グランド・イリュージョン 見破られたトリック

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原題:NOW YOU SEE ME
2016年制作
監督
ジョン・M・チュウ(「G.I.ジョー バック2リベンジ」)
出演
ジェシー・アイゼンバーグ(「ソーシャル・ネットワーク」)
マーク・ラファロ(「スポットライト 世紀のスクープ」)
ダニエル・ラドクリフ(「ハリー・ポッター」シリーズ)
マイケル・ケイン(「バットマン ビギンズ」)
モーガン・フリーマン(「セブン」)ほか
劇場公開中
★★★☆☆

前作を超えられなかったどんでん返し

絶対に1作目を見てから見るべき。

<あらすじ>
アトラスがリーダーのマジシャン集団、フォー・ホースメン。イリュージョンショーを繰り広げては不正に搾取された金を奪取してきた彼らが、再び出現し注目を浴びる。しかし、新たなショーでハイテク企業の不正を暴こうとするが、何者かによってイリュージョンは失敗に終わる。その裏に、ウォルターという天才ハイテクエンジニアの存在があった。


近所のTOHOシネマズ府中でやってるめぼしい映画がこれくらいしかなったので鑑賞。今週のタマフル映画でもありますし。
向かう直前に予習した結果、どうやら前作「グランド・イリュージョン」(2013年)を見てないと呑み込みが難しいという情報を目にし、あら~くあらすじだけ読み込んでいざ鑑賞。
結果、見てなくても軽く振り返ってくれるし致命的にわからないことはないけれど、間違いなく見たほうがいいし、見終わった後見たくなるし、僕は実際その直後に1作目見ました。
だからみなさんも劇場に足を運ぶ前に1作目チェックしてくださいね。

で、面白いか面白くないか、という話ですが。
面白かったです!
途中までは。
見逃せないダメな部分もあるにしろ、「駄作だ!バーカ!死ね!金返せ!」という気持ちは一切わいてこない。まあ、いうなれば佳作です。

では、いいところからー!!

・騙す快感、騙される快感、どちらも味わえる!!
これに尽きますね。
石川五右衛門ヨロシク、マジックを使って巨大な悪を暴くという展開は前回と変わらず。
大きく分けて3つのトリックシーンがあるんですが、最初の2つは観客もフォー・ホースメン側に立って「一緒に騙す側」に立ち、トリックや舞台裏を見ながら楽しむ。そして最後のでかい仕掛けは観客は悪者たちと「一緒に騙される側」として見ることになります。
マジックがフツーにかっけえ。「まあCGだろうな~」とか思いつつも。
でもこれって頑張ればできるやつなんだよね?そこのリアリティラインは守っててほしいな~。見てる分には「まあ、死ぬほど頑張ればできるんだろうな」って感じでしたが。
あのカードを投げてやり取りする一連のくだりはハラハラドキドキ感もあって素晴らしかったですね。「あれみんなできんのかい」という突込みは抜きにしても。
観客にわかるように・観客にわからないように巧みに取られているカメラワークが見事ですね。

やっぱジェシー・アイゼンバーグの早口キャラがかっこいいですね。英語のカッコよさ。
雨を止めるマジックもばっちり決まってました。

・・・という風に頭を空っぽにしてみるとすごく面白い映画です。
マカオとかロンドンとかあちこち行くし、画がとにかく華やかで派手だし。

あと、ところどころで流れる中国のヒップ・ホップがフツーにかっこよかった。

さて。ここから看過できないくらいの欠点をば。ここまでも軽くネタバレですがここからは核心に迫るネタバレなのでもう見た人や見ないと決めてる人だけどうぞ。




・「これはなんでもやりすぎじゃ・・・」などんでん返し劇
前作の「ユージュアル・サスペクツ」ばりのねっとりしたどんでん返し劇はなかなか良かったのですが、2作目はそれを超えようとしたのが明らかに裏目に出てますね。
前作から引き続き悪役的な扱いだったモーガン・フリーマンが実はいいやつで、1からぜ~んぶこいつの思惑でした~、って終わり方なんですが、何ともご都合主義すぎる。
「エクス・マキナ」(今年日本公開の傑作映画とは別の)という舞台用語があります。

由来はギリシア語の ἀπό μηχανῆς θεός (apo mekhanes theos) からのラテン語訳で、古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在(神)が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという手法を指した。悲劇にしばしば登場し、特に盛期以降の悲劇で多く用いられる。アテナイでは紀元前5世紀半ばから用いられた。特にエウリピデスが好んだ手法としても知られる。

まあ、要するに「強引にお話を収束させる方法」なのですが、あまりいい方法ではないことは誰の目にも明らか。
これを使っちゃうとどんなすごい話でも落ちをつけられるのですが、我々観客は驚くだけで「ロジカルなものを見せられる喜び」はそこにはありません。

だってさ!!
これをやっちゃうと、「緻密なチームワークとアッと驚くイリュージョンで巨悪に立ち向かう素敵なヒーロー」として描かれているザ・フォー・ホースメンの人たちが全然すごく見えなくなってしまうんですよ。
あんだけすごいことをやってたのに、所詮は彼の手のひらで踊らされていただけ。
あんだけ観客もドキドキハラハラさせられたっていうのに、所詮は最初っから展開も結果も決まっていたというんですから。
ホースメンたちの頑張りも、我々の応援する気持ちも、「なかったこと」にされた虚しさだけが残ってしまいますよ。

前作を超えよう、超えようという気持ちが行きつくとこまで行きついちゃった結果ですね。これはやってほしくなかったなー。
3作目もあるという話ですが、これは続編やればやるほど悪くなっていってしまうような気がするのでやんない方がいいっすよ。たぶん。


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