イケダハヤト 『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』

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幻冬舎、234ページ
Amazon

ムカつくんだけど、言ってることはあってるからなぁ


大人気ブロガー(敵も多いみたいですが)の今話題の新書。
ちなみに僕はブログ本体の方は一切読んだことがありませんでした。
だからこの著者に対してなんの先入観も持たずに読むことができました。

<こんな本だよ!>(amazonの内容紹介より)
東京はもう終わっている。人が多すぎる東京では仕事で頭角を現すのは難しく、少ない給料のほとんどは住居費などの「東京に住むための経費」に吸い取られる。おまけに子育て環境は酷く、食は貧しい。そんな東京に嫌気が差し、縁もゆかりもない高知県の限界集落に移住した著者は、家賃が8万円から3万円に下がり、収入は約3倍になり、自然豊かな環境で幸せに暮らしている。地方消滅という言葉があるが、人が少なく、ないものだらけだからこそ、地方には確実に儲かるのに未だ手付かずの仕事が無数にあるのだ。「東京」と「地方」の常識が変わる一冊。


いや~、面白かった。
いろいろ言いたいところもある本でしたが、総じていえば「めちゃくちゃ面白かった」です!
正直、この本を読んだ今まだ就活まで丸一年あることが幸運だとも思いました。
自分の就活を始めたタイミングでこの本を読んでいたらもうそれはそれは悩んだと思う。
まだ自分の将来のことを考える時間が残されているこの段階で読めたことは純粋に喜ぶべきことだと思います。

これまでは東京で働くことだけを考えていたけれど、もしそれがだめだった場合に、それ以外の選択肢が日本にはたくさんあるんだな!という当たり前だけれども忘れがちな(なにせ我々は「消耗」しているのだから)事実に気が付けたというか。
非常に読んでいて楽観的な気分になれる本でした。

と同時に、「これって東京で生まれ育った人からすると全く信じられないんだろうなぁ」とも思いました。
僕のように地方で生まれ育って上京した人はまだ地方のイメージというものが(割と根強く)あるから、この本を読むことによってある意味「思い出す」ように地方に移住することの可能性やメリットを理解することができるとは思うんです。
でも、この東京で生まれて、筆者が言うところの「消耗」を生まれた瞬間から続けてきた人たちにとっては、この本は単なる「夢物語」、良くても「たまたま成功した奴の自慢話」としてしか読めないのではないでしょうか。
正直、そういう人たちにはいくらデータや実体験を語ったところで「いやいや、ないないwww」って言われておしまいでしょう。そういう人ほど「消耗」してそうですが。まあ「酸っぱいブドウ」の理論ですよね。

でも絶対子育ては田舎がいいなあ。東京は大学からでいい。

まあところどころ「警告」みたいな感じで田舎に移住する際の注意点・デメリットも書かれてはいますが、基本的には移住をとことん推奨していく内容です。
やれ「田舎に来てから年収が増えた」だの「風邪をひかなくなった」だの「家族の仲が良くなった」だの、ありとあらゆる観点から地方に住む利点をこれでもかこれでもかと紹介しています。
そして各章の最後は「それでもまだ東京で○○するの?」というあおり文章とともに締められます。
まあこのいかにも「ブロガーっぽい」語り口、「炎上」を狙っているような煽り方には閉口させられることもしばしばなのですが、基本的には書かれている内容は頷けるものばっかり。

それと同時に、やっぱりこの人個人の才能というものにも驚かされました。
単なるビッグマウス、という可能性もありますが、この本の中で述べられている地方ビジネスの可能性のなかで、筆者はかなり具体的なビジネス案をポンポン出していて、それはそれはあたかも田舎にはビジネスチャンスがたくさんあるように見えるのですが、やっぱりこの人自身が他人より少し優秀というのは否めません。
だから東京でダメダメな人でも田舎に行ったら絶対もうかる、というわけではないと思います。
彼自身はそういう風な書き方をしているきらいがありますが。そこは注意する必要があります。

一番納得したのが以下の部分。引用します。

"…この話のポイントは、「ぼく自身の努力はまったく変わっていない」ということです。東京でやっていたのと同じように、お店に行って、写真を撮って、記事を書くだけ。
 でも、高知でそれをやる人が少ないので、同じ行為だけど価値が違うんですね。成果というのは、必ずしも能力に比例するわけではないのです。環境を変えれば、同じ能力だとしても、圧倒的に成果が出やすくなるのです。"


この部分はこの間読んだ『イシューから始めよ―知的生産の「シンプルな本質」』で言われていた「イシュー度が高い仕事をする」ということと驚くほど似通っていて、読書同士がつながった気がしてすごくうれしかったです。

これを読み終わって、自分なりにも地方で自分が何をできるかについて考えてみたけれど、あんまりいいものは思いつきませんでした。
でも、これも一つ選択肢として手元に置いときながら、これからも自分の将来について考えていきたいと思いました。

文句なしにオススメです!

★★★★★
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