SCANDAL / YELLOW

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7th、2016年、日本
ポップ・ロック
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こんなはずじゃなかったよ・・・


正直に言うと、僕は「いっちょDisってやろう」と思って作品を手に取ることもたまにはあります。
最近でいうと映画「タイタニック」がそうです。
でもそれは極力やらないようにしていて、どれだけ「ああん?」と思うようなバンドの作品でも映画でも、最初は極めてフラットな姿勢を心がけています。[Alexandros]ALXD」(2015)もかなりDisることになってしましたが、最初のきっかけは後輩が軽音サークルの合宿でやっていたからで。そんなつもりは毛頭なかったのに結果的に大嫌いになってしまって。残念。

その意味でいうと、このSCANDALの新作は、「好きになろう」と思って聴いてみたんです。
Disろうとかいう気持ちも一切なく、むしろ「これは好きだろうな」と思って。
だって僕、かわいい女の子好きですし。
去年のROCK IN JAPANで見た時も「かわいいし、うまいなー!」というポジティヴな感情しか起きず。
聴く前に若干チェックしたネット上のレビューも好意的なもので、「これは気に入っちゃうぞ~!!」と思って再生ボタンをポチ~!と押したわけですが。

が。

期待しちゃった分なのかな。なんなのかな。
聴いた後には「う~ん。」とうつむき、黙りこくること5分。
出した結論は「だめでした・・・

そもそもこのバンドを聴くのは初めてだったのですが、なんでもこのアルバム制作の前はワールドツアーを敢行していたとか。
世界8か国10公演。この模様は映画「SCANDAL Documentary film『HELLO WORLD』」として公開されています。
(ここから大声)まあ、それで受けた「影響」?とやらが?この作品に?注入?されているわけなんですねえ。(大声終わり)
一言でいえば、「かぶれてる」ってことなんですけど。アメリカに。

別にかぶれてることは悪いことじゃないんです。
なんでもまずはかぶれること、真似することから始まるとおもいますし、「青は藍より出でて藍より青し」という言葉の通りその結果オリジナルに勝るものを作ることも不可能ではありません。
でも、「かぶれ」で最悪なのが、オリジナルを超えるようなクオリティにも達していなければ、超えたいという心意気やガッツすら感じられないもの。これはよくない。
そして残念ながらこのアルバムからはそういうものは感じられませんでした。

#2"Stamp!"、これを聴いて、MV見てくれればお分かりだと思います。

いい~かぶれっぷりですねぇ~。調子いいですね~。
Avril Lavigneですか。ゴキゲンな王道アメリカン・ロックですか。よござんすね。
ああ、ところどころに入っている英語詞もいい感じにバカっぽくていいですね~。それをありがたいことにわざわざ文字にして出しちゃうMVの演出含め。
グアムで撮影したんだって。日本人が思い描く「アメリカ」が凝縮された4分半。いまだにこんなの作っちゃうんだよな日本人は。古くね?
これで曲がよければ全部帳消しなのに、曲もなんだかどこかで聴いたことがあるな、の域を出ない。

HARUNA(Vo, Gt.)の英語の発音もなぁ。
別に発音が下手でもいいんですよ。それがオリジナリティにもなりえるし。
でもここまで「明らかにかぶれてます」みたいな曲をやるんだったらもうちょいうまくあって欲しかった。
この「サマになってなさ」がだいぶ大きなノイズになってしまって大分ダサい。
ボートラとして前作「HELLO WORLD」(2014)収録の"Your Song"の英語バージョンも収録されているんですが、・・・って感じです。
それ以前に曲が"American Idiot"に似すぎてて笑いましたけど。それだったらGreen Day聴くし。

#3"LOVE ME DO"も今はやりのポップみたいなサウンドを目指したんだろうけど、これまた絶妙なかぶれっぷりにより「何番煎じだよ」感がすごい。

MVは「はいはいかわいいね~」って感じ。かわいいよ、ほんとに。

#5"Sunday Drive"ではシャッフルビート、#7"ヘブンな気分"ではダークなグランジサウンド、#9"LOVE"ではレゲエとさまざまなタイプの曲に挑戦はしているものの、どれもやっぱりパッとせず。
だからこそ彼女たちも「王道SCANDAL」と語る#8"SUKI-SUKI"がすごく良く聴こえる。
そしてだからこそこのバラエティに富んだ曲群がただの「迷走」にしか見えなくなっちゃうんです。残念。

これよ。これだよ俺が知ってるSCANDALは。疾走感、サビの爆発力、どれをとっても申し分ない。

いわゆる「おもちゃ箱をひっくり返したような」アルバムですが、そのおもちゃが「ガンダムみたいだけど実はガンダムじゃないロボット」とか「絶対にフェラーリがモデルなんだけど、オトナの事情でビミョーに違うミニカー」とかで、なんだかげんなりって感じ。

そしてこのアルバムを「YELLOW」と名付けてしまうあたりね。
本人たちはインタビュー(コチラ)でこう語っています。

"HARUNA:今回は、ポップでハッピーで、かつ、とってもファンキーな曲が集まってるなと。単純にそのサウンド感に名前をつけようと思ったんです。で、みんな直感で『YELLOW』じゃない?って。
RINA:日本のガールズバンドが、日本から発信するアルバムとしてもバシッてくるかなとも思ったし。
HARUNA:言葉自体の意味とかよりも、全体の雰囲気としてね。
RINA:そういう軽やかさを、これからも大事にしたいなって思ってます。"


RINAの発言から、まあ「イエロー」という色がアメリカをはじめ海外でどんな意味を持っているのかを知らないわけではなさそうです。さすがに知らずにつけていたとしたらゲボ吐くわ。
でもそんな自嘲的なタイトルをつけて「洒落」になるようなクオリティには程遠いのでは?
星野源の「YELLOW DANCER」とかあれくらいでやっとなのに。
本人たちの意図がどうであれ、これでは「ただの猿真似です」と自分から言ってしまっているようなもので、どうしようもない勘違いジャパニーズ感が出てしまっている。
これで世界に羽ばたこうなんて正直、甘~い!

でもいろんなレビューを読んでいるうちに前作「HELLO WORLD」の方がいいとか過去作は褒めている人が多かったのでここからさかのぼって好きになっていけたらなと思います。

残念な1枚でした!

★★☆☆☆
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