Public Enemy / It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back

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2nd、1988年、アメリカ
ヒップ・ホップ
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ひ、ヒップ・ホップってすげぇ~~。


日本語ラップははまって2年、結構な量のアルバムを聴いてきた自負はあるのですが、それでもまだ昔の「クラシック」と呼ばれる名盤はまだまだって感じですね。
でも、それよりももっと勉強しないとなっていうのが本場アメリカのヒップ・ホップ。新譜もあまりチェックしてないし、クラシックも聴いたことないし。
ということでこれからちょっと聴いていこうじゃないの、ということでこのアルバムを。

このグループには語るべき側面が多すぎて、今回記事を書くにあたっていろいろ考えながら書いたつもりなのですが、すごく話があちこちに行っちゃって読みにくい文章になってしまいました。反省。

ずっと前から名前は聴いたことがありました。
あのスラッシュ・メタルバンドAnthraxとコラボしていた人たち、という認識ですが。
ちなみにそのコラボ曲である"Bring The Noise"ももともとはこのアルバムに収録されている曲です。

あともう一つ彼らに関するイメージといえば、「社会派ラッパー」というイメージ。
黒人問題なのか、腐敗した政治なのかよくわからないけど、何か社会に向かって怒りをぶつけているイメージでした。

このイメージでこのアルバムを聴き始めて、まず驚いたのがサウンド面での革新性。
サンプリングをこれでもかと使ったトラックはもはやコラージュ状態。
英語版のWikiにはそのサンプリング源が載っているのですがそれはそれは膨大な量。
かなりノイジーな音像は好き嫌いが分かれるところではあると思うのですが、同時に中毒性も持ち合わせていて、僕はその虜になってしまいました。
ヒップ・ホップ的曲の作り方というのを行けるとこまで突き詰めていったのがこのアルバムだといえると思います。
このサウンドコラージュのすごさがわかるのが#4"Cold Lampin' With Flavor"


あとこのDJの名前を前面に出した#5"Terminator X To The Edge Of Panic"もものすごいことになってます。
Queenの"Flash's Theme"をサンプリングしたオープニングがかっこよくて。

だからと言ってこのTerminator XというDJがすべての曲を作っているのかというとそういうことではなくて。
このPublic Enemyというユニットは非常に複雑なメンバー構成をもったグループで、ステージ上に出るメンバー以外に、The Bomb Squadというプロデューサーユニットを抱えていて、このグループがツアーに出ているときにもこのプロデューサーユニットが曲を作っておいてくれているという、会社のように「経営」されていたグループだそうです。

ステージに立つメンバーもメインラッパーのChuck DとDJのTerminator Xのほかに、コミカルな面を担当するFlavor Flav(Wikiに「でっち上げ役」と書いてあって笑いました)や思想が強い(ユダヤ人を差別するような発言をしてのちにグループを脱退)Professor Griffのようなハイプマンがいたり、SW1と呼ばれるダンサー・セキュリティ集団のようなものも彼らを構成する要素です。
もうなんのこっちゃ。
とにかく彼らが並のラップ・グループではないということがわかっていただけると思います。

こんな社会派ラッパーが何を歌っているのか、僕が気に入った曲を中心にいくつか紹介しましょう。

#2"Bring The Noise"

アルバムの実質的1曲目にして彼らの代表曲。
勢いがすごい説明不要の名曲ですね。
全然関係ないけどいっちばん最初の"Bass, how low can you go?"というラインはLinkin Parkが"Wretches And Kings"(「A Thousand Suns」(2010)収録)にてサンプリングしてます。今回それがわかってうれしかったです。

#8"Caught, Can We Get A Witness"

まだサンプリングという文化が根付いていなかった当時、「ビートを盗用した」として訴えられた(これは実際にあったことなのかな?)事に対する怒りを歌った曲。
アッパーなトラックがかっこいい。

#10"She Watch Channel Zero?!"

なんとSlayerのあの名曲"Angel Of Death"のリフが全編にわたってサンプリングされています。メタらーなら必聴。
テレビの中の虚構に取りつかれてしまった民衆に警鐘を鳴らす内容になっています。

#16"Party For Your Right To Fight"

この曲名自体が、Beastie Boysの大ヒット曲の"Fight For Your Right To Party"の並び替え。
"Party"と"Fight"を入れ替えただけなのに、ここまで考え方の違いがくっきり出るという面白い言葉遊びですね。
この曲自体がサンプリングされて使われています。
Chuck DとFlavor Flavが同じライムを左右のチャンネルで並行してユニゾンでラップしていくのもユニークです。

アルバム全編にヒップ・ホップここにあり!というサウンドやアティテュードが詰まった、文句なしのオールドスクールの名盤です。

★★★★★
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