KANA-BOON / Origin

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3rd、2016年、日本
インディー・ロック
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みんな大好きKANA-BOON!!


このバンドが売れ始めてもう何年になるだろうか、と思って代表曲"ないものねだり"のMVの統計情報を見てみた。
KANA-BOON ないものねだり - YouTube
う~ん、2015年の3月頃?から再生回数がぐんと伸びているのがわかる。それくらいか。なるほど。
・・・は~???去年の3月だぁ?まだ1年とちょっとしかたってねぇじゃないか。
なんだか身の回りに身近にありすぎて、なんだかずっとそこにあったような感覚がありますが。そんな最近だったとは。

なんだか自分が見つけた時にはもうすでに売れっ子バンド、今を時めくKANA-BOONサマだったこのバンド。
そうなるとねぇ。なんだか聴くのもしゃくじゃないですか。
根っからの「流行りもの嫌い」の性が出てしまいまして、今の今まで聴かずに来てしまいました。

でも決して「聴かず『嫌い』」ではなくて。
[Alexandros]が「聴いて嫌い」で、KEYTALKキュウソネコカミが完全なる「聴かず嫌い」であるとすれば、このバンドはなぜか「聴かず好き」でした。
それはそのイケていない風貌のせいなのか、飾らないキャラクターのせいなのか、たぶんこの二つもあるんですが、このバンドを取り巻く「空気」がすごいよかったというか。

以下偏見です。
[Alexandros]もKEYTALKもキュウソネコカミもクリープハイプも(このバンドのチョイスに他意はあります)、完全に「ファン」と「アンチ」に分かれているし、Twitterで調べればすぐに悪口が出てくる。完全に「悪意」からネタにされているケースが多いと思うんです。
でもこのバンドの場合、「なんだかんだ言ってKANA-BOONはいい」みたいな風潮がある気がするんです。一周回っても二周回っても、何周回っても結局「いい」という結論に達するというか。
「悔しいけどこのバンドはいい」ってみんなが言っている気がします。からかわれるのも容姿だし、それもなんだか和やかな雰囲気のなかでいじられているような気がします。
偏見終わり。

実際僕も「どうせ"ないものねだり"だけの一発屋でしょ」とタカをくくっていました。
でも周りでの評判はすこぶるいいし、なんだかひたすら売れ続けているイメージ。それでいてこの「空気」。
なんだか聴いたら負けな気がして、聴いたら好きになっちゃう気がして今の今まで「聴かず好き」でいました。

そしてこのタイミングでリリースされたニューアルバム。
「もう潮時か・・・」みたいな感じで聴いてみました。好きになるのを覚悟で。

めちゃくちゃいいじゃんか。
もうね、フツーにいい。
昔の自分に言いたい、「つべこべ言わずにとっとと聴け」と。
今なおこのバンドを聴く気になれない、ちょっと前の僕みたいな人もたくさんいると思うけれど、そういう人にも声を大にして、口を酸っぱくして言いたい。
「さっさと聴け」と。

気になってWikiで来歴を見てみると、彼らの人となりが出てきました。まとめるとこんな感じ。
「えーと、なんか高校時代にマキシマム ザ ホルモンを聴いて音楽に目覚めて、軽音でASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバーをしてたら、気づいたらその仲間でデビューしてて、曲作ってCD出したら売れました。」
おいバケモノかよおい。
それって多くの高校生が通った道であり、多くの高校生が夢見た未来じゃねぇか。サラッと叶えてんじゃねえよ!バケモノかよ!

もちろん全然努力せずに才能だけでのし上がったわけじゃないと思うんですが、彼らにはそういう「影の努力」を感じさせない、どこかひょうひょうとした雰囲気がつきまとう。
だからこのアルバムも「あの、曲が結構できたんで、CD出したいっす」みたいなノリで作ったみたいに聞こえる。なんだこの末恐ろしさ。

その空気感は彼らの作る音楽のシンプルさからくるものなのでしょう。
電子音は一切使わず、ライブでこのまま再現することに何の苦労もないだろうバンドサウンド。[Alexandros]よ、見習え。
アジカンのプレイに影響を受けているだけあって、そこかしこにその影響が見て取れます。
でも決して二番煎じに陥らない程度のオリジナリティを持っているので、聴けば一発で「KANA-BOONだ」とわかります。
楽器陣のツボツボを一つも逃さず突いてくるアレンジはあっぱれだし、谷口鮪(Vo, Gt.)の歌声の力もすごい。
メロディセンスは世間が認める通り。あえてど真ん中のクサいメロディにも躊躇がない当たりは意外と9mm Parabellum Bulletっぽいなあと思ったりもして。
別にバラードだとかめっちゃヘヴィな曲みたいな変わり種がないのにもかかわらず「似た曲ばっかり」みたいにならずに最後まで聴けてしまうこの現象は何度聴いても結局わからなさそう。魔力か何かか。
この辺が天然なのか、計算なのか。

そして彼らの魅力として挙げられるのが押韻を効果的に使った「聴いてて気持ちいい」日本語にこだわった歌詞。[Alexandros]よ、見習え。川上、見ているか。
決して難しい言葉に逃げたり、英語に逃げたりせず、真っ向から日本語で歌いあげられる歌詞。
ラップみたいに固い韻ではなくて、最後の一文字の音が揃っていたりするだけなんだけど、それが彼の歌い回し・メロディーと見事に溶け合っていてとにかく聴き心地がいい。
でも決してRADWIMPS型の早口なんちゃってラップみたいになっているわけでもなくて(#7"talking"にちょっとだけ出てくる)、とにかく「メロディ」にこだわっています。
この辺が天然なのか、計算なのか。

実はこの記事、アルバムをたった2回聴いただけで書いています。
1回聴いただけでわかってしまうようなとにかくシンプルな仕組みの音楽。だからこそ体も心も動きます。
こんなシンプルな音楽なんだからどんどんフォロワーも出てきそうだけれど、彼らに勝てるとは到底思えない。

だって彼らこそが「Origin」だから。

いや~、着地がビシッと決まりましたね。笑
フツーに名盤で力作です。オススメ!

★★★★★
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