あの頃ペニー・レインと

あの頃ペニー・レインと
2001年
監督: キャメロン・クロウ
出演: パトリック・フュジット、ビリー・クラダップ、ケイト・ハドソン、フィリップ・シーモア・ホフマン
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これがティーンエージャーのリアルだ!


見終わるまで21世紀の映画だとは思ってませんでした。
それだけこの映画の持つ空気感が70年代っぽかったのでしょうか。それとも僕が単にバカなのか。

<こんな映画だよ!>
厳格な母に育てられ、セックスもドラッグも知らない優等生。そんなウィリアムが地元紙に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、フツーの15歳の生活から一転、ロックの世界に没頭していく。ブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レインと出会う。それは切ない恋の始まりだった・・・。




この主人公を演じているパトリック・フュジットはなんと「ゴーン・ガール」(2014)に出演しているそうです。わお。
この時はほんとに幼い少年なのですが、そっちでは警官を演じています。タイム・フライズ・ソゥ・ファスト。
そして主人公の姉を演じていたのが「(500)日のサマー」(2009)のズーイー・デシャネル。ワオ。

非常に楽しんで見ることができました。
でも正直、見終わったときにはなんで僕がこの映画が好きなのか、イマイチわかりませんでした。
最近は見終わったときにはなんでこの映画が好き・嫌いなのか理由をすぐに説明できるようになってきていたので、久々にこういうとらえどころのない感動のようなものを感じて、そのあと少し悩んでしまいました。
この映画の何がすごいのか。

私事ですが、なんと現在留学中のバンクーバーで地元のバンドに拾われまして、なんとカナダ横断ツアーに参加することになりました。4月末から1か月くらい。
まさか自分でもオーディションに受かるとは思っていなかったので驚いていますが、こんな経験人生でなかなかできるものじゃないので、精一杯楽しもうと思います。

そしてだからこそ、今回この主人公のウィリアムにすごく感情移入してしまったんですよね。これがおそらくこの映画を楽しめた最大の理由。
主人公がなかなかそのバンドメンバーたちとうまく溶け込めない感じが、今の僕とすごく重なったというか。
ウィリアムは子供だから相手にされてない感じだけど、僕もアジア人留学生ということで「ああ、この人たちとは心の底からは繋がれないんだろうな」みたいな諦念のようなものは感じます。ツアーが終わった時にはどうなってるかわかんないですけど。

そしてバンドを取り巻く環境の描写のリアルさ。
これは実際に15歳でローリングストーン誌のライターになって多くのバンドに同行取材してきた監督のキャメロン・クロウの経験がモロに生かされているところですね。
得てしてこういう音楽映画内の架空のバンドって胡散臭い描写が続くイメージがありますが、この映画に登場するStillwaterというバンドは、実際に存在したのではないかというくらいリアルだし、演奏シーンも全く違和感なく見れます。
ここまで完成度の高い音楽映画ってなかなかないのでは。

あとは、主人公以外のキャラクターにもしっかり役割を持たせている脚本の素晴らしさ。さすがアカデミー賞脚本賞を受賞しているだけあります。
主人公が恋をするペニー・レインをはじめ、バンドのリーダー・ラッセル、厳格で過保護な母親、そして家を出ていってしまった姉。
主人公が成長していく過程でこれらの人を巻き込んでいく過程が何ともドラマチック。
こういうのを「重厚」と言うのでしょうか。

あとなんといってもフィリップ・シーモア・ホフマン演じる主人公の「師」であるレスター・バングスが魅力的すぎる。
原稿に行き詰まった主人公が彼と電話口で交わす会話がサイコー。
「俺たちはクールじゃない側なんだよ」と語る彼はどこか寂しげでね…いい。とにかくいい。
幼くして父親を亡くした主人公にとってはまさに父親のような存在だったのでは…と勝手に想像しては胸が温まる交流でした。サイコー。

グルーピーという人種?職業?は好きに離れないけれど、この映画の中で彼女たちが体現している70年代の輝き、ロックンロールの輝きがまぶしくて、その瞬間的な、刹那的な青春を切り取った至高の映画でした。

オススメです!

★★★★☆
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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画

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