MS Cru / 帝都崩壊

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1stEP、2002年、日本
ヒップ・ホップ
AmazoniTunes(Apple Musicあり)
★★★☆☆+α

ここから始まった新宿スタイル

最近メキメキ漢 a.k.a. GAMIが好きになりつつあるのですよ。最初はなんだか早口なだけかな~なんて思ってたんですが。
般若とR-指定と共演しているこの"ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX"にドハマりしてしまいましたよ。一日に一回は聴くレベルでヘビーローテーション。

この漢というMCの魅力に気が付くのは結構時間がかかるのかもしれませんが、一回ハマったらこの中毒性は半端ない。まさに420(ちなみにこれを書いているのはまさに4月20日。カナダでは来春に大麻合法法案が提出される運びになりました)。
早口なのにめちゃくちゃ聴きとりやすい滑舌、一発で漢だとわかる独特な声。
そしてリアルなストリートライフを歌ったリリック。
この独特な存在感はどこかBusta Rhymesを思わせたりなんかして。

そんな漢率いるヒップ・ホップ・グループ、MSCのデビュー作がコチラ。
まだこの当時は「MS Cru」という名義で活動していました。
このころからブリンブリンだったみたいですね。すごいジャケット。

もともと「MS Cru」というのはTABOO1からなる「MIC SPACE」とPRIMALO2GOからなる「SIDE RIDE」の二つのユニットが合併して結成されたもので、その二つの頭文字を持って「MS Cru」、のちに「MSC」となる。
このあたりの結成の流れは漢の自伝である『ヒップホップ・ドリーム』に詳しいのでぜひ。マジで面白い本です。

5曲入り21分の作品ですが、#1"Intro"は文字通りイントロなので実質的に収録曲は4曲。
1曲ずつ見ていきましょう。

#2"幻影"
漢のソロ曲。
漢独特の、これでもかというくらい文字を詰め込んでいくフロウ。いきなり半端ないテンションです。
当時のクラブにはびこっていたのであろうフェイクラッパーを「色のないカメレオンが急増する」とバッサリ斬っています。
『ヒップホップ・ドリーム』で語られていた「イベント潰し」の部分が歌われていて、リアルなことしか歌わない「新宿スタイル」がこの当時から徹底されていたんだなと実感。
やり方生き方背負ってるもんから違えから」というパンチラインがとてつもない重みを持って放たれます。
しかも、これはのちに2005年まで続くDABO(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)とのビーフの始まりの曲といわれていますし、本人も自伝の中でそういっているのですが、ということはこの曲の中で散々言われている「地方出身東京在住ラッパー」「ギャグラップ」とかは全部彼のことなのでしょうか?

#3"満月の挽歌"
#2とは打って変わってMS Cru全員がマイクを回すリレー曲。
満月の夜 お前を食べて 二度とは戻らぬ 孤独の森へ」という不気味なメロディのフックは、漢とTABOO1が通っていた小学校の「ちょっと変わった」クラスメート、モリくんがいつも歌っていた歌だそうです。
このイルな感じが彼らの音楽性に見事はまっていてサイコー。

#4"快感"
危なげな何かを吸う音と下品極まりないナレーション、下劣な男の笑い声から始まる異色の曲。
セックスアンドバイオレンスのB級映画を見ているような一曲。
一番下品だけど一番過激かも。
漢の「ソフトにタッチ」にちょっと笑えちゃうのも事実。笑

#5"構造改革 REMIX"
これはこの前に出ていたコンピレーションに収録されている曲のリミックス。
オリジナルの方のリリックについての面白い(恐ろしい)エピソードがこれまた自伝に書かれているのでぜひ。
こっちのバージョンも各クルーがスキルフルなフローとライミングで聴かせてくれます。
今聴いてもパッと聴いてすぐにかっこいいとわかるラップだからすごい。
ファッションすら真似るバイリンガルラップ リング内にあがりゃやたら外人ぶるヤツ」というのは意味も通した素晴らしいライミング。すげえ。

全曲、ビートはすごくダークでドープな仕上がり。
クラブとかで流れてテンションが上がってみんな踊れる、みたいなビートでは決してないです。
これも彼らなりのシーンへの問題提起だったのでしょうか。
とにかくこんな異色なサウンド、日本語ラップシーンにとってどれだけ衝撃的だったのかは容易に想像できます。

オススメ!

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