椎名林檎 / 勝訴ストリップ

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2nd、2000年、日本
ポップ・ロック / ポップ / オルタナティヴ・ロック
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正座してじっと聴き込みましょう


この椎名林檎および東京事変というアーティストは、高校生の時にコピーをしていたこともあってなんとなく「一通り聴いた」という感触があったんですよ。
だからこのアルバムをレビューすることになった時も「まあ2周くらい聴けば思い出すっしょ」と思って移動中に流し聴きしてたんです。
全然つかめないのなんのって。
一時は「あれ、このアルバムってもしかしてダメなやつ?」とまで思ってしまいました。
いやいやそんなわけない、と思って家でじっくり聞いてみました。正座して、歌詞を見ながらアルバム丸々一枚。
圧倒されてしまいました。
後半には「もう勘弁してください!この辺でやめにします!」とまで思ってしまうほどの密度。
「ながら」で聴いても全然、1/3も伝わりませんよ。1/10くらいが関の山。

この全体的にノイジーでとっつきにくいサウンドプロダクションが最初は苦手だったのですが、不思議とじっくり聴き込めま聴き込むほどそれは全然気にならなくなっていきます。どういうことなのか僕にもよくわかりませんが。
お城でいう堀のようなものでしょうか。それを潜り抜けた人だけが、城の中に侵入することができる。
潜り抜けることができるのは、じっくりとその堀に向き合い、緻密な戦略を立て、しっかりとそれを遂行した人のみ。
で、入ってみたらその城は敵でもなんでもなく、城は城でも竜宮城だった、みたいな話です。
自分でも何を言っているのかはよくわかっていません。

まあともかく、このアルバムはじっくり正座して歌詞を味わいながら聴けっていう話。
そしたらこのアルバムが素晴らしい名盤だということは一耳瞭然です。

細部まで手の入れられたもはや病的なまでのサウンドへのこだわりは、曲名を左右対称にしちゃうくらいの徹底ぶり。
稀代のメンヘラ女」の作り出す世界観はリリースから15年以上たつ今でも十分若者に通用すると思うし、これほど「ニッチで普遍的」なアイコンっていまだ出てきてないんじゃないかな。
そういう雰囲気の人が出てきても「椎名林檎の二番煎じ」と言われてしまう風潮がまだあるという。
まだ「ポスト椎名林檎」の時代から抜け出せていない感じですね。それがいいのか悪いのかはわかりませんが。

独特のハスキーボイス、巻き舌など、「椎名林檎スタイル」を思いっきり前面に出した#7"罪と罰"はやっぱり名曲ですね。
"歌舞伎町の女王"に通じる何とも懐かしいような「昭和チック」なメロディラインがサイコー。

そのほかにもあの大ヒットした有名曲#12"本能"、豪快でシンプルなロックチューン#6"アイデンティティ"、彼女にしては純粋なラブバラード#4"ギブス"、打ち込み主体のサウンドが驚異的なくらいの世界観構築力を持っている#2"浴室"など、とにかく聴けば聴くほど「名曲」は増えていきます。

ちょっとググってみたら全曲レビューをしている人がたくさんいましたが、それをやりたくなるくらい個々の曲の力がすごいアルバムです。
だからこそ後半はちょっとおなか一杯になってしまうのですが。笑

亀田誠治(Ba.)をはじめとするミュージシャン陣の演奏も素晴らしいです。
ちょっともっこりしたサウンドプロダクションで少々聴き取りづらいですが。

なんだか考えがまとまらないうちに書き始めてしまったので言いたいことの1/3も伝わっていないのですが、とにかく名盤であることは確かです。
個人的には1stよりも好きかも。

今日もまた一人、日本のどこかに、彼女の世界観に強く共感する少女が出現したことでしょう。

★★★★★
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