘い歌声が乗っかるこの音世界。
まるで潔癖症の30代独身OLが買ったものの相手がいなくて一度も使ったことがない、でも彼女はそれを毎日きれいに洗っている、そんなペアのワイングラスのような透明感のサウンドプロダクションが見事。
思わず聴いている我々も部屋をキレイにしたくなるような、そんな清潔感が彼らのサウンドにはあります。

オススメ曲をいくつか。

#4"Chocolate"

まずはこれでしょう。彼らの出世を決定づけたシングルです。
もうね、これを聴いている間だけは自分もこんなオシャレボーイの仲間入りを果たせるような気がする、とにかく「ハイカラ」な一曲です。

#5"Sex"

スロウな曲がほとんどのこのアルバムにおいて異色なちょっとアップテンポなナンバー。このテンポが一番エモいんだよ。
ちょっとシューゲイザーっぽいエッジの聴いたギターサウンドが何とも言えず琴線に触れます。
夜の高速を飛ばすにはもってこいの曲だし、何ならアルバムごとそうです。

#10"Robbers"

まるでU2の"With Or Without You"みたいな普遍性を持ったウルトラバラード。
サビで泣いているギターがいい。僕も泣いたし。エモさはこのアルバムNo.1かもしれません。
マシューの声の良さが抜群に映えてる一曲。

#11"Girls"

そしてこのポップさ100点満点のこの曲。
ミーハーな人たちですら「カワイイ~!」と叫ばないわけがないカワイイギターのカッティングリフ。
こんなドラムがたたけたらめちゃくちゃオッシャレー。ハイハットの使い方がうまいよう。

とにかく褒めたくなってしまうような音楽たちがずらっと並んだ傑作アルバムです。
まずはこれを聴いてから新作を聴きましょう。

★★★★★
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