Asking Alexandria / The Black

theblack.jpeg 
4th、2016年、イギリス 
メタルコア / ポスト・ハードコア 

間違いないクオリティ


このバンドはてっきりアメリカ出身だと思ってました。 
「UKのBring Me The Horizon、USのAsking Alexandria」みたいなね。両雄、みたいなね。だと思ってたわけですよ。
どっちもUKが誇っていましたね。 
今ではもはやオワコン気味のこういうポスト・ハードコア系の中でも、いまだに根強い人気を誇る2大勢力といってもいいでしょう。 

とはいえ、もともとこの2つのバンドはだいぶ異なるサウンドを追求していました。 
BMTHの初期はデスコアで、このAsking Alexandriaはトランスコア上がりだそうです。 
過去作はどちらのバンドも聴いたことがないのですが、この2016年現在この二つのバンドは奇妙なことに似たような地位を確立しているといえるのではないでしょうか。 

この4枚目となるアルバムでこのバンドが立ち向かわなければならなかったのがボーカルの交代。 
前任ボーカルであるDanny Wornsnopがハード・ロックのプロジェクトであるWe Are Harlotに専念するために脱退。 
この時の怒りが#4"Sometimes It Ends"で赤裸々に吐露されています。笑 
後任のボーカルであるDenis StoffはYouTubeでこのバンドのカバー動画をアップしていたのを見て白羽の矢が立ったとか。 
自分がファンだったバンドからお声がかかるってサイコーだと思うんだよなぁ。シンデレラストーリー。 
アルバム聴く限りうまいですね。
グロウルも結構なすごみだし、何よりクリーンボイスの声域がすごい。
高音ボイスをサビで聴かされるとなかなかエモくて気持ちがいいです。 
かなりいい逸材を手に入れたのではないでしょうか。 
#2"The Black"のブリッジ以降の展開が最高ですね。ギターの片割れも歌うんですね。この二人の絡みがサイコー。 
 
上でBMTHとの比較で語りましたが、サウンド自体は似て非なるもの。 
どちらも電子音やエフェクトを多用したポスト・ハードコアという点で変わりはないのですが、BMTHがどんどんオルタナティヴ・ロックやインディー・ロックの方に接近していっているのに対して、このAA(という略し方でいいのかな?)はあくまでもメタルコアに軸足を置いています。 
音的にもパッと聞いた感じヘヴィに感じるのはAAの方です。 
さらに大きな違いは80'sメタルから影響を受けているか否か。 
今回のアルバムについてメンバーがインタビューで「Guns N' RosesVan Halenの影響を受けている」公言している通り、80’sっぽいノーテンキさを醸し出しているところもあったりして。
#6"Just A Slave To Rock n' Roll"なんかがいい例ですね。 そういう点でいうとEscape The Fateにも近いかもしれませんね。
アメリカのバンドだと思ったのはこういうところのせいなんですが。 

あとこのバンドの特徴でいうと、バンドサウンド+αのサウンド構築力。 
ベタなところでいうとピアノやストリングスの音なんかがそうなんですが、このバンドはそれ以外にも細かいところまで気を遣って作り上げているなあという印象。1曲目の#1"Let It Sleep"何かが顕著な例です。 
 
重いブレイクダウンの時にバックでかすかに聞こえる不思議なノイズのような音とか、ボーカルを反響させたり、細かくエディットしていたりとか、そういうギミックで聴かせています。 
楽器やボーカル自体の音も「大分いじくったんだろうな~」っていう感じのファットな音ですし。 
バンドサウンド自体は別に目新しいものではないのに聴けちゃうのはやっぱりそういうところなのでしょう。
 逆にここまでやらないと生き残れない業界なのかもしれません。笑 
ライブで聴いたときに一気に音が軽く感じてしまいそうなのが心配ですが。 

あと何曲かかっこいい曲をば。 
  
#3"I Won't Give In" 
 
MVの最初の「家族」ってやつがちょっとイタいですね。てか全体的にこのMVはイタい。 
結構アンチも多いらしいんですが、これ見たらなんとなく理解できました。硬派なリスナーからは嫌われてそうですね。 
曲はかっこいい。 
  
#7"Send Me Home" 
 
「これワンオクの新曲だよ」っていったらバカなファンだったら騙せそうなくらいAメロあたりの雰囲気似てますね。声が似てる。 
アリーナで映えそうなロックバラード。いいですね。 
こういう曲もそつなくこなすんですねえ。 
  
いや~アルバム全編を通して、うまくできてますよ。 
曲もうまくできてるし、演奏もうまいし、アルバムの構成もうまくできてる。 
だからこういう音楽が大好きな人には絶対オススメです。 
でも、正直BMTHの「That's The Spirit」(2015)のようなジャンルを超えた普遍的な「すごみ」には達していないような気がしました。もともとそこを目指していないような感じもしますが。 

間違いなくこのジャンルの中ではトップクラスのクオリティのバンドであると言えるでしょう。 

★★★☆☆+α
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