Mutemath / Vitals

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4th、2015年、アメリカ
オルタナティヴ・ロック / シンセポップ
AmazoniTunes(Apple Musicあり)
★★★★★

とにかく上質なポップ・ロック

このアルバム、iTunesの「New」の欄にあったので勝手に2016年リリースの新作とばかり思っていたら、日本盤が今年になってからリリースされただけで去年の11月にリリースされていたみたいですね。少し遅れてのリリース。洋画か。

さてこのMutemathというバンド。
名前は知ってましたよ。ほんと名前だけ。
雑誌でいうと「CROSSBEAT」(今調べたら休刊状態なんですね)界隈のバンドだという認識だけでした。

だからエモっぽいロックサウンドを鳴らすバンドなんだろうなと思っていたんです。
Saosinとかほど激しくはないだろうけど、ギターサウンドを基軸にしたバンドだろうなと。

そしたらね。1曲目の#1"Joy Rides"がこれ。

いや、めちゃくちゃポップじゃねーか!
「ド」がつく方じゃねーか!
ギターのサウンドは聴こえるものの、シンセの音がブイブイ言わせていて、バンドというよりはポップユニットを聴いているような感覚です。
声質も相まってMaroon 5っぽいなんてことも思いました。すいません。いや別に謝る必要ないか。

これは俺のイメージが間違っていたのか?と思って昔の曲をYouTubeで上位に出てきた順に聴いてみた。


いやめちゃくちゃロックじゃねーか!
「ド」がつく方じゃねーか!ギターサウンドバリバリじゃねーか!
そしてかっこいい。過去作聴こ。

というわけで、どういうわけかこのアルバムからガラッと作風を変えてきた模様です。
このシンセポップっぽい雰囲気はアルバムを通じて貫かれていて、僕のように初めてこのバンドを聴く人にとっては過去にああいうギターが前面に出た楽曲をやっていたなんて想像すらできません。

でもそれは裏を返せばこのサウンドに変化した後のこのアルバムにおける音楽の完成度もめちゃくちゃ高いということです。
僕は過去のサウンドに何の思い入れもないのでこういういい作品を聴けたことは素直にうれしいです。
歌メロ、そして曲のバリエーション、そして後でも少しふれますがその中にも少し見え隠れするロック的なかっこよさ、そのすべてが融合して非常にレベルの高い作品に仕上がっています。
去年のうちに聴いていたらベストアルバムのTOP20には入っていたこと間違いなしです。

こういうわかりやすいポップの場合実際に曲を聴いてもらった方がよさが伝わりやすいと思うので、ひときわ輝いている曲を何曲かご紹介していきます。

#3"Monument"

アップテンポなリズム、明るいシンセサウンド、キャッチーな歌メロ。ほぼ完ぺきと言ってもいいポップソング。
そして歌詞がいいです。「Let's make a monument for our love」なんて、ステキやん。
そして、このMVに登場しているこのおじいさんは、実際に妻がなくなった後妻との思い出の写真を壁一面に貼り付け、本当に「ミュージアム」を作ってしまった人。
「この曲で歌われていることだけじゃなくて、このアルバムを通して歌われていることを彼は体現しているんだ」とポール・ミーニー(Vo, Key.)はコメントしています。
ホント、世界の「ステキ」がつまったような一曲です。なんか僕が言うと薄っぺらく聞こえてしまいますが、めちゃくちゃ褒めてます。
アルバム後半に収録されている#9"Best Of Intensions"も同系列の曲でよいです。

#8"Used To"

これまたMVが発表されている曲です。
このズーンと沈み込むようなベースの聞いた電子音。そしてエレクトロなのにどす黒くて重たいグルーヴを作り出すリズム隊。
この曲こそさっき上でも少しふれた「少し見え隠れするロック的なかっこよさ」の部分です。
もともとこのバンドのリズム隊はかなり評判が高いみたいですね。ライブぜひ見てみたい。
この曲のライブバージョンの動画も公式チャンネルに上がってたのですが、そっちの方が演奏のカッコよさが伝わってきてまじでドープ。かっこよすぎ。

この曲の前に位置付けられている#7"Composed"もゆったりしたムードの曲で、この曲から#8になだれ込む構成もすごいよい。

#10"Bulletproof"

このアルバムにはタイトルトラック#6"Vitals"とこの曲の2曲インスト曲が収録されているのですが、これがどちらも素晴らしい。
#8"Used To"がロック的にかっこいいのなら、この2曲はシンセポップとしてものすごくかっこいい。
シンセの音があちこちから洪水のようにあふれてくるような、緻密に作り込まれた音世界は圧巻。
「歌がのってたらもっといいのになー」みたいなインスト曲ではなくて、ちゃんと歌なしで成立しているような構成でちゃんと聞かせてくれるのでよい!

期待していたようなサウンドではなかったのは確かですが、それを裏切って来た驚きも相まってものすごく印象的な作品になりました。
ライブも見てみたいし昔の作品も聴こうと思います。いいバンドと出会えました。


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