エクス・マキナ

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2016年(英米での公開は2015年)
監督: アレックス・ガーランド
出演: ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィキャンデル、オスカー・アイザック、ソノヤ・ミズノ
劇場公開中
★★★★☆+α

いずれ我々が向き合わなければいけない問題

上映館数が少ないのが意味わからんぞ・・・

<あらすじ>
検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブは、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。 しかし、人里離れたその地に到着したケイレブを待っていたのは、美しい女性型ロボット“エヴァ”に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという、興味深くも不可思議な実験だった…。



おかしいよ!東京でもたったの3館だけ、6月25日現在で全国で10館のみ。アタマイカレテンノカヨ。
7月以降公開の映画館も地方には多いみたいですが、それでも少ないと感じます。これだけ人類に向けた問題提起をしっかりしている映画なだけに、もっともっと多くの人に見てもらいたいですね。

「え~・・・なにそれ、難しそうだし楽しめなさそう・・・」
という人のためにもまずはわかりやすいこの映画の素晴らしさをお伝えしたい。

まず、映像・役者の演技・音楽など、映画の外見がめちゃくちゃきれい!

監督は今回が監督デビューとなるアレックス・ガーランド。「わたしを離さないで」などで脚本を手掛けている人です。
ハイテクでひたすらクールな別荘の中の無機質な雰囲気、そしてそれを取り巻く雄大な大自然。この二つをうまくかけ合わせていきながらひたすらソリッドな画作りが全編にわたって貫かれていてとにかくかっこいいです。

そして女性AI「エヴァ」を演じるアリシア・ヴィキャンデルの存在感。
バレエをやっていたという彼女。「ロボットなんだけど限りなく人間に近い」という難しい役どころですが、バレエで鍛えたセンスで100点満点の演技を見せてくれます。
「不気味の谷」のどん底、というわけでもないけれど完全に脱し切れてもいない、本当に絶妙なラインです。
この彼女の演技がこの映画に圧倒的リアリティをもたらしてくれていますね。

そして音楽。かなり素晴らしかったです。
雑魚なので音楽を意識しながら映画を見るということはあまりしないのですが、そんな僕でも印象に残るくらいの素晴らしさでした。
作品の世界観とばっちりのマッチ感で印象的なシーンをより印象的にしてくれています。

この音楽が終盤のある重要なシーンで流れるんですが、それがもうサイコー。

今しがた説明した、映像の美しさ・アリシア・ヴィキャンデルの演技・音楽の素晴らしさという三つの素晴らしさが凝縮されたのが、「エヴァ」がこの映画の中で初めて登場するシーン。
陰影のコントラストがばっちり効いた画の中から、エヴァが流れるように姿を現す。その美しさたるや。
名「場面」ということでいうと僕的にはオールタイムベスト3に入れたくなるような素晴らしく美しい場面でした。
この場面を見るだけでも十分価値があると思います!!

・・・というここまでが映画の外見の話。
この映画、外見だけでも大分すごいんですが、それだけじゃなくて中身もすごい。すごすぎる。

近頃何かと話題のAI(人工知能)。囲碁の世界チャンプに勝ったりと、「ゆくゆくは人間を超えてしまうのではないか?」「人間の仕事が奪われてしまうのではないか?」という不安を巻き起こしていますね。
そういうものに対して警鐘を鳴らしていくというのが監督の狙いのようです。この映画は、ある結論を観客に与えることによってこの問題について深刻に考えるように仕向けているように思います。
ヴィトゲンシュタインの哲学書の名前やジャクソン・ポロックの絵画が出てきたりと、ただの娯楽映画にとどまることなくしっかりとメッセージを観客に訴えかける映画になっているのです!
見た後は必ず感想を言い合いたくなってしまう映画です。

とはいえ、SFサスペンススリラーとしても楽しめること間違いなし。さすが脚本家上がり、脚本がしっかりしてます。
限られた登場人物、限られた場所だけでも十分飽きることなくみることができますし。

というわけで、とにかく多面的な角度から楽しむことのできる非常に非常に上質な映画であることは間違いなし!
上映館数が増えることを祈るばかりです。

オススメです!!


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