フィクサー

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2007年(日本公開2008年) 
監督: トニー・ギルロイ 
出演: ジョージ・クルーニー、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン、シドニー・ポラック 

よく言えば「オトナの」、悪く言えば「地味な」ミステリ


iTunesの100円レンタルの「今週の映画」似て取り上げられていたので鑑賞。

<こんな映画だよ!>
ニューヨークの大手法律事務所ケナー・バック&レディーンに所属するマイケル・クレイトン。公に出来ない案件を裏で穏便に処理する“フィクサー”を長年務めている彼は、かつての弁護士職に戻るタイミングを失い、問題山積の私生活でも、ついには従兄弟が抱えた8万ドルにも及ぶ借金を肩代わりする羽目に陥っていた。そんな中、巨大農薬会社U・ノース社に対する3000億円の集団訴訟でU・ノース社の弁護を担当していた同僚のトップ弁護士アーサーが、原告との大詰めの協議の最中、突然服を脱ぎ出すという奇行に出てクライアントを困惑させてしまう。そこで上司から事態の収拾を任されたマイケルだったが、やがてアーサーがU・ノースを敗北に導く決定的証拠を掴んでいることを知ってしまう。一方、U・ノース社の敏腕女性弁護士カレンもこの緊急事態に対処するため秘かに行動を開始するが…。


 

ジョージ・クルーニーっていう名前は聴いたことがあったけれどちゃんと見たのは今回が初めてでした。はじめまして。 
そしてこの監督のトニー・ギルロイという人はもともと脚本家で、「ボーン」シリーズの脚本を手掛けています。 
そしてすごい映画一家。
父親はピューリツァー賞受賞の脚本家で、双子の片割れも映画の編集者。そしてもう一人の弟はこないだ見たばっかりの「ナイトクローラー」(2014)で監督デビューしたダン・ギルロイ。 
こうやって見た映画同士がつながっていくと楽しいです。 

というわけでこの映画。う~ん。 
見たことは後悔しないけれど、別に大きく感情を揺さぶられることもなく。 
「地味」と言ってしまえばそれまでなんですが、「オトナの上質なミステリ」ということもできて。かなり好き嫌いはわかれるんじゃないでしょうか。 
でもトータルで見たら結構楽しめたと思います。 
特に中盤以降、最後のクライマックスに向けての展開にはぐいぐい引き込まれるものがありました。



でも、いろいろ言いたいこともありますよ。 
まず、状況がなかなか飲み込めなかった。 
これは僕が頭が悪いからなのかな?いやそんなことはない。一応国公立大学に現役で合格しているのだから、自分でいうのもなんだが地頭の良さには自信がある。 
この僕が、主人公のおかれている立場とか、誰が誰の下で働いていて、どことどこが敵対してて、みたいなのがすんなり飲み込めなかったんです。 
もちろん裁判がらみのお話なので幾分か込み入った関係性になってはいるのですが、やっぱりもうちょっとわかりやすく説明してほしかったよ…。 
でも上のあらすじではうまく説明されているのでこれから見る人は読んでから見ることをお勧めします。 

でも、このあらすじを読んだ上でも混乱するような謎仕掛けがこの映画にはありまして。 
この映画のオープニングは実は終盤の場面なんですね。で、そのあとに「4日前」ってなって、なんでそうなったのかを描いていく。 
よくある手法なのですが、この映画ではこのやり方が効果的だとは思えないんですよね…
さらなる混乱を招いているだけというか。 
このほかにも、いくらいろんな伏線を潜ませているとはいえ、あんなに主人公の家族を描く必要あったかな?あれのせいで余計誰が誰だかよくわかんなくなったよ!とかいろいろ言いたいことはあるのですが。 
中盤以降は面白かったので今回は不問に付すことにします。今後こういうことがないように。 

中盤のある展開以降、劇的に物語は動き始めて行くのですが、そこからエンディングに至るまではかなり前のめった姿勢で見入っちゃいました。 
ただ、劇的な展開とは言っても絵的には地味なまんま最後まで行くので、それが合わない人には合わないかもしれません。 

この作品をワンランク上の作品にしているのがキャスト陣の演技の良さ。 
こういう派手にドンパチやらない映画なのにここまでの重厚さを出しているのはさすが。 

ジョージ・クルーニーが演じる主人公の弁護士・マイケル・クレイトンは結構ダメダメな感じの中年。 
家庭でも問題を抱えているし、彼自身ギャンブルに依存してたり借金してたり大変。 
そんな彼が最後巨悪に立ち向かっていく姿はやっぱりサイコーです。 

そんな彼の同僚を演じていたトム・ウィルキンソンが一番光ってましたね。 
マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2013)にも出演していた彼が、明らかに悪である企業を弁護しているうちに精神を病んでしまった弁護士を熱演しています。 
主人公の息子と電話するシーンがあるのですが、あそこでの「ものすごく不安定な状態にある」という演技が印象的でした。いい俳優さんだなぁ。 

そして敵対する弁護士(?)を演じているティルダ・スウィントンがこの映画でアカデミー賞助演女優賞を受賞してます。
あの部屋でインタビューの練習をするシーンとか、服の確認をするシーンとか、出番の少なさのわりには確かに印象的なシーンは多かったです。 

ちょっと構成上の文句はあるけれどストーリーとしては十分面白いし、キャスト陣の演技も抜群なので十分みる価値のある作品です。 

★★★☆☆
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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画

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