小坂忠 / HORO

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4th、1975年、日本
ゴスペル / ソウル / シティ・ポップ
AmazonApple Music

「最高峰」っていう言葉が似合う傑作


先日読んだ「日本ロックの名盤ベスト100」という本で紹介された100枚のうち、Apple Musicで聴くことができるのはわずか29枚でした。
日本に帰ってもTSUTAYAでもなさそうなものも多そうですが、できるだけこの100枚をきちんと聴きたいと思っています。何年かかるかわからないけど。
でも「音楽が大好きなんです」と胸を張って言うためには、やっぱりこういう作品を聴くことは避けられないというわけで。
これは誤解してほしくないんですけれど、僕は決して音楽通を気取りたいからこういう作品を聴くのではありませんよ。
「へー、こういう作品を多くの人が『いい』って言ってるんだ、それってどんな作品なんだろう?」という単純な知的好奇心です。
音楽でも映画でも本でも、僕は昔のものは詳しくありません。だからこそ、先輩たちの評判に頼って聴いていくしかないのです。
「今」の音楽も聴かなきゃいけないのに、昔の音楽までも半ば「冒険」的に自分の嗅覚のままに聴いていってたらきりがないですから。
だからこれからもこういうディスクガイド本に沿って音楽を聴くことも多いと思います。最近ではついにあのジャズに手を出そうと画策しているところです。あれこそはまったらキリがなさそうですけど。

というわけで、今回聴いたこの作品は「日本ロックの~」では第28位にランクインしているアルバムです。
同著からこのアルバム評を少しばかり引用すると、

"細野晴臣のティン・パン・アレーがバッキングを務め、かっきりとした日本語でのびやかに歌われた楽曲の数々は、「シティ・ポップの理想型」として、あるいは「和製ソウルの逸品」として、マスターピースの地位を揺るぎないものとしている。"


とのこと。

この本を読んで今更ながら知ったのがこの細野晴臣という人物の、日本ロックシーンにおける重要性。
イエロー・マジック・オーケストラはっぴいえんどという伝説的なバンドのメンバーにして、数多くのアーティストのプロデュースやバッキングを務めるという、それはそれは日本語ロックにとっては欠かせない人物なのです。
そんなあたりまえのことを知らなかったんですねぇ。

そんな細野晴臣が1969年にメジャーデビューした時のバンド、エイプリル・フールのボーカルを務めていたのがこの小坂忠という人物。
そんな彼のソロ2作目(と「日本ロックの~」には書いてある。でもWikiを見る限りこの作品までに3枚ソロ名義で発表したことになっている、どっちが正しいのだろう?)がこの作品です。

・・・といろいろ御託を並べてしまったのですが、いけないいけない、これは感想を書くブログです。
めちゃくちゃよかったです!
当然1994年生まれの僕にとっては「大昔の音楽」というイメージで、あの本を読むまではこの小坂忠という名前も、ティン・パン・アレーというグループの存在も知りませんでした。
それでも、こうやってこの作品に出会えることができて、あの本に感謝をしたいくらいです。

僕にとってはゴスペルやソウルというのは完全に未知のジャンルでして、そういうジャンル音楽としてこの作品を語ったり、ましてやこの作品の歴史的重要性のようなものもわかりません。そういうことはもっと詳しい専門家が語ってくれるでしょう。
だから僕としては何とかしてこのアルバムの魅力を真正面から語らなければいけないのですが、僕にそこまでの文章力は残念ながら備わっていません。どうしたものか。

とにかくね!演奏がマジヤバイ!
あのね、シブい。激シブ。松任谷正隆のキーボードがも~シブいったらありゃしない。
まあそんなこと言ったらベースとドラムのグルーヴとかもまじヤバくて、ギターも地味っちゃ地味なんだけどすんげえいい音させてる。激ヤバ。

・・・すいません、思い悩んだ末になぜかボキャブラリーが立教大学のイベサーみたいな感じになってしまいましたが。
本当に、このティン・パン・アレーというスーパーグループがバッキングをしているこのアルバム、本気でなんだかすごいと思ってしまいました。
ちなみにこの「ティン・パン・アレー」というのはもともとニューヨークの中の地名で、この地で昔はミュージカル用の音楽がまるで工場のように大量生産されていて・・・という話は西寺郷太著『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』に詳しく書かれています。

そしてもちろん、その演奏に乗る小坂忠の歌声・メロディー・歌詞がサイコー。
ただ演奏がすごいだけじゃ日本のオールタイムベストで28位にランクインするはずがなく。
最近のいわゆる「歌ウマ」系シンガーってやたら声を張り上げて、きらびやかな声を出してすごみを出していますが、この小坂忠はその逆。
前者が赤く燃え盛る炎なら、この人は青く燃える炎。どっちが熱いのかは知ってますよね(僕は小説『青の炎』を読んでからこの比喩を多用するようになりました)。
極めて素朴に歌う人だな、という印象を受けました。
日本語の詞も全然気取ったところがなくて、だからこそメロディと一体になってすんなり耳と心にしみわたっていくんです。いや~、いいですねぇ。

そういったこのアルバムの良さのすべてが結実したのが名曲#6"しらけちまうぜ"

文句なしにかっこいい。こんなのカラオケでシブく歌えるおっさんになりたい。
そのためには音痴を直して、カラオケ嫌いを直して、人嫌いを直して…諦めます。笑

あと個人的にハマったのが#2"機関車"

聴くタイミングがタイミングなら泣いてしまうような曲。
サビのコーラスの妙。コーラスの、みょう~!!
僕のライフタイムベストバラードの仲間入りを果たしました。

・・・と、このアルバムをきちんと聴き込んだ後にもう一度「日本ロックの~」のレビューを読むと、的は得てるわ読みやすいわ面白いわで。こんなブログやってらんねえよ。笑

オススメです!僕みたいな若いリスナーにも!!
こういう出会いがあるから音楽の探求はやめられません。

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