平山亮・古川雅子 『きょうだいリスク 無職の弟、未婚の姉の将来は誰が見る?』

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朝日新聞出版、264ページ
Amazon(Kindle版あり)
★★★☆☆+α

恐るべきリアリティ

このタイトル見たとき「読まなきゃ」って瞬時に思ったもん。

<内容紹介>
ひきこもりの弟、結婚しない姉、非正規の妹、親の財産を浪費する兄…。非婚化や雇用の不安定化により、自立できず頼る家族もない「きょうだい」が増えている。少子化も進む中、自分の子どもが家族内で唯一の「次世代」というケースも多いだろう。その子どもが、おじ・おばの将来も背負うことになるかもしれない。新たな社会問題「きょうだいリスク」の実態をリポートし、課題と展望を論じる。

僕には2歳年上の姉がいます。
同じ親を持ち、同じ家で育ち、同じご飯を食べ、さらには同じ小学校、同じ中学校、同じ高校に通い。
そんな同じ環境で育ったのに、今じゃ全然違う。

俺は大学生、姉はニート。

姉は東京の大学を1年でやめ、そのあとはずっと自宅で暮らしています。
僕の知る限り仕事はしていないし、ほとんど家から出ることもありません。
「そのうち何か始めるだろう」と思い続けて早4年。気が付いたら正真正銘のニートになっていました。

これが仲のいい友達だと仮定してみましょう。
だったら絶対「働けよ」とか「外出てみたら?」とか気軽に言えると思うんです。
でも不思議なことにきょうだいにはそれができないんです。
このことについて本人はおろか、親とも話したことはありません。

これってすごく怖いことじゃありませんか?友達という「赤の他人」には気軽に話せるのに、きょうだいという「肉親」にはそういう話ができない。
いや、「肉親」だからこそ、と言い換えるべきか。

もしこのままこの状態が続いたら・・・
考えないわけではありません。僕が働いて、実家にお金を送るのか・・・?それってアリなの?ナシなの?
親の介護とか将来どうするの?
こんなこと考えたくもないけど、もし親が死んだら、そのあとどうするの??

これが僕の「きょうだいリスク」。
こういうことについて書かれた本を読んだことはないし、新聞やテレビ等で取り上げられていることすら見たことがありませんでした。
そんなデリケートゾーンにズバッとメスを入れたのがこの本です。

リスクにどう対処するか、という本ではなくて(そういう話ももちろんするが)、どうしてこのようなリスクが生まれてしまうのか、という構造的な部分に分析を向けているのがいいですね。
悪いのは家族じゃない、それを規定している「社会」なんだという論調にはなるほどと納得させられました。

これからの社会、徐々に浮き彫りになってくるであろうこの問題。
その問題を指摘した礎として今後読まれていく可能性は、十分にあります。


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