三浦しをん 『舟を編む』

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光文社、347ページ
Amazon(Kindle版あり)
★★★★★

トピック・キャラクターの完全勝利

辞書の編纂という「地味」と思われがちな題材をここまでドラマチックに描ききるとは。

<内容紹介>
玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。

かなり久しぶりにフッツーの小説を読みました。『翼はいつまでも』以来でしょうか。
でもやっぱりこういう小説ってサイコー。語彙力少ないけどまじでサイコーの小説でした。

はっきり言って、物語としては別に何も大きなひねりがあるわけではなく、「まあ、こうなるわな」みたいな展開が続いていって、まあ最終的には辞書が完成して終わるわけですよ。

じゃあ何がこの小説を面白くしているのかというと、「キャラクターの魅力」と「トピックの面白さ」の2つです。

・キャラクターの魅力
社内で変わりものとされている主人公の馬締光也。彼の行動の一つ一つが面白いし、ほほえましい。
普通に読みながらクスッと笑ったり、ニヤニヤしてしまう場面が数多く登場します。
そんな彼が辞書の編纂者として成長したり、一社会人として成長したり、男として成長したり・・・という素晴らしい成長物語になっているのが素晴らしい。
そんな彼を取り巻く人たちもみんないい人ばっかりで、これほどまでに読んでいて悪い気分にならない小説も珍しいです。
アニメ化されるのもうなずけるキャラの良さです。

・トピックの面白さ
そして最大の要因はこれでしょう。
「辞書の編纂」といういたってマイナーなトピック(本の中で登場人物たちも「辞書を取り扱う部署って・・・」みたいなことを言う場面もある)を取り上げ、それをドラマチックに描き切ったという1点だけでもかなり高い評価を受けてしかるべきでしょう。
平気で5年くらい時間を進めるのでびっくりしてしまいますが、それでも「これだけ長い時間をかけたんだ」という実感はあまり薄れていないままなのでこれまたすごい。
人から人へ受け継がれていくバトン、そしてついに編みあがる舟、こみ上げる感慨、でももうそこにあの人はいない・・・みたいなね。
重厚に立ち上がってくるドラマ、これが最後泣かせにかかってきます。くー。

何か僕なんかがおすすめするまでもなくみんな読んだことあるだろうということで何とも味気のないレビューになってしまいました。
読み終わったのも1か月以上前なのであまりお・ぼ・え・て・い・な・いというのが正直なところ。


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