Hi'Spec / Zama City Making 35

zamacitymaking35.jpg
1st、2016年、日本
ヒップ・ホップ
AmazoniTunes(Apple Musicあり)
★★★★★

複雑ながらオーガニックなヒップ・ホップの最新系

Hi'SpecっていうのはSIMI LABのトラックメイカーで・・・え、いやいやちょっと待って、SIMI LABってなに。
SIMI LABっていうのは6MC+2DJで活動するグループで、ほらOMSBとかRIKKIとかMARIAとかがいるのよ。・・・う~ん、わかるようでわからん。
まあとにかくHi'Specというトラックメイカーの自身初となるプロデュースアルバムになっておりまして。
上で出てきた名前を知ってる人ならもちろんチェックしているだろうから、今日はそうじゃない人に向けてこのアルバムを紹介しようと思います。

知らない名前がたくさん出てきてビビってしまってる人に食いつきやすい話題を。
みんな大好き(なんでしょ?)「フリースタイルダンジョン」にて先日行われた「Monsters War」。みんな見たんでしょ?YouTubeで繰り返し見てるんでしょ。はいはい。
そのときジブさんが「今日は乗りにくいビートをたくさんご用意しておりますので。ラッパー泣かせのね」みたいなことを言ってたのを覚えてる人もいるんじゃないですかね。
決勝こそ"Don't Test Da Master"とか"AREA AREA"みたいな王道ビートだったものの、確かに予選は結構曲者ビートが多かった印象です。
そんななかCHICO CARLITOチームとサイプレス上野チームの試合で流れたビートがこのHi'Specの曲。
アルバムの4曲目に収録されている"BUG"って曲。

これかかった瞬間まじかよって思ったけどね。さすがにドSすぎやしないかと。バトルの内容は全然覚えてないんだけど。
このAIR BOURYOKU CLUBっていう人たちも相当狂ってますが。イルですね。
そう。ヒップ・ホップを語るうえでよく出てくる「イル/ILL」っていうフレーズ。その真髄がこの曲に詰まっているように聞こえます。ビートの感じもラップも言葉選びも。
僕がこのアルバムを知るきっかけになった#12"タコナスボケ"もそういう曲ですね。
タバコというか煙がものすごく似合うダークなビートにすぐ引き込まれました。
ケムリといえばB.I.G JOEが参加している#3"O.D."という曲では日本を取り巻くオカシなドラッグ事情についてラップされてて、痛快です。「いっそメリージェーン解禁すれば 偽物消えて順風満帆その通り。

このような強烈な曲があるかと思うと、リラックスしたチルな雰囲気が作品を通して漂っているのも事実。

同郷のOMSBが参加しているこの曲。もう座間の市歌にしてもいいんじゃないかってくらいクールです。
サンプリング元はもっぱらアナログレコードだというHi'Specが作るビートはどこか人間味があって、トラップとかEDMとかばっかりが流行っていた最近を顧みるにものすごく新鮮。
都会にずっといたけれど田舎ってやっぱいいな、みたいな感覚。
#5"Dialogue"や#9"Ming Wang Interlude"のようにところどころに差し込まれているインストのみの曲からもそういうバイブスがビシビシ伝わってきます。

彼のビートの何がすごいって「厚み」。
とにかく音が何層にも重なっていて、それでいてカオスになる手前で絶妙にコントロールしてる。
そしてこれだけ多くのラッパーが参加しているのに真ん中に筋が一本通ったアルバムになっているのはやっぱり「Hi'Spec印」ともいうべき彼の唯一無二のスタイルの証。
僕はこの作品を聞いて彼の存在を知ったのですが、そんな僕にもこの音は強烈なインパクトを残してくれました。

「頭の中どうなってるんだ」ってよくラッパーの人に対して思うんですが、トラックメイカーに対してこんな感情を持ったのは初めてかもしれません。

バトルばっか見て、ナイトロとかオジロのビートばっか聞いて「クラシック!!」ってずっと言ってるばっかじゃ進化ないっすよ。
これがヒップ・ホップの最新系。よくチェックしとけよ。

とか言いつつ「ここ一番!」っていうところで"証言"とかかかるとやっぱテンション上がっちゃうんですけどね。


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