The Treatment / Generation Me

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3rd、2016年、イギリス
ハード・ロック / ロックンロール
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ボーカル交代もなんのその!


イギリス産、硬派で良質なロックンロールを聴かせてくれる5人組のニューアルバム。
どうやら2ndアルバムである「Running With The Dogs」(2014)の発表後にボーカルが脱退していた模様。
その後任としてバンドが選んだのがMitchel Emmsという男。22歳という若さ。一つ上。ひょえー。
イギリスのBBCで放送されているタレントショー、The Voice UKという番組に出場していたようですが、どうやらその前から国内外で精力的に活動はしていたようです。
今回そのTV出演もあってかようやくこういうチャンスをつかむことができました。

前任のボーカリストMatt Jonesはそののびやかで力強い歌声が魅力的で、このバンドの音楽性には欠かせない存在でした。
そんな彼の脱退をよく乗り越えたものです。解散してもおかしくなかった。
そんなバンドが「彼に決めた!」と太鼓判を押した後任なのですから、ダメダメということはないんだろうけど、ちょっと不安な気持ちで聴き始めました。
ボーカリストの交代でこのバンドの魅力がスポイルされてしまうのが怖かったのです。

でも、そんな不安は再生ボタンを押して、#1"Let It Begin"のイントロが終わりMitchelが歌いだした30秒後には消え去りました。雲散霧消。五里霧中。まじで。

彼は前任の脱退を補って余りある素晴らしい逸材でした。
のびやかな声質は前任者に似ていて、何も知らないで聴いたらボーカルが代わったことなど気がつかないのではないでしょうか。
繰り返すようですが彼らの音楽性にはこの声がぴったり合っているので、違うタイプのボーカリストが入れてヘンにサウンドがブレる、なんてことがなくてよかったです。
アルバム全体を通して彼は素晴らしい仕事をしていると思います。べらぼうにうまい。歌が。

そして、このボーカル交代がバンドにいい影響をもたらしたのか、楽曲のクオリティも今回かなりいい気がするんですよね。
個人的にはデビュー作「This Might Hurt」(2011)と前作「Running With The Dogs」を比べた時に、前者の方がよかった記憶があります。
「このままいったらずるずる消えてっちゃうのかな~」なんてこともチラっと思ったり。
このアルバムはそんな不安を払拭する力強い作品に仕上がっています。
このまま堅実にいい作品を出し続けていければ次のレベルにステップアップすることも可能でしょう。

この作品のキモは「リフのよさ」。
シンプルながら気持ちのいいリフを、どちらかというとパンク的な勢いのあるグルーヴに載せていくのが彼ら流のやり方。
それが象徴的にわかるのがタイトルトラックである#5"Generation Me"

ハイトーンがのびやかで気持ちいいサビメロも魅力的だけど、それらすべてを支えている楽器陣、特にギターの音の分厚さにやられてしまいました。
別に斬新なリフでもないんだけれど、ここまで気持ちよく聴かせる若手っていないと思います。アルバムの中でもかなりいいとこ言ってます、この曲。

特に後半に向けてリフでゴリゴリ押していく良曲が続きます。
それなりに勢いのある曲もはさんでくるからダレることなく最後まで聴くことができます。

そんなパンキッシュなロックンロールな一面があると思いきや、#5"Backseat Heartbeat"のような正統派メロハーのような曲もあったり。

この曲でもツインギターでハモるソロが聴かれますが、アルバム全体を通してソロもかっこいいなと何度か思いました。
ギターの片割れもボーカルと同じ時期に後退しているんですが、その影響かしら。とにかくかっこいい。

パッとしなかった2枚目の後に経験した危機がこのバンドを成長させたのかもしれません。
3枚目でこのレベルに達した彼らは、今後かなり信頼できるバンドになりました。
ライブも見てみたいので、今年のLOUD PARKとか呼んでほしいものですね。

力作!オススメ!

★★★★☆
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