追憶

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1973年(日本公開1974年)
監督: シドニー・ポラック
出演: バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォードほか

男と女はすれ違う

Barbra Streisandによる同名アルバムであり、この映画の主題歌である"The Way We Were"を収録した「The Way We Were」(1974)を聴いたので、彼女自身が主演を務めるこの映画も見てしまおうということで。

<あらすじ>
1937年の大学のキャンパス。政治運動に没頭するケイティーにとって、育ちがよくハンサムなハベルは、ひそかな憧れの対象だった。やがて二人は、第二次世界大戦中のニューヨークで再会、いつしか愛し合い結婚する。ハリウッドでの生活は平和で幸福そのものだったが、幸せは長くは続かなかった・・・。

これまで映画を見る際の僕の注目ポイントといえば、ストーリーであり、キャストの演技であり、それを際立たせる演出でした。
つまり「画面上に見えるもの」しか見てこなかったんです。
だから映画を見た後にほかの感想とかを見て「音楽がよかった」みたいなことが書いてあっても全然ピンときたことがなかったんです。
よくよく考えるともともと音楽が好きなのにおかしな話だなは思っていました。これからはちゃんと音楽にも気を配ってみようと思っていました。

そういうタイミングで彼女のアルバムを聴いて、この作品を見ることになって、今回初めて(と言っていいと思う)意識的に音楽を気にして映画を見てみました。
素晴らしかったです。この映画の音楽。
この主題歌のパワーがすごいですね。サイコー。
彼女の歌が入ったバージョンが流れるのは映画の冒頭とホント最後の部分だけなのですが、オケバージョンが物語の要所要所で繰り返し流れます。
"The Way We Were"というタイトル通り、「よかった過去」を回想する内容の歌詞が(当たり前といえば当たり前なのですが)映画に完全にフィットしています。
特に最後にこの曲が流れる時には、我々見ている側もこの曲をトリガーにして二人の過去を一緒に回想し映画として完璧ともいえるカタルシスをもたらしてくれます。
これは音楽に注意していなかった味わえなかった感動だったと思います。よかった。

ストーリーもすごく良かったです。
社会に対して常に「闘う姿勢」の女と、そういうものは全てあきらめている男。
この二人の対比が(時代背景を含め)非常に見事だし、(僕は)男女どちらにも同情できたのでストーリーにぐいぐい引き込まれていきました。
僕はどちらかといえば社会に対する怒りをあらわにしていくタイプなので結構ケイティに肩入れしてみてしまいましたが、これケイティの気持ちがわからない人にとっては「ただの口うるさいイヤな女」という感じでしょうか。
でもこの映画ではハベルやその周囲の人間たちという<他者の目線>がきっちりと描かれているので全然押しつけがましくなく、不愉快になることはないと思います。
ハベルたちのことも理解できないわけじゃないんですよね。でも「やらないよりもやる」じゃない?やっぱりさ。
終わり方もきれいで好きですね。「きれいごと」という意味じゃないですよ。

あとこれを見ていて思ったのが、「赤狩り」の時代というものがあったんだなということ。
何をいまさら、という感じですが。
今でこそ政府をたたくのは当然の自由となっていますが、そういうことが「自由の国」アメリカにおいてさえあまり表だってできなかった時代がたった40年かそこら前まであったんですよね。
今僕たちは中国や北朝鮮の「情報統制」をみて「異常だ」と思ってしまいますが、一昔前には我々もそれを当たり前だと思っていたんですよね。
だからこそこの自由は大切にしていかなきゃいけないですね。
なーんてことも考えさせられる映画でしたよ。

「美人ではない」と各所でいわれているバーブラ・ストライサンドですが、僕はそうは思いませんでした。
やっぱ日本人にとっては欧米人の顔の優劣というのはわかりづらいものですね。

「生涯の一本!」になりえるような映画ではないけれど、非常に見ごたえのある「名作」でござんした。
よいよ。よい。

★★★★☆

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Theme: 映画レビュー - Genre: 映画

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