BABYMETAL / METAL RESISTANCE

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2nd、2016年、日本 
オルタナティヴ・メタル / アイドル 
  
いいぞ、どんどんいけ
全英チャート初登場15位、全米ビルボードは38位。日本のオリコンでは当然のことながら初登場1位。 
日本人初となるウェンブリー・アリーナでのライブ。 
今、とにかく社会現象になっているのがこのグループです。 

とにかくいろんな人がいろんなところでいろんな角度から論じています。 
僕なんかが言うことはとてもではないがもう残されていません。 
でも今カナダに住んでいて、ひょんなことから現地の人たちとバンドをやっているのですが(メタルに分類されるような音楽です)、そのメンバーもBABYMETALのことを知っていたし、現地のHMVでは一番目立つところに陳列されていました。 
海外にいてこのムーブメントを肌で感じることができて非常にうれしかったです。 
僕だからこそ言えることはこれくらいです。 ということで凡庸なレビューですが最後まで読んでやってください。 

デビュー作である「BABYMETAL」(2014)は悪く言えば「曲の寄せ集め」、よく言えば「カオスな出来」で、「メタルを小さい女の子が歌って踊る」というコンセプトの奇抜さで勝負したアルバムでした。 
それが大成功をおさめ(当事者たちの想像をはるかに超えた形で)、今回作られた2ndアルバム。同じ小細工は通用しません。 
このコンセプトはもうみんなの知るところになったわけですから、それを踏まえたうえで純粋なクオリティの勝負になってきます。 

そして僕が思うに、この勝負に彼女たちは勝ったのではないでしょうか。 
前作ほど「寄せ集め」感はなく、統一感は少なからずあるものの、それでも曲のタイプは相変わらず多種多様。 
メロスピ、Djent、トランスコア、ヴァイキング・メタル、ポスト・ハードコア、メロディック・メタル・・・ とにかく幅広く、「アイドルにメタルを歌わせる」という実験装置としてやっぱり聴いていてものすごく面白い。 
初めてBABYMETALに触れる人でもこのグループがどんなものなのかということがすぐわかる丁寧な作りになっています。 

作曲陣もそういう音楽の上っ面だけを拾ってきて作るのではなく、しっかり理解のある人が作っているんだろうなという安心のクオリティ。 
実際どういう人が作っているのかよくわかりませんが、これほどの振れ幅の楽曲をこれほどのクオリティでまとめてくるのは離れ業としか言いようがありませんね。 

ただ少し惜しむらくは、このアルバムは全編を通して「アイドルが歌うメタル」であって、「メタルっぽいアイドルソング」がなくなってしまった点。 
個人的には前作の"ド・キ・ド・キ☆モーニング"のような曲の素晴らしいアンバランスさが大好きだったのですが。 
そこは海外ウケを意識したのでしょうか、完全にサウンドは硬派なメタルサウンドで固められています。 
その分、日本の新規リスナーの獲得は難しそうですが。普段メタルを聴かない日本人にお勧めするならやっぱ1stかな。 
#11"Tales Of The Destinies"なんかはやりすぎだと思うんですけどね・・・Protest The Heroか。Destrageか。 

オープニングトラック#1"Road Of Resistance"、そして#4"Amore -蒼星-"と、やっぱりメロスピ路線が一番はまってるしグッとくるなあ。
SU-METALのボーカルがやっぱすごくいいんだよなぁ。 
 
  #2"KARATE"は最初は正直「ビミョー・・・」と思ってたのですが、聴き込めば聴き込むほどにどんどん好きになっていくパターンでした。よかった。 
一番今のメタルっぽい音で先行公開曲としても最適。 
 
#3"あわだまフィーバー"#4"ヤバッ!"(英語表記は"YAVA!")は電子音を取り入れた踊れるチューン。 
特に後者が結構お気に入り。一番テンションが上がりやすいテンポに4つ打ちにガンガンのシンセフレーズ。ツボわかってる。 
コンサートでどんな振付になってるのか気になりますね。 

買ったのがUK盤なので日本盤の#7"シンコペーション"の代わりに#7"From Dusk Til Dawn"が収録されています。 
ほとんどインストでインタールード的役割を果たしている曲なのですが、なかなかかっこいいです。 
"シンコペーション"はこっちでは聞けないようになってます。情報の壁。 
  
#9"Sis. Anger"は#8"GJ!"とともにMOAMETALとYUIMETALの2人による曲らしいです。 
この曲はとにかくリフがめちゃくちゃかっこいいっす。ブルータル。 
こんなリフにかわいい女の子の声がのっかるって。世も末ですな。 
アンバランスさでいうとこの曲が今回のアルバムの中ではトップでしょうか。 

そして今回のアルバムで一番印象に残っているのが彼女たち初のバラード#10"No Rain, No Rainbow"。 
やっぱり感動的なバラード曲もメタルの重要な構成要素ですから。今回入れ込んでくれたのはうれしいです。 
そしてSU-METALの歌唱力も相まって素晴らしい名曲になってるやんけ!サイコー。 

最後を飾る#12"THE ONE"はなんだか日本人よりも海外の人たちに受けそうなメロディ。 
僕こういうメロディあんまり好きになれないんだよなぁ。「こういう」という表現しかできないのだけれど。なんていうの? 
 

前作に比べればちょっとキラーチューン度は目減りしたかなという感じですが、下手なメタルバンドの新作よりは全然いい出来です。 
これからもいろんな論議を醸しながら突き進んでいってほしいものです。 
  
★★★★☆+α
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